注目は“球”だけじゃない!あのDEVIALETが本気で作ったサウンドバー「Dione」実力チェック

注目は“球”だけじゃない!あのDEVIALETが本気で作ったサウンドバー「Dione」実力チェック

  • PHILE WEB
  • 更新日:2022/06/23

近年、手軽にテレビの音を高音質化できるサウンドバーの人気が続いている。オーディオ分野から文筆の世界に入った僕にも、最近はサウンドバーの執筆依頼が増えており、その人気の高さを実感しているところだ。

そんな中、フランスのハイエンドオーディオブランド、DEVIALET(デビアレ)からも、同社初となるサウンドバー「Dione(ディオーネ)」が登場した。

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DEVIALET初のサウンドバー「Dione」(¥359,000)、その実力を検証する!

最初に興味を持ったのは、本モデルが弩級のハイエンドモデルであるということ。現在市場には様々なサウンドバーが存在しているのはご承知の通り。“設置のしやすさ” という共通点を持ちつつも、筐体サイズや搭載するスピーカーユニット数の違い、低域の迫力を高めるサブウーファーの有無、高さ方向まで表現するイマーシブサウンドフォーマットへの対応など、さまざまなタイプがあり、価格帯も幅広い。

そのような中でDioneは、筐体寸法1200W×77H×165Dmmと大型のボディに、なんと17基ものドライバーユニットを搭載している。そして、Dolby Atmosイネーブルドスピーカーも含めた5.1.2ch再生に対応しており、大型のボディを生かして、サブウーファーを必要とせず、一本バー型ながら迫力ある低域再生を実現した「トゥルーオールインワンサウンドバー」を提唱している。

そもそもデビアレは、オーディオファンにはお馴染みのハイエンドブランドだ。美しいシャーシを持つワンボディ型のハイエンド一体型システム「Expert Pro」が有名だが、そのデビアレが本気で作ったのがDioneなのだ。

ギリシャ神話に登場する女神に由来するDioneの名の通り、デザインは美しい。中央部にあるボール状のトゥイーターが目を引くが、全体を見ても、キャビネット各所にファブリック素材が使われており、上質さもある。この大型ボディがどのようにサウンドに生かされているのか、パッと見た瞬間から期待が高まる。

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中央部にボール状のトゥイーターを配置した独自設計に、ファブリックを各所に使用した高級感ある外観も魅力

入出力インターフェイスは、HDMI2.1に対応したeARC/ARC対応のHDMI端子が1系統、光デジタル入力が1系統、有線LAN端子を装備。さらにWi-Fi、Bluetooth接続(Ver.5.0/コーデックはSBC/AAC対応)にも対応し、「AirPlay 2」のほか、「Spotify Connect」や「Deezer」などの音楽配信サービスも楽しめる。さらにUPnPによるネットワーク音楽再生機能も備えている。

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背面部の様子(画像は光デジタル入力、有線LANの端子部)

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HDMI端子はeARC/ARC対応のHDMI2.1を装備

デビアレ独自の音響技術を結集。ドルビーアトモスにも対応する5.1.2chサウンドバー

合計17基のスピーカーユニットの割り振りは、低音域を8基の134mmロングストロークウーファー、高 - 中音域を9基の41mmフルレンジドライバーが担当している。正面部のボール状のユニットはセンターチャンネルを受け持ち、さらにドルビーアトモス用のイネーブルドスピーカーも搭載している。これらを組み合わせて5.1.2ch構成を実現する。

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17基ものスピーカーユニットを内蔵した5.1.2ch構成のサウンドバー

アンプの総合出力は最大950W/定格450Wと非常にパワーがあり、内部にはワイヤレススピーカーのPhantomに採用された独自SoC「Devialet Intelligence Processor」を搭載する。これらの仕様により、出力音圧レベル101dBと大音量に強く、24Hz - 21kHzもの広大な周波数特性を実現している。

また、独自DSPを使って2chソースを5.1.2chにアップスケーリングする「SPACE」機能や、音量をリアルタイムに補正し、映画のダイアローグの明瞭度を上げる「AVL」機能などにも対応している。

さらに内蔵した4つのマイクを使用して、部屋の広さや家具の配置と、サウンドバーの位置を測定し、それぞれの部屋に最適化したサウンドを出す「ルームキャリブレーション」機能も搭載している。なお、純正アプリ「Devialet app」をスマホ等にインストールして、操作や初期設定、上述のストリーミングサービスや音声モードなどを変更できる。

強力な低音再生で迫力満点!映画のセリフは明瞭で、質感の描き分けも秀逸

一台とは思えないほどの豊かな低音を実現!映画も音楽再生も、明瞭かつ迫力あるサウンド

クオリティーチェックは自宅1Fの試聴室で、LG社の55インチ液晶テレビと組み合わせ実施した。設置されたカッシーナのラックとの視覚的なマッチングも優れており、存在感も抜群だ。

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本体の横幅サイズを考えると、55インチ以上のテレビに組み合わせたい

本体中央にあるボール状のトゥイーターには、ジャイロセンサーを内蔵しているので、今回のような平置き設置、または壁掛け設置時には、その向きを変えて設置すれば、それぞれスピーカー・チャンネル・マトリックス(垂直方向の角度)を自動的に変更してくれる。

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ボール状の部分は、平置き/壁掛けの設置向きに合わせて手動で回転。その上で配置することで、内蔵のジャイロセンサーが検知して最適化してくれる

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壁掛け時には中央のボール部分が上側になるような向きで設置する

Dioneとテレビを、Kordz社のHDMIケーブル「Bravo」で接続して、テレビの音声出力設定を「HDMI ARC」に変更する。アプリの初期設定は対話式のUIにより、実にスムーズだ。

まずは、Apple TV 4K端末からDolby Atmosフォーマットの『フォードvsフェラーリ』を再生した。

チャプター25のレースシーンを視聴すると、音が出た瞬間、「なんというパワフルな音だ!」と驚いた。大型キャビネットと17基ものスピーカーユニットを生かした、まさにハイエンドモデルだからこそ達成できる迫力満点のサウンドだ。レースカーのエグゾーストノート(自動車のマフラーから発生する排気音)が部屋中に響き渡り、臨場感も抜群である。

サウンドバーの再現性を確かめる上で大切なポイントが、映画のセリフの明瞭度だ。Dioneで聴く音声は輪郭がクリアで、前へしっかりと出してきて感心した。音場表現については、画面の横と縦幅を超えつつ、前後方向の遠近感もしっかりと表現している。それゆえに、オーバルコースに反響するレース実況は、広大な音場表現に、明瞭なアナウンスとセリフの定位感も再現され、描き分けも秀逸だ。

続いて、Dolby Atmosコンテンツ再生時の “高さ方向” の表現効果を確認するために、チャプター12の飛行機が上空を駆け抜けるシーンを再生した。本モデルは余裕のあるサイズのボディに設置された合計4つのイネーブルドスピーカーから天井に音を放出/反射させることで、高さ方向からのサラウンド音声を強力に表現できている。

実際に、イネーブルドスピーカーから出たプロペラの音は、テレビ真上を超えて、視聴者前方の斜め上くらいまで聞こえて嬉しくなった。3次元的なサラウンドが大きく臨場感を増していて、大満足だ。

さらにSPACE機能を試すべく、Dolby Atmos非対応の『TENET テネット』を視聴してみた。SPACE機能の利用時には、シネマ、ミュージック、ボイスなど4種類の音声モードを選ぶことができる。ここでは「シネマ」を選択した。

冒頭のオペラハウス襲撃シーンを再生すると、爆発音や銃声の反響が、テレビの高さを超えて届いてくる。一般的なサウンドバーより迫力が増して感じられる。またSPACE機能によって、それらの音がテレビの高さを超え、おかげで臨場感を大きく高められていることに感心した。

ユーザビリティーも秀逸で、ソース選択や音量調整は本体左側側面のタッチボタンとアプリから可能。もちろんHDMI CECにも準拠しているので、テレビのリモコンからも音量調整可能となる。

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アプリからの操作が最も手軽。本体にもタッチセンサーボタンを装備する

次に音楽再生も試してみよう。アプリのソース選択画面に、SpotifyやQobuz、Deezer、Tidalなど、世界中でメジャーなロスレスサービスが並んでいてビックリした。ここから各サービスのアプリへ移動できる。

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アプリ画面はシンプルでわかりやすい設計。音楽再生のソースには多くのサービスが並ぶ

本試聴では、UPnPによる本格的なネットワーク再生を試すべく、アイ・オー・データ機器の「サウンドジェニック「HDL-RA3HG」をNASに使用して、同社のアプリ「fidata Music App」から女性ボーカルのアデル「Easy on me」(44.1kHz/24bit)を再生する。

サウンドモードはミュージックを選択したが、クセのない音色と音調で、ソースの質感表現も忠実に再現される。さすがはハイエンドオーディオメーカーのサウンドバーといったところだ。他の音声モードについては、「ボイス」は文字通り声のディテールが明瞭で、音の中心がセンターになる。スピーカーの左右を超えて大きく音場が展開し、低域の迫力も増した、よりエンターテイメント性を高めた音作りだ。

ここまで書いてきたように、Dioneは、余裕のある筐体サイズを生かした、上下にレンジの広い音と、迫力ある低域が大きな魅力だ。特に低域表現は、市場にある多くの一体型サウンドバーの中でもトップクラスといえる。価格は安くないが、Dioneを大型テレビと組み合わせれば、見た目もサウンドも、非常にリッチな体験をもたらしてくれる。

5.1.2chというチャンネル・アロケーションを、一本バータイプで実現したこともポイントだ。サブウーファーを必要としないので、文頭で書いた “設置のしやすさ” というサウンドバーのメリットを最大限生かすことができる。

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操作や設置も手軽ながら、1台でサブウーファー要らずの低音も実現。映像も音楽再生も、満足度の高いサウンドで楽しめるだろう

さらに、イマーシブサウンドの再生能力も高いことも特筆したい。音質が上がると映像への没入感が上がると言われているが、まさにそれを具現化するような体験ができるだろう。サウンドバーで最上級の音を表現できる価値は大きい。

また、現代のサウンドバーに必須ともいえるスマホ連携による音楽再生機能についても、Bluetoothだけでなく、本格的な音楽ストリーミング再生も単体で行えるため、導入後の満足感はかなり高い。様々なブランドから多くのサウンドバーが登場している今、一気に最上級の環境を導入したい方にうってつけの1台である。

(協力:完実電気)

土方久明

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