“昭和レトロ”をディープに味わうなら、ちょっと古い別荘用住宅が最高

“昭和レトロ”をディープに味わうなら、ちょっと古い別荘用住宅が最高

  • よみタイ
  • 更新日:2021/09/15
No image

東京生まれ、東京育ちの“シティボーイおじさん”が、山中湖畔に中古の一軒家“山の家”を購入!
妻、娘、犬とともに東京←→山梨を行き来する2拠点生活=「デュアルライフ」をはじめました。
音楽や読書など山の家での趣味活動から、仕事やお金のやりくりといった現実的な話題まで、
著者が実体験したデュアルライフのリアルを綴ります。
別荘暮らしが優雅な富裕層の特権だったのはもう過去の話。
社会環境や生活スタイルが大きく見直されている今、必読のライフエッセイです。

前回は、山の家の周辺で発生している木々の“異変”についてお伝えしました。
今回は、1980年代に建てられた山の家に施された、懐かしくも楽しい昭和的ギミックを紹介します。

我々が青春時代を過ごしたあの1980年代が“レトロ”とはこれいかに?

ここ数年、巷はめっきり昭和レトロブーム。

ファッションはちょっと前から80’sテイストが流行っているし、音楽はシティポップやあの頃のアイドル歌謡が再評価されています。
永井博や鈴木英人のイラストがプリントされた雑貨を持ち、フィルムカメラを使って写真を撮り、音楽をアナログレコードやカセットテープで聴くのがオシャレ。

No image

僕も使っている永井博イラストのペンケース

中一の娘に付き合い、お財布係としてファンシーショップ(って死語?)に行くと、恐ろしく懐かしいタッチのイラストが描かれた文具が並んでいて驚きます。
もっとも“懐かしい”というのは、昭和時代に10代のすべてを捧げた、ぎりバブル世代な僕ら、またはそれ以上の歳の人の感覚で、昭和などツユほども知らぬZ世代の娘は、そうしたものをただ新鮮に受け止め、素直に楽しんでいるように見受けられます。

そういえば今春、西武園ゆうえんちが昭和の街並みを再現したテーマパークに生まれ変わりました。
1960年代後半に藤子・F・不二雄が、21世紀を舞台とする漫画『21エモン』で一種のギャグとして描いた、明治村のパロディである“昭和村”が、本当にできる時代になったわけです。
などと、微妙にわかりにくいオヤジ的感慨にふけったりして。

えっと何の話でしたっけ?
そうそう。
いつの時代にも、過ぎ去りし日々の風物を愛おしむレトロマニアはいますが、これほど大きなブームになったのは1980年代中頃以来のことだといいます。
当時のことは僕もよく覚えています。宇宙百貨や文化屋雑貨店、となりのみよちゃんのようなレトロ雑貨を扱うショップが大人気で、大昔の映画や歌謡曲が流行り、ネオGSという音楽ジャンルが誕生したりしました。

そして今どきは、僕らが青春時代を過ごした1980年代がレトロ扱いされ、若い子を中心にブームとなっているのだから不思議なものです。
「レトロ? 1980年代なんて、ついこの前じゃん!」などというのは、典型的なロートル(これも死語)の戯言なのです。

昭和時代は長かったので、我々バブル世代は“昭和レトロ”というと、昭和30年代かもっと前の時代を思い浮かべます。
だから1980年代頃の風物を尊ぶ今のブームは、正確には“昭和レトロ”というよりも“昭和末期レトロ”と呼ぶべきじゃないかと思います。

昭和末期レトロブームはファッションからエンタメ、カルチャー、インテリアなどにまで及んでいますが、21世紀人の我々はそうした物事を、つまみ程度に楽しむのが普通でしょう。
でも改めて考えてみると、僕が実践しているデュアルライフは、実はかなりディープかつリアルな昭和末期レトロライフだったりするのです。

狙ったわけではないのに、オプションとして勝手に付いてきた昭和的ギミック

我が山の家は、1980年代に建てられた中古住宅です。
おそらくこの家を別荘として建てた人は、典型的な昭和時代の小金持ちだったのでしょう。
週末を都会の喧騒から離れてなるべく快適に過ごすため、昭和時代人として思いつく限りのコンフォータブルな仕掛けを施しているのです。

例えば……。
和室には、掘りゴタツがあります。
浴室には、小さなサウナがあります。
リビングの床面に2箇所、ゴルフのホールカップが切ってあります。
壁に備え付けられたダーツボードやレコード専用棚も、特筆すべきでしょう。
僕は我が家のそうした昭和ギミックをとても気に入っていて、余すとこなく使い倒しています。

No image

我が家の掘りゴタツとサウナ

No image

ダーツボードとゴルフ用ホールカップ

これから別荘を購入し、デュアルライフを考えている方にお伝えしたいのですが、我が家のようなちょっと古い物件は狙い目です。
もちろん耐震性や水回りなど建造物としての性能がしっかりしていて、綺麗に使われていることは前提条件ですが、古い物件は価格が手頃なうえ、こうした懐かしくも楽しい昭和的ギミックに思いがけず出会えるのです。

容れ物が昭和の残り香を感じさせるものであるからか、我が家の場合はあとから導入したアイテムもレトロ調に偏る傾向があります。
付け替えた玄関灯は古い街灯のような傘付きのものだし、岡本太郎作の籐製スツールもレトロです。

No image

玄関灯と岡本太郎籐製スツール

リサイクルショップで買った、これまた籐製のテーブル付きチェアもいい味を出しています。
親の代から佐藤家の一大レクリエーションだった、昭和のスポーツ遊具「バスケットピンポン」は、山の家で一番人気のアトラクションです。

No image

980円でゲットした籐製テーブル付きチェアと大人気のバスケットピンポン

山の家に似合うかな? という観点で選んでいると、おのずとこうしたややレトロな雰囲気のものが集まってくるのです。

それにしてもオッサンの愉しみなんていうものは、時代が21世紀になり、平成から令和に移り変わっても、あんまり変わらないもの。
中古レコード屋で買ったシティポップやAORのレコードを聴きながらパター練習をし、サウナに入ってととのったあと、ソファに寝転がって『ブラックジャック』などを読んでいると、しみじみそんな風に思うのです。

No image

レコードは最高です

不完全燃焼の2021サマーホリデー。癒してくれたのはやっぱり昭和的アトラクション

それはそうと、今年の夏はどうにも不完全燃焼気味です。
8月最後の週末は家から徒歩15分の山中湖畔にある村営施設・きららで行われる夏フェス、スウィート・ラブ・シャワー(略称ラブシャ)に参戦する予定でした。
一番楽しみにしていたバンドは、3日間予定の最終日、8月29日(日)に出演予定だったナンバーガール。

学生時代のバンド仲間も来る予定だったので、みんなで山の家に泊まって朝からライブ三昧、夜はテラスでバーベキュー! と、30年ほど若返って音楽サークルのりの合宿生活を楽しむ予定でした。
ところが、山梨県もまん延防止等重点措置の指定地区となり、ラブシャはあえなく中止となりました。

8月後半は娘も夏休みだし、東京が緊急事態宣言のため会社勤めの妻もリモートワークの比重が高くなったので、いつもよりも長く山の家で過ごしました。
しかし巡り合わせ悪く、なぜか向こうに行くたびいつも雨。
本当は湖でカヤックにもっと乗りたかったし、釣りもしたかった。湖畔でピクニックもしたかった。
そして今年はいよいよ念願の富士登山をしてみようかと、密かに考えていたりしたのです。

しかし降りしきる雨空を見つめて唇を噛み、涙を飲んでそれらをことごとく断念。
逃げ足の速い山中湖村の夏を、今ひとつ満喫することができませんでした。

No image

門の脇にある消火栓も昭和レトロな佇まい

仕方がないので家にこもり、シリーズ全作制覇を目指してNetflixで『男はつらいよ』を観たり、趣味のフィルムカメラのお手入れをしたり、家の中でラジコンを走らせたりけん玉をしたり、アーケードゲームのミニチュア版をプレイしたり、わずかな晴れ間には庭に設置したゴールでバスケットをしたりしながら過ごしました。
まあ、それはそれで楽しかったのですが、やっぱり、とことん昭和的だよな〜。

No image

我が家の“昭和レトロ”なアトラクションの数々

連載初回「東京で生まれ東京に骨を埋めると思っていた僕が、デュアルライフを選んだ理由」はこちらから。
本連載は隔週更新です。次回は9/29(水)公開予定。どうぞお楽しみに!

佐藤誠二朗

この記事をお届けした
グノシーの最新ニュース情報を、

でも最新ニュース情報をお届けしています。

外部リンク

  • このエントリーをはてなブックマークに追加