日本代表「鎌田システム」の是非 好調・鎌田大地を生かす“最適解”を考察...パスの出し手だけではもったいない

日本代表「鎌田システム」の是非 好調・鎌田大地を生かす“最適解”を考察...パスの出し手だけではもったいない

  • FOOTBALL ZONE
  • 更新日:2022/09/23
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フランクフルトで好調の鎌田大地【写真:Getty Images】

【識者コラム】フランクフルトではレシーバーとしてフィニッシュに絡むプレーが増加

11月のワールドカップ(W杯)が迫るなか、日本代表の注目ポイントの1つに鎌田大地(フランクフルト)の起用法がある。最終予選の終盤戦ではメンバー外になることもあったが、やはりクラブレベルでの活躍を見ても、日本人選手では突出した存在になりつつある鎌田を生かさない手はない。もちろん今さら鎌田に依存したチーム作りをする必要はないが、チームに大きなプラウアルファを加えていくためのキーポイントであることは確かだろう。

代表チームには特定スタイルに選手を合わせる方法と選手に合わせて組み上げる方法がある。森保一監督はこれまで主に4-2-3-1と4-1-4-1を使ってきた。また6月のガーナ戦で短時間ながら試した3バックもオプションとして示唆する。そのなかで、ここから2試合に臨むにあたり、4-2-3-1に関して次のように語った。

「対戦相手の力がアジアより格段に上がってくる。守備から攻撃にどれだけ移っていけるか。4-2-3-1になった時に1トップは変わらないが。トップ下がいると、守備から攻撃に移る時により起点を前線に増やす意味では、いい守備からいい攻撃に移るバリエーションにはなる」

鎌田はフランクフルトで3-4-2-1のシャドーとボランチでマルチにプレーしており、その時に出る選手との組み合わせで、オリバー・グラスナー監督が鎌田を当てはめている。鎌田自身も8番(中盤の前目)と6番(中盤のうしろ目)の両方で、特に苦手意識なくプレーできることは自負しているようだ。そんななかで、フランクフルトではシャドーのポジションで、いわゆるレシーバーとしてフィニッシュに絡むプレーが増えている理由をこう語る。

「シンプルにやっぱマリオ・ゲッツェの存在が大きいと思う。2年前のウチが良かった時もアミン・ユネスっていう選手がいて、彼が足もとでやってくれて、自分は裏に抜けたりだとか。自分はどっちかというと周りにプレースタイルも合わせられるタイプだと思うし、今はすごくバランスがいいと思うので、そうやってる感じです」

そうした鎌田のプレーは日本代表だと、4-2-3-1でも4-1-4-1でも出すことはできるはずだが、やはり前者のトップ下の方がより生かしやすい。ただし、日本にはゲッツェがいない代わりに南野拓実(ASモナコ)や伊東純也(スタッド・ランス)がいる。鎌田がタメを作って左右の選手がゴール前に絡んでいく。もちろん、そうした関係は堂安律(フライブルク)や三笘薫(ブライトン)との組み合わせで、また変わってくるところもある。

「トップ下はもちろん僕のできるいいポジションだと思うし、まあ僕は別にそれ以外のポジションでもある程度、いいクオリティーでできる自信があるので。そこまでポジションにはこだわりはないんですけど、僕以外にもいい選手はいるし、適した選手もいると思うし、そこはチームとしていろいろトライするべきなのかなと思います」

4-2-3-1のほうが鎌田を攻撃の起点として生かしやすい

4-1-4-1であれば最終予選でファーストセットだった遠藤航(シュツットガルト)、守田英正(スポルティング)、田中碧(デュッセルドルフ)がおり、原口元気(ウニオン・ベルリン)も中盤から機動力を生かすインサイドハーフを得意としている。そこは鎌田もこなせるが、ファーストセットで彼らより優先的に起用するほどの違いは生み出しにくいかもしれない。その意味で言うと、アメリカ戦で鎌田をスタメン起用するなら、やはり4-2-3-1で入るのがしっくりくる。

実際、メディアに全公開された2日目の練習では4-2-3-1のトップ下でプレーしていた。その1トップに入った前田大然(セルティック)は鎌田との縦関係について「大地くんは一発で前向けるので、そのタイミングで僕が背後に抜けたりするとチャンスになると思う。そこは常に狙っていきたい」とやりやすさを語っていた。

一概に“鎌田システム”というものを定義はできないが、限られた時間でドイツやスペインのような強豪から勝ち点を奪うために、相手との関係も踏まえつつ、まずベストの組み合わせを選択することは重要になる。そうなると4-2-3-1のほうが鎌田を攻撃の起点として生かしやすい。ボールを常に握れる相手であれば、正直あまりシステムは関係ないが、攻守のトランジションが生命線になることを考えると、鎌田は前目でボールを持てたほうがスイッチになりやすい。

ただ、やはり鎌田をそのポジションで起用するなら、パスの出し手としてだけ考えるのはもったいない。フランクフルトと全く同じとはいかなくても、ボランチやサイドの選手、あるいは1トップの鎌田が受け手として引き出す形を見出せれば、それはバリエーションになっていく。そうした点にも注目してみたい。(河治良幸 / Yoshiyuki Kawaji)

河治良幸

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