アマゾン、出社は管理者が判断 オフィス再開見直し

アマゾン、出社は管理者が判断 オフィス再開見直し

  • JBpress
  • 更新日:2021/10/15
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アマゾンのシアトル本社(写真:ロイター/アフロ)

米アマゾン・ドット・コムは10月11日、オフィス勤務社員の出社日数を固定せず、出社の判断は各部署の管理者に任せるとする新方針を明らかにした。

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出社日数や曜日、あえて決めず

アンディ・ジャシーCEO(最高経営責任者)の社員宛てのメッセージを公開した。この中で同氏は「今後もほとんどの仕事をリモートで行うチームもある。オフィス勤務と在宅勤務を組み合わせるハイブリッド型を選択するチームある。オフィス勤務であることが顧客にとって最善と考えるチームもある」とし、「週に何日あるいは何曜日に出社する必要があるかは、会社としてあえて決めない。勤務体制は管理職であるディレクターがその幹部やチームとともに決める」と説明。

さらに「当然のことながら、私たちの仕事は働く場所にかかわらず、顧客にいかに貢献するかで評価される」と付け加えた。

このほか同氏は、オフィス外でも仕事に支障なく働ける社員に対し、年間で最大4週間の完全リモートワークを認める方針も明らかにした。期間中に出社を命じられることはないが、社員が雇用されているそれぞれの国にいる必要があるという。

また、これ以外のリモートワーク時には、1日前の告知で無理なく会議に出席できるよう、所属する部署のオフィスからあまり離れない所にいてほしいと呼びかけた。

アマゾンは21年8月、出社を再開する時期を22年1月3日にすると伝えていた。同社は当初「オフィスを中心とする企業文化への回帰」を掲げ、パンデミック前と同じ「週5日出社」の全面再開を目指していたが、21年6月にこれを見直し「週3日出社」を原則とするとしていた。

同社のアーディン・ウィリアムズ人材開発担当副社長は20年に米ウォール・ストリート・ジャーナルとのインタビューで、「人とつながる能力や、チームが目的のために協働する能力はリモート環境でも可能だが、自然発生はしにくい」と指摘。「再びオフィスに戻る日を楽しみにしている」と述べていた。

米国人の4割、リモートワーク望む

今回アマゾンが方針を変更した背景には、米国における労働市場の競争激化があると同紙は報じている。ハーバード大学大学院経営学研究科のセダール・ニーリー教授は「人々は柔軟な働き方を求めており、それを提供しない企業は人材を失う。アマゾンのジャシーCEOのようなリーダーたちはそのことを知っている」と述べた。

米マサチューセッツ・ミューチュアル・ライフ・インシュアランスが今夏、米国人労働者1000人を対象に実施したアンケート調査では、41%が「出社勤務の再開を待ち望んでいる」と回答した一方で、29%が「ハイブリッド勤務や在宅勤務を好む」、10%が「出社再開を良いとは思わない」とした。米シリコンバレーや米シアトルなど、IT(情報技術)大手が本社やオフィスを構える都市の住宅価格高騰も指摘されている。コロナ禍に伴う在宅勤務への移行を機に、米テキサス州などの他州に転居した人も少なくないという。

他のIT大手も柔軟な働き方

労働市場の逼迫を背景にIT大手は柔軟な働き方を打ち出している。米ツイッターは20年に、在宅勤務を無期限で認める方針を示した。職務環境が整う人はコロナ終息後も恒久的に自宅で仕事ができるとした。

ウォール・ストリート・ジャーナルの別の記事によると、フェイスブックは当初、一部の社員を対象に完全在宅勤務を認めるとしていたが、21年6月にこれを拡大し、新入社員や新人エンジニアなども含むすべての社員に在宅勤務を許可すると明らかにした。マーク・ザッカーバーグCEOはこのときの社員宛てのメッセージで、「長期的な考えをまとめる余裕ができ、家族と過ごす時間が増えた。より幸せになり、仕事でも生産性が増した」と自らの体験を語り、自身も来年の半分はリモートワークにする予定だと述べた。

また、米マイクロソフトは21年9月、新型コロナの先行き不透明を理由に米国内オフィスへの出社再開を無期限に延期すると発表。全面再開の期日を設定しない方針を示した(米ニューヨーク・タイムズの記事

小久保 重信

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