【教養としてのジュエリー学 vol.6】MIKIMOTOのパッショノワール

【教養としてのジュエリー学 vol.6】MIKIMOTOのパッショノワール

  • SPUR
  • 更新日:2022/08/06

パールはクラシック、そんなイメージも今は昔。華々しいルネサンスを遂げた真珠のジュエリーが、さらなる多様化を進めている。その旗手となるのが、日本が誇るハイジュエラーのMIKIMOTO。卓越したクラフツマンシップ、そしてビジョナリー精神で美しいノワールの世界を開拓する

※この特集中、以下の表記は略号になります。WG(ホワイトゴールド)

No image

リング〈WG(ブラックロジウム)、黒蝶真珠、ダイヤモンド〉 各¥1,012,000

No image

ネックレス(上から)〈シルバー(ブラックロジウム)、黒蝶真珠〉¥275,000・〈シルバー(ブラックロジウム)、黒蝶真珠〉¥660,000/ミキモト カスタマーズ・サービスセンター(ミキモト)

装いに、モードなスパイスを加えるロングネックレス。ブラックロジウムを施した無骨なチェーンに、パールが格調高さを添える。リングはアシンメトリーなシルエットに大粒のパールが映えるドラマティックなデザイン。ステートメントピースの風格を感じさせる。深遠な光沢をたたえた真珠と敷き詰められたダイヤモンドの煌めきが、意外性がありつつも調和し見る者を惹きつけて離さない。

格式と前衛性。二面性を持ち合わせたパールの新境地

岡部(以下O) ジェンダーフリュイドなパールジュエリーが引き続き人気です。トレンドを通り越して、老若男女あらゆる人にとってのエッセンシャルとして定着した印象がありますね。

本間(以下H) もともとクラシックなイメージがあったからこそ、カジュアルなスタイリングの“ハズシ”にちょうどいい。最近では、バロックパールや淡水パールなども増えていますね。一口にパールといっても、素材やデザインでまったく印象が変わるのも愛される理由でしょう。

O そんな中、今回フィーチャーするのはブラックパール。黒蝶真珠というと、昔は冠婚葬祭でつけるものというイメージがありましたが、MIKIMOTOの「パッショノワール」は振り切ってモードな佇まいです。

H まず特筆すべきは、真珠の色です。黒蝶真珠は色やテリの個体差が大きく、緑がかったピーコックと呼ばれるもの、黄緑を帯びたピスタチオと呼ばれるもの、そして赤っぽい彩色まで幅広く存在します。「パッショノワール」では限りなく無彩色、言うなれば漆黒の真珠を多く用いています。ただでさえ珍しいこの色を、同じサイズで揃えるのは、並大抵のことではありません。

O ソリッドな光沢が、ガンメタルのよう。パールに合わせて、地金もブラックで統一しているのがロックな印象です。チェーンのネックレスは、チェーンリンクのどの位置でも留められるので、洋服のネックラインに合わせてさまざまなつけ方ができるのも魅力的。

H オールブラックの無骨な中に、ちらりとのぞくパールの光沢がエレガントですよね。Tシャツにジーンズのようなシンプルなスタイリングに加えるだけで、ぐっと個性的な印象に仕上げてくれますし、パートナーとのシェアジュエリーとしても活躍しそうです。

O 一方で、大粒の真珠を配したリングはドラマティックな印象。オフセンターに配したパールが、指の間に鎮座する様子が見惚れるほど美しい。

H 真珠はほかの宝石に比べ、一粒でボリューム感を演出できるので、オケージョンにも活躍します。サイズが異なるダイヤモンドを隙間なく敷き詰めたあしらいも贅沢ですね。

O 地金にブラックロジウムを採用しているので、ダイヤモンドの煌めきが際立っているのが印象的でした。キラキラというより、ギラギラ。

H ダイヤモンドとパール、いずれも古来愛され続けてきた宝石ですが、色がブラックになるだけでぐっと新鮮な表情に変わります。

O これが似合う人は、かなりの玄人ですよね。僕の中のイメージは、新進気鋭なアーティストの作品を取り扱うギャラリーのオーナー。サンローランの細身のタキシードが似合いそうな。

H とても具体的ですね(笑)。確かに、ベーシックなパールをコンプリートした人にふさわしいデザイン。ちなみにこのリング、MIKIMOTOのキャンペーンで菅田将暉さんが着用していたんですが、カジュアルなスタイリングに合わせて、ダイヤモンドが入っていない裏側を表に見せていたんですよね。

O これまた上級者なつけ方ですね!

H 無骨なのにエレガント、フォーマルなのにアヴァンギャルド。二面性があるからこそ、モードを愛する方に挑戦してもらいたいコレクションです。

本間恵子
時計・ジュエリー専門ジャーナリスト。ジュエリーデザイナーという経歴に基づく鋭い目利きと、圧倒的な知識を武器に、幅広いメディアで活躍する唯一無二のエキスパート。

岡部駿佑
美しいものをこよなく愛するエディター。専門分野はランウェイ分析とジュエリー&ウォッチ。SPUR.JP、さらにYouTubeチャンネル「シュプールTV」のナビゲーターも務め、多分野で活躍。

SOURCE:SPUR 2022年9月号「教養としてのジュエリー学」
photography: Masanori Akao 〈whiteSTOUT〉 styling: Lisa Sato 〈BE NATURAL〉 hair & make-up: Ryoki Shimonagata model: Noemie text: Shunsuke Okabe

>>教養としてのジュエリー学 | TOPへ戻る

この記事をお届けした
グノシーの最新ニュース情報を、

でも最新ニュース情報をお届けしています。

外部リンク

  • このエントリーをはてなブックマークに追加