「イカゲーム」監督とキャストが語る世界的人気の秘密は?ユニークなテーマ曲の制作秘話も!

「イカゲーム」監督とキャストが語る世界的人気の秘密は?ユニークなテーマ曲の制作秘話も!

  • MOVIE WALKER PRESS
  • 更新日:2021/11/25
No image

「イカゲーム」撮影現場の俳優陣 Netflix

11月に入り、ハリウッドはすでに賞レースの季節を迎えている。映画は来年3月27日に行われる第94回アカデミー賞、テレビシリーズは来年9月に行われる第74回プライムタイム・エミー賞を目指し、業界賞や前哨戦を戦っていく。今年は映画の立ち上がりが遅く、目立った作品がない状況だが、テレビドラマに関しては昨年までと異なる現象が起きている。

【写真を見る】メイキングショットたっぷり!明るい笑顔でピースサインをするチョン・ホヨン

現地時間11月6日に行われたロサンゼルス・カウンティ美術館(LACMA)のガラディナーに、Netfilxの韓国ドラマ「イカゲーム』のキャストと監督が出席したことは、多くのメディアで報道されていた。この時期にハリウッドに乗り込んだのは、11月から12月にかけて、テレビシリーズ部門を持つ業界賞のノミネーション投票が行われるから。12月6日には批評家協会賞テレビ部門、12月13日にはゴールデン・グローブ賞、そして1月に入ると全米映画俳優組合賞や全米製作者組合賞のノミネーション発表がある。

11月19日には、米業界誌Varietyが主催するオンラインイベントに、「イカゲーム」のファン・ドンヒョク監督、ギフン役のイ・ジョンジェ、セビョク役のチョン・ホヨン、サンウ役のパク・ヘス、美術監督のチェ・ギョンソン、音楽監督のチョン・ジェイルが出演し、質疑応答を行った。

この世界的人気の秘密を聞かれたファン・ドンヒョク監督は、「とてもシンプルな子どもの遊びに大人たちが真剣に取り組む滑稽さではないかと思います。また、このドラマは見て楽しむだけでなく、観賞後に資本主義社会への警告のような強いメッセージを残します。そのメッセージが多くの対話を生み、世界の人々に届いたのだと考えています」と答えた。主演のイ・ジョンジェは、韓国にいると世界で話題になっていることを実感することはないが、世界の人々がYouTubeに投稿した感想動画を見て実感するようになったと言う。「彼らの表情や反応がとても率直なものだったので、これは…と思うようになりました。そしてアメリカに来たら、多くの人が私の顔を知っていて演技を褒めてくれました。そのような反応をいただいたのはとてもうれしかったです。でも正直なことを言うと、まだ信じられなくて、夢を見ているような気分です」と答えた。ちなみに司会者はイ・ジョンジェを英語風に“ジェイジェイ”と愛称で呼び、これからその呼び名が定着していくのかもしれない。

ギフンの“竹馬の友”サンウを演じたパク・ヘスは『パラサイト 半地下の家族』(19)、『ミナリ』(20)との連鎖を指摘する。「既にこれらの作品が好評を得ていたので、韓国作品に対する信頼があり、『イカゲーム』のヒットへの道を開いたのではないでしょうか」と分析するが、イ・ジョンジェ同様にアメリカで出会う人々の歓待ぶりに驚いたと言う。インスタグラムのフォロワー数が何倍にも増えたセビョク役のチョン・ホヨンは、「配信開始から1週間くらいして、海外の友人から『おめでとう』というメッセージが来て、世界中のあらゆる世代の人々が観てくれたんだと気づきました」と述べた。今作が演技初挑戦で、とてもナーバスになっていたというチョン・ホヨンは、ファン・ドンヒョク監督の「大丈夫。うまくいくから。どれだけ良いものが作れるか、楽しみにしていて」という常に自信にあふれた言葉に導かれたと告白する。ファン・ドンヒョク監督はセビョク役のキャスティングについて聞かれた際に、「彼女のオーディションテープを見たら一目瞭然でした。すでにセビョクだったからです。そのままでいいよ、と言いました」と答えている。

「イカゲーム」の唯一無二の世界観を作りあげ、文字通り世界中の視聴者の耳目を集めた立役者、美術監督と音楽監督は韓国からオンラインで参加。美術監督のチェ・ギョンソンは、「韓国で育った私たちにとって懐かしい、子どものころに遊んだいくつかの風景を組み合わせ、ユニークな韓国風ファンタジーを作るために腐心しました」と語る。彼女が描いたビジョンを実現するためにスタッフ間で長時間話し合い、多くのイラストや美術展などを参考にしたそうだ。「通常、準備期間は監督と飲みにいくことが多いのですが、今作に限っては準備に専念しなければなりませんでした。どのセットも制作が大変でしたが、参加者たちの就寝用ベッドと、第6話の横丁のセットがとても難しかったです。この2つのセットは多くの参加者が登場するのでサイズも大きく、特にベッドは456人を収容しなくてはなりませんでした。実際に俳優が使うものなので、安全で、かつリアリティのあるデザインになるよう頭を悩ませました。横丁の景色は1970年代、80年代の写真を参考に、人々にアナログ時代の郷愁を思い起こさせる小道具を集めました。横丁に漂っていたあの時代の空気までも再現したかったんです」。

一方、耳に残る音響とクラシック音楽の組み合わせは、『パラサイト 半地下の家族』でも音楽監督を務めたチョン・ジェイルによるもの。『パラサイト 半地下の家族』の音楽はアメリカでも絶賛され、映画上映に合わせてオーケストラがスコアを演奏する上映会が開かれたほど。チョン・ジェイルは「イカゲーム」の音楽のアイデアを、小学校の音楽の授業から得たと言う。「タンバリン、カスタネット、リコーダー、メロディオンといった子どものころに音楽の授業で演奏した楽器を使いました。オ・ヨンスが演じた老人のオ・イルナムのテーマ曲を作って監督に聴かせたところ、その曲を懐かしい楽器で演奏したものがオープニングの曲になりました」と、あの風変わりなテーマ曲の制作秘話を明かした。ファン・ドンヒョク監督は、「視聴者が最初に耳にする曲なのでとても大事なのですが、彼が作った曲を一度聴いたら忘れられなくなってしまって。しかも、ユニークで独特。それはリスクもあるということですが。ドラマが完成してしばらく経っても、いまだにあのメロディが頭から離れません」と語る。

このような多彩なキャストをまとめあげ、キャストやスタッフの信頼を得ているファン・ドンヒョク監督が“良い撮影現場”を作る秘訣は、「常に撮影を早く終わらせること」で、「早く家に帰してあげること。それがキャスト・スタッフの愛と信頼を得るコツです」だと明かす。だが実際は、「監督として迷っていること、わからないことがあれば、それを認めて、みんなと話し合い、最善の方法を選ぶようにしています。また、過去の経験から得たことも、みんなに共有するようにしてきました。一緒に働く人たちと誠実に向き合い、心を開くことだと思います」だとまとめた。

日本でもまだNetflixデイリーTOP10の上位にランクインしている「イカゲーム」。ちなみに今作は韓国語作品だが、米企業のNetflixが製作費を負担し権利を保持する「Netflixオリジナル」なので、米国の映画・テレビシリーズ賞の審査対象となる。この勢いのまま、アメリカの賞レースでも注目の作品となりそうだ。

文/平井伊都子

この記事をお届けした
グノシーの最新ニュース情報を、

でも最新ニュース情報をお届けしています。

外部リンク

  • このエントリーをはてなブックマークに追加