中世のロンドンで起きた殺人事件を地図にした「中世ロンドン殺人マップ」が公開中

中世のロンドンで起きた殺人事件を地図にした「中世ロンドン殺人マップ」が公開中

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  • 更新日:2021/02/21
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イギリス・ケンブリッジ大学の犯罪学者が収集した殺人事件のデータを、Googleマップのように動かしたり拡大・縮小したりできる地図にした「London Medieval Murder Map(中世ロンドン殺人マップ)」が公開されています。

London Medieval Murder Map | Violence Research Centre

https://www.vrc.crim.cam.ac.uk/vrcresearch/london-medieval-murder-map

上記の「中世ロンドン殺人マップ」を公開しているページにアクセスすると、以下のような画面が表示されます。ロンドン橋以北のシティ・オブ・ロンドンの地域に赤いピンがいくつも立っており、その1つ1つが殺人事件があった場所を示しています。

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byEisner, Manuel (2018) Interactive London Medieval Murder Map. University of Cambridge: Institute of Criminology

ピンの上にマウスカーソルを重ねると、事件の概要が表示されます。以下のポイントでは「Jealous priest kills man he finds with his lover(嫉妬深い司祭が恋人と一緒にいた男を殺害)」という事件が発生した模様。

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byEisner, Manuel (2018) Interactive London Medieval Murder Map. University of Cambridge: Institute of Criminology

クリックすると、その事件の詳細を読むことが可能です。この事件は、1326年のバレンタインデーに発生した事件で、アランという牧師がバレンタインの日に恋人のアリスと一緒にいたウォルターを剣で切りつけたというもの。その後、アランとアリスは逃亡し、ウォルターは1週間ほど生きたものの、最後には聖職者にみとられつつ死亡しました。なお、凶器はミゼリコルドという剣の一種だったとのこと。ミゼリコルドがフランス語で「慈悲」という意味なのが皮肉です。

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byEisner, Manuel (2018) Interactive London Medieval Murder Map. University of Cambridge: Institute of Criminology

地図の上部にあるフィルターを使うと、さまざまな条件で殺人事件をフィルタリングすることができます。例えば、「victim gender(被害者の性別)」をクリックしてから「male(男性)」をクリックして被害者を女性に絞ると大半のピンが消えることから、この時代のロンドンでは男性が殺される事件が多発していたことが分かります。

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byEisner, Manuel (2018) Interactive London Medieval Murder Map. University of Cambridge: Institute of Criminology

「crime scene(犯行現場)」で「private(私有地)」と「unknown(不明)」のチェックを外しても大半のピンが残るので、殺人事件の多くは路上などの公共スペースで行われたことがうかがえます。

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byEisner, Manuel (2018) Interactive London Medieval Murder Map. University of Cambridge: Institute of Criminology

他にも、「year(年)」で事件が発生した年を絞り込んだり……

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byEisner, Manuel (2018) Interactive London Medieval Murder Map. University of Cambridge: Institute of Criminology

「weapon(武器)」で、犯罪に使われた武器を上から順に「素手」「長いナイフ」「こん棒」「短いナイフ」「剣」「その他もしくは不明」から選んだり……

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byEisner, Manuel (2018) Interactive London Medieval Murder Map. University of Cambridge: Institute of Criminology

「location ward(区)」で発生した区ごとに表示したりすることができます。

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byEisner, Manuel (2018) Interactive London Medieval Murder Map. University of Cambridge: Institute of Criminology

また、「Historic Towns Trust」をクリックすると……

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byEisner, Manuel (2018) Interactive London Medieval Murder Map. University of Cambridge: Institute of Criminology

イギリスの歴史的な地図を収集しているHistoric Towns Trustが1989年に発表した「1270年ごろのロンドンの地図」に切り替えることが可能です。1572年に発行された「Braun-Hogenberg map」に比べると少し趣がありませんが、より正確な縮尺でマップを見ることができます。

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byEisner, Manuel (2018) Interactive London Medieval Murder Map. University of Cambridge: Institute of Criminology

ケンブリッジ大学の犯罪学者であるマニュエル・アイズナー氏によると、この地図で示されている1300年~1340年の殺人事件合計142件のうち、約68%は表通りなどの公共スペースで、約21%は個人の家の中で発生したとのこと。なお、売春宿で発生した殺人事件は2件だった一方、宗教的な施設で発生した殺人事件は6件であり、売春宿より多くの殺人事件が神聖な場所で起きていることになります。

また、凶器は短剣と剣が全体の68%を占めていましたが、19%のケースではこん棒も用いられました。このことについてアイズナー氏は、「中世末期のロンドンの男性は武装するのが普通でした。加害者も被害者も、争いが発生したらすぐに使えるよう、手が届く場所に武器を置いていたのです」と述べています。

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