「安全日なんてない、と今は言いたい」デビューから10年、下ネタで一世を風靡したあやまん監督(42)の“後悔”――2021年BEST5

「安全日なんてない、と今は言いたい」デビューから10年、下ネタで一世を風靡したあやまん監督(42)の“後悔”――2021年BEST5

  • 文春オンライン
  • 更新日:2022/01/15

2021年(1月~12月)、文春オンラインで反響の大きかった記事ベスト5を発表します。インタビュー部門の第4位は、こちら!(初公開日 2021年10月30日)。

【画像】素敵な大人になったあやまん監督を見る(11枚)

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「下ネタ」を取り入れた過激な女性パフォーマンス集団、あやまんJAPAN。2010年のデビューから10年が経ち、現在は自身の会社を立ち上げ、全国から集めたユースメンバーらとともにイベントでのパフォーマンスを中心に活動しているという。

そんなあやまんJAPANの現在と、あやまん監督の知られざる「下ネタをめぐる葛藤」について聞いた(前中後編の前編/中編を読む)。

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あやまん監督

◆ ◆ ◆

最近は、結婚式でも活躍中

――あやまんJAPANといえば、テレビで披露していた「ぽいぽいぽいぽぽいぽいぽぴー(以降、ぽいぽい)」のイメージが強いですが、現在は「DDD、どこでも誰でも大丈夫!」をモットーに様々な現場で活動されているそうですね。最近はどんな現場で「ぽいぽい」を披露していますか。

あやまん監督(以降、あやまん) コロナで本当に営業が減ってしまって大変なんですが、青年会議所の皆さんには大変、お世話になっています。

――全国にありますから、数も多いですよね。

あやまん 正直、太客です(笑)。全国に何百と団体がある上に、メンバーがあやまんJAPAN世代ドンピシャなんで。

しかも大阪、奈良、京都みたいなブロック大会というのがあって、大阪の人があやまんJAPANを呼んでくださった後に、「良かったから京都でもどう?」みたいに紹介してくださるのか、また別のブロックでもお声をかけていただく、みたいな流れがあり。今後は青年会議所さん専属でやっていきたいですね(笑)。

あとは結婚式もありますよ。

――結婚式! 芸風からすると意外です。

あやまん 一生に一度なんだからやめたほうがいいよ、と私も思うんですけど(笑)。ときどき新郎新婦共にファンだと言ってくださる方がいるので、だいたい、あやまんジェットコースターに新郎がご乗車していただくかたちでやらせてもらっています。

――「あやまんジェットコースター」とは、どんな芸ですか?

あやまん 簡単に言うと、我々のスカートの中にお客様の頭を入れた状態を“トンネル”に見立てご乗車いただくという、アトラクション芸ですね。

ただ、新婦がやきもちを焼いてしまうと困るので、事前に「夫がこんなことをされても奥様は嫉妬されたりしませんか」と確認の上、新郎にご乗車いただくようにしています。

「これはセクハラになるのか」とハッとした

――きめ細やかなサービスですね。しかし今の時代、下ネタの扱い方についてはだいぶ変化がありましたよね。

あやまん 10年前の『とんねるずのみなさんのおかげでした』の頃は面白いと言ってもらえていたあやまんジェットコースターも、その数年後、別の番組でバカリズムさんを乗せた動画へのコメントで、はじめて「セクハラですよ」という書き込みを見ました。「そうか、見る人によってはこれはセクハラになるのか」とハッとしました。

――下ネタを芸でやっていくのは難しい時代ですか。

あやまん YouTubeでチャンネルを持っているんですが、そこでホットパンツを穿いてライブ配信したら、強制的に止められたこともあります。テレビ局の場合、規制の線引きは、明らかな放送禁止用語以外は上層部の判断と、あとは世間の「空気感」だそうです。

――炎上しそうな表現は極力、排除していく動きなんですね。

あやまん さじ加減は本当に曖昧ではあるんですが、年々、厳しくなっていることはたしかですね。

「安全日ふんどし」の出番も減らしている

――社会の変化で、あやまんJAPANのネタにも変化があったのでしょうか。

あやまん 「安全日」と書いてあるふんどしを披露するネタがあるんですが、それは曲中、急にものすごく神妙な面持ちで「すごく大切なお知らせがあります。私、実は本日……」と焦らした後、「安全日なんです~!」と言ってふんどしを出すものなんですね。

昔はなんとなくやっていましたが、今みなさんにお伝えしたいのは、安全日なんてない、ということです。

――性の正しい知識もちゃんと盛り込んでいこうと。

あやまん メンバーとも「これはやめない?」みたいなことはよく相談しています。

YouTubeでこのネタをする時にも「安全日はありません」と注釈を入れるようにしたり、ふんどしも「安全日」以外に「大吉」とか違うバージョンを用意して、場の空気感や要望に応じて変えるようにしてますね。

――あと、あやまん監督の過去のインタビューなどを読むと、「最近はセックスしてるの?」といったセクハラ質問を頻繁にされていると感じました。

あやまん 「ヤリマン」とか言ってる子は乱暴に扱ってもいい、みたいに思っている方はいるかもしれませんね。

あやまんJAPANはマネージャーもいないので、会場に行くときは女性3人だけです。そこでお酒を飲んだ方を相手にするので、酔ったお客さんがステージに上って来てしまったり、モッシュじゃないですけど、裸体のおじさんが飛んできたこともあります。

あとは記念写真を撮ることを「ハ○撮り」と呼んでいるんですが、オラついた方に思いっきり腰持たれたりすることも。その場では「もう~、ちょっと激しいんだからぁ」「欲求不満~」と返して逃げるようにしています。

――「下ネタを芸にする女性=セクハラしていい女性」じゃないですよね。

あやまん セクハラ問題は尽きませんが、昔から「攻撃が最大の防御」だと思っています。夜な夜な飲み会をしていた時も、下心をもって飲み会にやってきた男性たちに「ぽいぽい」などの全力パフォーマンスをお見舞いすると、みんな面白いように戦意喪失していくんです。

なのであやまんJAPANという仕事で言えば、一生懸命パフォーマンスすることがセクハラ防止にもつながるということもあり、全力でやらせてもらっています。

公の場で下ネタを言うことに「罪悪感」がある

――あやまん監督は下ネタをたくさん言いますが、プライベートでの経験を語ったりするような、自分の切り売りはしませんね。あくまで「ビジネス下ネタ」を徹底されています。

あやまん 秘密主義なんですよ(笑)。それと本当に勝手な話ですが、パフォーマンスとしては下ネタを言ってるんですけど、私個人としては、公の場で下ネタを言うことに嫌悪感や罪悪感を持っているんだと思います。

本来エッチなことは秘め事であって、決して人前で口にするものではない、というのが昭和54年生まれの私の基本的な思考なんですよね。ただ子どもの頃からエロには興味津々で、河川敷に落ちているエロ本、『トゥナイト』『ギルガメッシュナイト』といったものにただならぬ魅力を感じながらも、「これはきっと子どもが見てはいけないものだ」という意識もあって。

――下ネタを芸にしていることにも罪悪感がある?

あやまん 少なくとも、「下ネタ言って何が悪いの?」というスタンスではないですね。本来は人前で言うことではないという認識があるものですから、結婚式や高級ホテルといった上品な空間では特に、「こんな場所でおま〇こって叫んでごめんなさい」と思いながらやってます。

「やる気まんまんのヤリマン」とか「男の誘いを断れない優しい天使」とか言いながら、心のなかでは「ヤリマンにはならないほうがいいよ」と思ってます(笑)。

それでも、下ネタパフォーマンスをする理由

――新加入したユースメンバーの皆さんと話しても、「あやまん監督は人格者」「真面目」というエピソードばかりでした。

あやまん ぶっ飛んだグループだと思われているかもしれませんが、私自身は、「私ってヤバい人でしょ!? 見て見て~」というタイプではなくて、常識人でありたいし、そう見られたいという思いがあって。

だから普段の言動やSNSでの発言も炎上させないようにすごく気をつけている小心者ですし、実際には神経質で潔癖症なので、シャンパンの回し飲みや、唾がかかるような距離感で話してくる人も苦手です。

――罪悪感や苦手な部分を抱えながら、なぜそこまでして下ネタパフォーマンスを続けるのでしょうか。

あやまん やはり性欲は三大欲求のひとつなので、この先もなくなることはないですよね。不快に感じる方がいる一方で、我々の姿を見て元気をもらえた、と言ってくださる方もいます。そんな皆さんの声が10年以上、パフォーマンスを続けてこられた理由です。

下ネタをエロ面白く表現できる女性グループは希少な存在だと思うので、これからもイク時は……一緒だよ!

【続きを読む】「当時の私は、いてもいなくてもいい存在だった」自信のなかったあやまん監督(42)が、下ネタでブレイクするまで

写真=松本輝一/文藝春秋

(小泉 なつみ)

小泉 なつみ

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