Android 11 の Xperia 1 II を試した。かゆいところに手が届くが、5Gは周波数増えず(石野純也)

Android 11 の Xperia 1 II を試した。かゆいところに手が届くが、5Gは周波数増えず(石野純也)

  • Engadget
  • 更新日:2021/04/07
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3月18日に、筆者が使うSIMフリー版「Xperia 1 II」が、Android 11にアップデートされました。主な進化点は既報のとおりですが、Android 11のXperia 1 IIには、OSだけでなく、Photography Proの改善や外部ディスプレイへの対応など、様々な新機能が加わっています。ドコモ版、au版より1〜2カ月遅れになってしまった格好ですが、筆者も2週間強、アップデートされたXperia 1 IIを実戦投入してきました。その印象をお伝えしたいと思います。

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▲Android 11にアップデートされたXperia 1 II。特に見た目は変わらない

アップデートとは言っても、かつてのAndroidのように、1つバージョンが違うと操作性などがガラッと変わってしまうといったことはありません。Android 11のXperia 1 IIも、Android 10のときの延長で普通に使えています。その意味で、評価するポイントも、イマイチだと思うポイントも、OSのバージョンが上がったからといって、激変してしまうことはありませんでした。良くも悪くも、当初レビューした際のXperia 1 IIの評価の枠内にはとどまっています。

一方で、Android 11の操作性が加わることで、かゆいところに手が届きやすくなったのも事実です。例えば、スクリーンショット。Android 10のころは、スクリーンショットを取ったあと、編集や共有をしようとすると通知を開く必要がありましたが、Android 11では画面左下にサムネールとそれぞれのボタンが表示されるようになりました。ぼさぼさしていると、サムネールは消えてしまいますが、この位置に表示されると、スクショ後すぐにTwitterにアップといった連携が簡単になります。片手で操作しやすい点は、うれしいポイントです。

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▲左下に注目。サムネールと共有や編集のボタンが表示されるようになった

スクショ関連で言うと、Android 10までは利用できなかったが画面録画に対応しているのも、使い勝手がよくなった点と言えます。そこまで利用頻度が高い機能というわけではありませんが、知人などに操作手順を説明するときに便利。筆者は、AndroidのWebViewに不具合が発生した際に、アプリが起動せずに落ちてしまう様子を動画に納めました。こうした説明は、静止画や文字だとなかなか分かりづらいだけに、画面の流れを動画で収録できた方がいいでしょう。

画面録画自体は、メーカー側が独自に実装し、Android 10以前にOSに提供している例もありましたが、標準対応したことでXperia 1 IIでも利用可能になりました。欲を言えば、ソニーモバイルにもこうした機能を先回りで実装してほしいところですが、今のXperiaは良くも悪くもAndroid標準に近いOSを採用しています。そのため、Android 11になって、晴れて画面録画に対応したというわけです。

Android版の「エアドロ」の「ニアバイシェア」も、使い勝手が向上しました。ニアバイシェア自体にはAndroid 10のころから対応していましたが、Android 11では、新たに通知エリアのボタンからこの機能を呼び出せるようになり、オン・オフの設定が可能になりました。自分からファイルを送りたいときは、共有メニューから呼び出せばよかったのですが、問題はニアバイシェアでデータを受けたいとき。普段からオフにしていると、オンにする場合の操作が煩雑でしたが、通知のボタンで呼び出せるようになり、手順が分かりやすくなりました。

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▲ニアバイシェアは通知上のボタンから呼び出せるようになっている

Androidそのものの機能ではありませんが、利用しているAPIが変わったためか、Facebookのメッセンジャーの通知も表示方法が変わりました。うれしいのは、通知からダイレクトに返信ができるところで、しかもAIが作成したと思われる選択肢まで表示されます。しかも、ここで表示される文章が返答として実に自然。過去のやり取りを参照しているのかもしれませんが、これなら、相手には自分が入力した文章だと思われそうです。試しに何人かに送ってみましたが、選択肢をタップしただけとはまったく思われていませんでした(笑)。

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▲OSとは直接関係ないが、メッセンジャーの通知から、簡単に返信ができるようになった

アプリがAPIを利用した機能と言えば、Android 11には「バブル」があります。これは、画面上に通知を円形のアイコンとして表示する機能。上記のメッセンジャーには、元々近い機能がありましたが、Android 11からは、これをOSとしてサポートしています。と言っても、まだまだ対応アプリは少な目。Xperia 1 II標準搭載のアプリでは、「電話」やSMSを送受信する「メッセージ」が対応しています。LINEや+メッセージにも活用してほしい機能ですが、電話で話をしながらホーム画面に戻ってブラウジングするときなどに便利。Android 11で対応した新機能の中では、割と出番が多い方かもしれません。

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▲電話しながらホーム画面に戻ると、画面上にバブルが表示される

OSとは関係なく、内蔵アプリ自体もアップデートされています。Xperia 1 IIの売りであるPhotography Proには、大きく2つの改善が加わりました。1つが、メニュー上の画角変更ボタン。通常時は3:4で撮影していますが、仕事の関係でどうしても16:9で撮らなければならないことがあり、重宝しています。筆者は仕事用のカメラとして、ソニーの「Cyber-shot RX10III」を活用していますが、これにも同じボタンがほしいと感じているほどです。

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▲写真の縦横比を、撮影中にワンタップで変更できる

Photography Proのもう1つの進化は、「MR(登録呼び出し)モード」の追加です。あからじめ登録しておいた設定を丸ごと呼び出すことができるため、特定のシーンでの撮影が快適になりました。筆者の場合、夜景撮影用や逆光撮影用に「P(プログラムオート)モード」の「オートHDR」を設定したMRモードを用意しておきました。普段の撮影はPモードの「Dレンジオプティマイザー」を使用していますが、明暗差の大きい場所や、逆光では、被写体が暗くったり、白飛びしてしまいます。

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▲MRモードに、お気に入りの設定を登録しておけるようになった

このようなときにはオートHDRを呼び出せばいいのですが、オートHDRとDレンジオプティマイザーの切り替えは、「メニュー」→「露出/色」→「DRO/オートHDR」とタップしていく必要があり、手数が多くなってしまいます。これに対し、MRモードに設定しておけばダイヤル操作を模したモード選択をするだけ。オートHDRを素早く呼び出せるため、操作性がアップしました。ほかにも、色々な用途が考えられます。Photography Pro対応のXperiaユーザーには、用途に応じて、設定を工夫してみることをお勧めします。

多岐に渡るアップデートでしたが、SIMフリー版ならではの残念な点も。それは、対応周波数です。Xperia 1 IIの場合、au版限定の話になりますが、同機はアップデートで3.5GHz帯の5Gに対応しています。これは、4Gから転用した周波数帯です。Xperia 1 IIにはソフトバンク版がありませんが、ソフトウェアやハードウェアの構成が近いXperia 5 IIは、au版、ソフトバンク版ともに、転用5Gがアップデートで利用可能になりました。

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▲5Gのアップデートが特になかったのは残念なポイント

対するSIMフリー版は、周波数対応の話が特に出ていません。実際、筆者はワイモバイルの5G対応SIMカードをセカンドスロットに挿して使っていますが、5Gエリアが広がった実感はなく、アップデート前と同様、限られたエリアでしか5Gでの通信ができません。対応周波数を増やすのは、コストに直結するだけに、キャリアの意向と関係なく投入しているSIMフリー版では、アップデートが難しかったのかしれません。

ただ、元々SIMフリー版のXperia 1 IIは、3キャリアで過不足なく使える対応周波数の広さが売りの1つでした。であれば、特に700MHz帯などの低い周波数帯を使った5Gには対応してほしいところ。こうした周波数対応を含んだアップデート計画がきちんと事前に公表されていない点も、今後に向けて改善してほしいポイントだと感じています。

石野純也 (Junya Ishino)

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