今後期待できるクリーンで再生可能なエネルギー分野のトレンド

今後期待できるクリーンで再生可能なエネルギー分野のトレンド

  • Forbes JAPAN
  • 更新日:2021/02/21
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辞書サイト「dictionary.com」の一般投票で、2020年を象徴する言葉に「unprecedented(前例のない、前代未聞の)」が選ばれたのには理由がある。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)は現代の危機だ。米国では、死者数がいまや第2次大戦の犠牲者数を上回っている。今後数年間は、予測できない影響が幅広くおよぶことは間違いない。

パンデミックによって、人々の仕事や暮らしは変化している。テクノロジーは、今後数年のあいだに、そうした変化を反映する必要がある。クリーンエネルギー分野と再生可能エネルギー分野も例外ではない。

2020年12月に筆者が寄稿した米Forbes記事でも触れたように、2020年はクリーンエネルギー分野が大いに沸いた年だった。米電気自動車メーカーのテスラがS&P500種株価指数の構成銘柄に選ばれたことは、クリーンエネルギー業界にとっての歴史的快挙であり、「グリーン・ウェーブ」は勢いを増す一方だ。

こうした状況は、2021年にとってどんな意味を持つのだろうか。働き方がリモートへと切り替わり、米国では政権が交代し、新型コロナウイルスのワクチン開発が進んでいる。こうした状況からは、明確で期待の持てるトレンドが浮かび上がってくる。

クラウドへの移行
米スタンフォード大学の調査によると、米国では2020年6月時点、労働者の42%がリモートワークをしていた。一方で、働いていない人が33%存在していたが、その主な理由はロックダウンに起因する景気後退だった。こうした状況は、労働者にとって何を意味するだろうか。

目に見える(そして今後も続くであろう)変化のひとつが、リモートでの経営や管理の可能性を最大化し、人間の交流と人による介入を最小化するような「クラウドへの移行」だ。

企業は、スマートなオフグリッド・システム(電力の自給自足)へと移行することで、最終的にコストを削減し、セキュリティを強化できるようになるだろう。なぜなら、何か問題が生じそうになった場合、顕在化する前に解決できるし、高価でリスクのある、対面での修理サービス依頼をしなくてすむようになるからだ。

さらに、市場がいまや認識していることだが、送電・配電システムが廃止されれば、カーボン・フットプリントが大幅に削減される。太陽光発電への移行と同等か、それ以上の効果を得られる可能性がある。

バイデン新政権
筆者は、米大統領選挙戦の最中だった2020年10月の記事で、ジョー・バイデンが大統領に就任した場合、再生可能エネルギー分野にはどのような影響があるかを述べた。そして、バイデンが大統領に就任したこれからは、「クリーンエネルギー革命と環境正義のためのバイデン計画」が推進されることになる。この計画は、今後10年間で4000億ドルを研究開発とイノベーションに投じ、クリーンエネルギーをめぐる世界的な競争において米国を後押しするものだ。

つまり、米国では今後、再生可能エネルギーと電気自動車の普及が加速し、国内のクリーンテクノロジー分野とクリーンエネルギー製造分野の成長が促進されていくということだ。それが雇用にもプラスの影響を与えることが期待されており、業界はそれをより広い市場に対して証明してみせる必要がある。

世界的なレベルでは、国際協調と輸出が再び重視されるようになる。バイデンは約束を果たし、地球温暖化対策の国際的枠組み「パリ協定」に米国をついに復帰させた。彼の推し進める外交政策がプレッシャーとなって、同盟国は、クリーンテクノロジーと二酸化炭素への取り組みに、米国と同様に投資するよう迫られるだろう。

「低炭素の未来」への変化が加速
大規模で一貫した炭素税の制度が必要となるだろう。再生可能エネルギーは定着すべきであり、それを政策やプログラムへと反映させなくてはならない。現在の税制と政策は、政権を握る政党が変われば変わってしまうが、より包括的で整合性のあるものにすることで、すべての企業が再生可能テクノロジーへとシフトせざるを得なくなっていくだろう。

気候変動とエネルギー政策の世界的第一人者に数えられるオットマー・エーデンホッファー(Ottmar Edenhofer)は、カーボンプライシングについて、バイデン政権が再生可能エネルギーを推進していくための主要な手段のひとつになり得ると述べている。

政治専門紙「ザ・ヒル」に寄稿した記事のなかで、エーデンホッファーはこう述べている。「地球の気候を揺るがす二酸化炭素に価格をつけることは、物品(goods)ではなく有害なもの(bad)に課税するということだ。温室効果ガス、とりわけ二酸化炭素を排出することが高価になれば、クリーンな再生可能エネルギーは安価になる。─中略─ これは、市場を基盤とした解決策である。超党派の政策であるのはそのためだ」

また、エネルギー貯蔵のコスト削減を引き続き進めていく必要もあり、そのためには革新的なエネルギー貯蔵技術の力を借りなくてはならない。クリーンで再生可能なエネルギーが急速に採用されつつあるが、その足かせとなっているのが、エネルギー貯蔵コストの高さだ。再生可能テクノロジーにかかるコストは減り続けているので、エネルギー貯蔵はグリーン革命で重要な役割を果たすようになるだろう。

最後に、低炭素の未来へとシフトするうえで間違いなく重要なステップとなるのが、新型コロナウイルス・ワクチン接種の迅速な展開だ。

世界が再び元通りになることを、誰もが心待ちにしている。それに異論はないはずだ。ワクチン接種が効果的かつ首尾よく進めば、経済は力強い回復を見せるだろう。

経済刺激策によって、グリーン革命がいっそう推進され、クリーンな再生可能テクノロジーとビジネスモデルを支援する革新的・積極的な融資モデルが可能になるだろう。そうなれば、パンデミックはむしろ、気候変動の極端な影響を回避する助けとなるかもしれない。

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