高橋洋一の霞ヶ関ウォッチ 旧統一教会への質問権行使に、元行政官の筆者が「違和感」を抱いた理由

高橋洋一の霞ヶ関ウォッチ 旧統一教会への質問権行使に、元行政官の筆者が「違和感」を抱いた理由

  • J-CASTニュース
  • 更新日:2022/11/25

文部科学省は2022年11月22日、世界平和統一家庭連合(旧統一教会)に対し、法人の組織運営や収支、財産に関して12月9日までに報告を求める書類を送り、宗教法人法に基づく「質問権」を行使したと発表した。「質問権」の行使は1996年にこの規定ができて以来、初めてという。初めてなので、マスコミも報道するのだろう。

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一連の流れに違和感

21日の宗教法人審議会で旧統一教会への「質問権」の行使について「相当」だとする答申が出されたことを受け、永岡桂子文部科学大臣は「旧統一教会に通知を発出する」と述べていた。

また、永岡文科大臣は「法人の組織運営に関する規定文書、収支財産に関する書類、帳簿の報告を求める」としている。

「組織・運営」として求めるのは、組織図などの組織を表すものや役員規程、役員会の議事録など。また「収支・財産」については、収支計算書や寄付の受付帳など金の流れを証明するものの提出を求める方針。

こうした一連の流れについて、元行政官の筆者にはやや違和感がある。

そもそも「質問権」はオウム真理教事件を契機に26年前に行政に付与されたものだ。具体的な条文は宗教法人法第78条の2であり、宗教法人に法令違反などが疑われる場合、運営実態などについて報告を求めたり、質問したりできるものだ。

一般的に行政が持っている質問権と似ているが、宗教法人審議会の意見を聞いた後にするなどより慎重な手続きになっている。

なぜ26年間も行使されなかったのか

筆者の違和感は、なぜ26年間も行使されなかったのかということからくる。法改正は、立法府から行政府への要求である。それをなぜ無視してきたのか。

この質問権が法改正、施行された後の担当課長であり、かつ元文科事務次官であった者が、宗教法人の名称変更について受理しなかったと言った。受理しないのは行政手続きに違反しており、本来であれば受理して質問権を行使すべきだった。

今回は折角質問権が行使されるので、旧統一教会の海外送金問題を解明してほしい。日本国内で多額の寄付を集めていたが、その大半は海外に送金されている。宗教法人は財産目録及び収支計算書を作成しており、それらを丹念に追えば、海外送金の実態もつかめるはずだ。その場合、外為法に基づくものなのかのチェックも容易にわかるので、是非国民に知らせてほしい。

それと、究極的には裁判所への解散命令を文科省が請求できるかどうかだ。ここは、裁判所の問題と割り切り、文科省は早く請求して、裁判所に任せるという手もある。いつまでも文科省がやるより、その方が国民の納得は高いだろう。

++ 高橋洋一プロフィール
高橋洋一(たかはし よういち) 元内閣官房参与、元内閣参事官、現「政策工房」会長
1955年生まれ。80年に大蔵省に入省、2006年からは内閣参事官も務めた。07年、いわゆる「埋蔵金」を指摘し注目された。08年に退官。10年から嘉悦大学教授。20年から内閣官房参与(経済・財政政策担当)。21年に辞職。著書に「さらば財務省!」(講談社)、「国民はこうして騙される」(徳間書店)、「マスコミと官僚の『無知』と『悪意』」(産経新聞出版)など。

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