ソニー、宇宙光通信事業の新会社を設立─CDプレイヤー等の開発で長年培った光ディスク技術を応用

ソニー、宇宙光通信事業の新会社を設立─CDプレイヤー等の開発で長年培った光ディスク技術を応用

  • 知財図鑑
  • 更新日:2022/06/23
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ソニーグループ株式会社は6月3日、完全子会社のSony Corporation of America(SCA)が宇宙光通信事業を行う新会社「Sony Space Communications Corporation(SSC)」を設立したことを発表した。

現在、宇宙空間には約12,000機の人工衛星があり、今後も増加が見込まれている。併せて、地球周回軌道における衛星での通信量も年々増加しており、利用可能な電波による通信量の限界が指摘されている。また、低軌道衛星は地上との通信が必要であり、大容量の通信を行うためには大型の通信機器が必要であることや地上局の上空を衛星が通過するタイミングでしか通信を行えないなどの制約があり、即時性に欠けるという課題があった。さらに、現在利用されている電波は周波数免許が必要なことや、衛星の小型化に伴う通信機器の低消費電力化も課題となっている。

SSCはこれらの課題を解決するために、低軌道の超小型衛星間を光で接続する小型光通信機器の開発と関連サービスの提供を計画。光通信を利用することで、従来の電波通信では物理的に実現が困難な大容量通信を小型機器で実現していく予定だ。

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▲国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)と共同で国際宇宙ステーション(ISS)の「きぼう」日本実験棟に設置した小型光通信実験装置「SOLISS」

また、衛星と地上間のみならず、衛星間の光通信網を構築することで、地上のどこからでも、どの衛星へもリアルタイムに通信が可能になることを目指す。SSCは免許が必要な電波通信と比較して取り扱いやすい光通信を超小型衛星にも搭載できる通信機器として、衛星開発関連企業等へのサービスとして提供するという。

またSSCは、利用しやすい通信機器および衛星間通信サービスの提供により、宇宙空間で利用可能な通信量を増やし、宇宙空間を含めた地球全体をカバーするインターネット通信網の実現とリアルタイムサービスなどのアプリケーション実装も目指す考えを示している。

ソニーグループでは、株式会社ソニーコンピュータサイエンス研究所において、小型衛星に搭載可能な形状で長距離空間大容量データ通信を可能とするための光通信システムの研究開発を行ってきた。ソニーがCDプレイヤー等の開発生産を行う中で長年培ってきた光ディスク技術を応用することで、超小型・軽量かつ宇宙という厳しい環境にも耐え、量産可能な光通信機器の実現を目指している。

「きぼう」日本実験棟に設置した小型光通信実験装置「SOLISS」について

Top Image : © ソニーグループ 株式会社

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