国際宇宙ステーションに滞在する宇宙飛行士とアマチュア無線で交信することができる

国際宇宙ステーションに滞在する宇宙飛行士とアマチュア無線で交信することができる

  • GIGAZINE
  • 更新日:2021/02/21
No image

byNASA Johnson

高度400kmの上空を飛行する国際宇宙ステーション(ISS)は、地球や宇宙の観測、宇宙環境を利用した実験や研究を行うための施設であり、常に数人の宇宙飛行士が滞在しています。そんなISSでは2000年からアマチュア無線システムが運用されており、宇宙飛行士らは余暇を使って地上のアマチュア無線局と交信しているとのことです。

How to hear the ISS | AMSAT-UK

https://amsat-uk.org/beginners/how-to-hear-the-iss/

最初にアマチュア無線システムがISSへ持ち込まれたのは、ISS初の長期滞在ミッションだった第1次長期滞在が始まった2000年10月のこと。機長を務めたウィリアム・シェパード氏がエリクソン製の無線システムを持ち込み、11月には最初にアマチュア無線家との交信を行いました。

2020年9月には20年ぶりにISSの無線システムが更新され、JVCケンウッド製のアマチュア無線機「TM-D710GA」などで構成された無線システムが導入されたと報じられています。

No image

国際宇宙ステーションのアマチュア無線「ARISS」のシステムが20年ぶりに更新される - GIGAZINE

ISSに滞在する宇宙飛行士の多くは、搭乗前に日本のアマチュア無線技士に相当する資格をアメリカ合衆国で取得しているとのことで、実際にISSの無線システムを使って交信を行うことがあります。宇宙飛行士が無線で交信を行うケースには以下の3種類があるとのこと。

◆1:日時を決めて行う学校通信(スクールコンタクト)

ISS上のアマチュア無線局の設備を開発・運用するプログラム「Amateur Radio on the ISS(ARISS)」が主催するプロジェクトで、アマチュア無線を使用して各国の子どもたちがISSに滞在する宇宙飛行士と交信を行うものです。日本の学校でも2001年からスクールコンタクトが実施されており、2021年1月にも滋賀学園中学校逗子市立久木中学校の生徒たちが宇宙飛行士と交信しました。

◆2:宇宙飛行士が希望する相手との交信

宇宙飛行士は希望する相手と無線で交信することも可能であり、希望に添えるようにARISSの運用委員会が交信日時を決めているとのこと。

◆3:地上で行われているものと同じ一般交信

ARISSが関与するスクールコンタクトや特定の相手との交信は宇宙飛行士の勤務時間内に行われますが、宇宙飛行士が余暇時間にCQを出して、応答してきた地上のアマチュア無線局と交信することもあるそうです。つまり、スクールコンタクトなどの公的な行事に参加しなくても、幸運に恵まれれば宇宙飛行士と交信できる可能性があります。

実際にISSの第48・49次長期滞在員を務めたJAXAの大西卓哉宇宙飛行士も、2016年にISSから日本語モードのCQを出し、日本のアマチュア無線家と複数回にわたって交信することに成功しています。ISSの無線局が一般交信を行う場合、ISSからの送信周波数は145.80MHzですが、応答する地上側は144.49MHzを使うスプリット運用を行うとのこと。ISSとの一般交信では地上側からの呼び出しは行わず、必ずISSからの呼び出しを確認してから応答するのがマナーです。

国際宇宙ステーション(ISS)滞在中の大西宇宙飛行士、「CQ」を出して日本のアマチュア局と複数交信|2016年10月号 - 月刊FBニュース アマチュア無線の情報を満載

https://www.fbnews.jp/201610/news/onishi.html

No image

低い軌道を高速で飛んでいるISSが地上と交信できるのは、地上局の上空を通過する10分ほどの時間に限られます。そのため、ISSが上空を通過するタイミングをARISS運用委員の安田聖氏が公開している軌道予測ツールなどで予測し、タイミングを合わせてCQを待つのがいいとのこと。

ISSが送信する信号はとても強力であり、交信は一般的な144MHz FMトランシーバーで可能です。ヘリカルアンテナを備えたトランシーバーでもOKですが、4分の1波長ホイップアンテナの方が優れた結果を得られる模様。

No image

byJuan Andrés Del Puerto González

ISSは時速2万8000km以上の高速で移動し続けているため、地上局からは無線信号の周波数が変動しているように見えます。これは救急車のサイレンの音が変化するドップラー効果と同じ現象であり、ISSが近づいていると周波数が高くなり、遠ざかると周波数が低くなるとのこと。

また、アマチュア無線機を持っていない場合でも、WebSDRと呼ばれるオンラインラジオを使用して、ISSの無線局が発する音を聞くことができます。たとえば以下のウェブページでは、ISSがロンドンの上空にある場合にISSの無線局が発する音を聞くことが可能です。

Farnham WebSDR

http://farnham-sdr.com/

この記事をお届けした
グノシーの最新ニュース情報を、

でも最新ニュース情報をお届けしています。

外部リンク

  • このエントリーをはてなブックマークに追加