NEW
ロゴとアプリ版リニューアルのお知らせ
金メダル獲得のカギを握る選手は?サッカー日本代表取材歴27年のベテラン記者に聞く期待値ランキング

金メダル獲得のカギを握る選手は?サッカー日本代表取材歴27年のベテラン記者に聞く期待値ランキング

  • @DIME
  • 更新日:2021/07/22
No image

サッカー日本代表取材歴27年のライターが選ぶ!期待値ランキング

1968年メキシコ五輪以来、53年ぶりのメダル獲得が期待されるUー2(24歳以下)4日本代表。7月22日の初戦・南アフリカ戦からいよいよ東京五輪本大会に挑む。森保一監督は6月から吉田麻也(サンプドリア)、酒井宏樹(浦和)、オーバーエージ(OA)枠3人を加えてU-24ガーナ、ジャマイカ、U-24ホンジュラス、U-24スペインと4試合を実施。新エースナンバー10・堂安律(PSV)が4戦連続ゴールを決めるなど、無敗で本番を迎えることになった。

「この世代は世界大会を経験した選手が多いのが強み。2008年北京五輪のときは経験値が少ない選手がいて浮き足立ったが、欧州でやっている選手も多いし、OA3人も五輪を経験している。アラを探す方が難しいチーム構成」と日本サッカー協会の反町康治技術委員長も太鼓判を押しており、メダルへの期待は高まる一方だ。

五輪はもともと登録メンバー18人だが、コロナ禍の特別ルールによって、バックアップメンバーだった鈴木彩艶(浦和)、瀬古歩夢(C大阪)、町田浩樹(鹿島)、林大地(鳥栖)もベンチ入りの18人にエントリーできることになった。実際、林は7月のホンジュラス・スペイン戦では連続スタメンを張っており、重要な戦力として位置付けられている。日本代表取材歴27年を誇る筆者が、彼らも含めてOA3人を除く19人から期待値ランキング10傑を定めてみた。

10位…谷晃生

No image

川口能活GKコーチの後継者一番手と目される20歳の守護神。2017年U-20ワールドカップ(W杯=インド)など10代の頃から年代別代表経験を積み重ね、シュートストップを武器するイケメンGKという意味で共通点が多い。25年前の「マイアミの奇跡」の立役者は「自分より賢くプレーしている」と谷を高く評価しつつ、「世界に大きく羽ばたいてほしい」とエールを送る。

「能活さんには細かい部分を突き詰めることの大切さを指導されている」と語る彼は、川口と同じ20歳で五輪の大舞台に立つ。そこで同じような活躍を見せてくれれば、A代表へのステップアップ、2022年カタールW杯出場、海外移籍の道も開けてくるかもしれない。

9位…冨安健洋

No image

すでに森保ジャパンの絶対的主力になっているDFで、森保監督からは吉田らOAと同格の扱いを受けている。スペインのルイス・デ・ラ・フエンテ監督も「冨安が非常に重要な選手であることを示した」と名指しで絶賛したほど。五輪後にはトッテナム移籍が有力視されているが、他のビッグクラブからのオファーも届くかもしれない。

そんな22歳の逸材に求められるのは、OAトリオに匹敵するリーダーシップと統率力。ここまでは謙虚な物言いが続いていた冨安だが、東京五輪を戦うに当たって「いつまでも麻也さんに頼っているだけではいけない。麻也さんを超えるような存在にならないといけない」という意気込みをピッチ上で前面に押し出すべきだ。

8位…三笘薫

No image

本来なら注目ランキング3傑に入るべきアタッカーの三笘。五輪後はイングランドの名門・ブライトンへ移籍し、そこからベルギー1部のロイヤル・ユニオン・サンジロワーズにレンタルされるという報道も出ている。本人は「現時点で僕のところから話すことはないけど、つねに上を目指してやってきている。現時点では五輪に集中したい」と雑音を封印して取り組む覚悟だ。

気がかりな点があるとすれば、7月12日のチーム合流後、関西では一度も全体練習に入れなかったこと。22日の初戦・南ア戦からフル稼働は難しそうで、28日の第3戦・フランス戦(埼玉)あたりから戦力になるのではないか。ただ、決勝まで6試合を戦い抜くことを考えると、三笘のような決め手のある存在が一気に調子を上げ、切り札になってくれれば理想的。「大会のジョーカー」として大きな期待がかかるところだ。

7位…前田大然

No image

爆発的なスピードでゴールに突き進み、今季J1・10ゴールをマークしている弾丸FW前田大然。酷暑かつ超過密日程の東京五輪では彼のように献身的に前からチェイシング、ボールを奪い、そのままゴールにつなげてくれる選手がいれば、森保監督も選手たちも非常に有難いはず。そういう意味でも、前田大然の存在は大きいのだ。

「高1の時に悪さをして、高2の時、丸々1年サッカーをやっていなくて、やめようかなと思った。そこで社会人チームに入ったりしてみんなに支えてもらって『人のために何かをしないといけない』という考えに変わった。チームのために走ることで迷惑をかけた両親には恩返しをしたい」と話す彼にしてみれば、無観客五輪は残念でしかないだろうが、チームを勝たせる結果という意味で喜びを届けるしかない。

6位…相馬勇紀

No image

小柄な体躯ながら切れ味鋭いドリブル突破でチャンスメークと得点ができる相馬勇紀。主戦場である左サイドハーフには三笘や三好康児(アントワープ)もいるため、U-24日本代表ではジョーカー的に使われることも多いが、短時間でも必ずと言っていいほどゴールの絡む明確な仕事をしてくれる。その勝負強さは非常に頼もしい。森保監督の信頼も厚いと言っていい。

今年の大舞台に向けて食事改善に取り組み、6キロの減量に成功。体がキレキレになった。

「コロナで外食に行けなかったので、栄養面を見つめ直し、自分に何が合うのかを調べてトライしたところ、自然に6キロ痩せました。僕のストロングは爆発的なスピードで相手を抜き去ることだったり、攻守両面の献身性。それを出せるようになりました」と自信を見せる相馬。東京でスターダムにのし上がり、夢の海外移籍をつかむのが理想のシナリオだ。

5位…田中碧

No image

東京五輪直前にドイツ2部のフォルトゥナ・デュッセルドルフ移籍に踏み切った田中碧。周囲からは「五輪で活躍すれば、欧州1部からのオファーもあったはずのに…」とも言われたが、「決断が遅れると新チームへの合流が遅れる。このタイミング決めたかった」とキッパリ。スッキリした状態で大舞台に挑むことになった。

遠藤航とのボランチコンビはまさに日本の生命線。彼がどれだけ敵の攻撃の芽を摘んでボールを奪い、前線にいい配球を見せるかがチームの成否を大きく左右する。「頭の部分で勝負してきた」と言い切る田中碧は中村憲剛(川崎FRO)の正統な後継者。加えて、かつての稲本潤一(相模原)のようなダイナミックさも兼ね備えている。日本代表を背負うであろう22歳のボランチの一挙手一投足にはぜひとも注目してほしい。

4位…上田綺世

No image

森保監督率いるU-24日本代表発足時から「東京五輪世代のエースFW」と位置付けられてきた上田綺世。2019年コパアメリカ(ブラジル)参戦直後には法政大学サッカー部を退部し、大学3年ながら鹿島アントラーズ入りするという決断を下した。鹿島ではケガを繰り返し、コンスタントな活躍は叶っていないが、ザーゴ前監督から「得点センスが抜群」と絶賛されており、今回も得点源として大いに期待されている。

不安視された脚の付け根肉離れもギリギリのタイミングで完治。スペイン戦も25分間プレーし、三好からのスルーパスに抜け出す決定機も作った。これは惜しくも決められなかったが、本番で結果を出せれば問題ない。

「東京五輪は自分のサッカー人生の分岐点」と言い切る男にとって、今回は海外移籍をつかめるかどうかのチャンス。今後のキャリア含めて、その動向が興味深い。

3位…林大地

No image

U-24日本代表初招集が今年3月で、6月22日の五輪代表メンバー発表時点ではサポートメンバーに名を連ねていた林大地。チームに帯同しながら試合に出られないという、かつて遠藤保仁(磐田)やオナイウ阿道(横浜)も味わった苦い経験をするはずだったが、コロナ禍の特別ルールで試合に出られるようになり、上田のケガで一気にキーマンに浮上した。まさに今回のラッキーボーイだ。

ガンバ大阪ジュニアユース時代は堂安の1つ上。だが、技術が足りずにユース昇格を逃した。その後、履正社高校を経て、大阪体育大学でブレイク。173㎝と小柄だが、屈強で大柄な相手に対して体を張ってボールを収められる。泥臭くゴール前に飛び込むプレーも得意。岡崎慎司を彷彿させる雑草系FWの勝負強さに期待がかかる。

2位…堂安律

No image

「母国で五輪が開催されるのは、僕が生きているうちにあるかないかというくらいの奇跡。運も重なって10番をつけることになったけど、責任感を感じます」と大舞台でエースナンバーを背負うことになった堂安。その番号をつけてから全試合得点中というのは、非常に明るい材料だ。

「真司(香川=PAOK)君みたいに重要な選手になりたい」とも強調。香川が2018年ロシアW杯初戦・コロンビア戦でPKを決め、大会の流れを作ったように、堂安も日本をメダルへと導く仕事を最初からしなければならない。最近のキレと鋭さを見ていれば、東京五輪でのゴール量産、来季PSVでの活躍、そして2022年カタールW杯の主力という道も見えてきそうだ。20代になってやや足踏み状態の時期もあったが、ここで一気に抜け出す堂安をみたい。

1位…久保建英

No image

バルセロナの育成組織で育った少年も早いもので20歳。大人のフットボーラーになった。2019年6月にFC東京からレアル・マドリードへ赴いた頃はもっと鋭い成長曲線を辿ると期待されたが、19-20シーズンにプレーしたマジョルカ、20-21シーズン前半にレンタルされたビジャレアル、同後半に赴いたヘタフェではいずれも大活躍というところまで行かず、日本代表でもジョーカー的な立場にとどまっている。その停滞感を打ち破り、急激な飛躍を遂げるためにも、東京五輪での目覚ましい活躍が不可欠だ。

スペイン戦で堂安のゴールにつなげた切れ味鋭いドリブル突破に象徴される通り、個の打開力は傑出したものがあるが、決勝までの6試合を戦い抜く体力や守備力、安定感が課題だ。日本の攻撃は久保がいなければ成り立たない。そういう意味でも彼のパフォーマンスにかかっている部分は少なくない。

取材・文/元川悦子

長野県松本深志高等学校、千葉大学法経学部卒業後、日本海事新聞を経て1994年からフリー・ライターとなる。日本代表に関しては特に精力的な取材を行っており、アウェー戦も全て現地取材している。ワールドカップは1994年アメリカ大会から2014年ブラジル大会まで6大会連続で現地へ赴いている。著作は『U−22フィリップトルシエとプラチナエイジの419日』(小学館)、『蹴音』(主婦の友)『僕らがサッカーボーイズだった頃2 プロサッカー選手のジュニア時代」(カンゼン)『勝利の街に響け凱歌 松本山雅という奇跡のクラブ』(汐文社)ほか多数。

この記事をお届けした
グノシーの最新ニュース情報を、

でも最新ニュース情報をお届けしています。

外部リンク

  • このエントリーをはてなブックマークに追加