田原総一朗「自然体で男女平等になりきれぬ日本 制度改革で急進を」

田原総一朗「自然体で男女平等になりきれぬ日本 制度改革で急進を」

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  • 更新日:2021/04/07
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田原総一朗・ジャーナリスト (c)朝日新聞社

ジャーナリストの田原総一朗氏は、先日発表された「ジェンダーギャップ指数」について言及する。

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世界経済フォーラム(WEF)が3月31日に、世界の国々で男女平等がどれほど実現しているかをまとめた報告書を発表した。日本は何と156カ国中で120位(前年121位)でしかなかった。

1位はアイスランド、2位がフィンランド、3位がノルウェーで、先進国ではドイツが11位、フランス16位、イギリス23位、そして韓国が102位、中国が107位で、日本はそれ以下なのである。

なぜ、日本は男女平等の達成率を表すジェンダーギャップ指数がこれほど低いのか。

特に低いのが、政治分野と経済分野で、女性の衆院議員は9.9%で、政治分野としては147位でしかなく、女性役員の割合は8.4%で、経済分野としては117位でしかない。

歴史を振り返ると、太平洋戦争で敗れるまで、日本では女性は一人前の人間として扱われておらず、国会議員や県会議員になる資格はなく、投票権さえなかった。

日本が太平洋戦争に敗れたのは、私が国民学校5年生の8月だが、それまでは当然のように男女別学で、女子生徒と口を利こうものなら、先輩から殴り飛ばされたものであった。女子生徒と付き合うことはもちろん、口を利くことも禁止されていたのである。

ところが、新設された新制中学に入学すると男女平等になり、体育の時間に、男女ペア4組で踊るスクエアダンスをさせられた。男、女、男、女と並び、音楽が始まると、男子生徒と女子生徒が手をつながなければならないのである。

だけど、どの男子生徒も女子生徒とは手がつなげなかった。すると体育の教師が怒って、「俺がこれから『一、二、三』と号令をかける。号令をかけたら隣の女子生徒と手をつなげ」と言い、その号令の下にやっと手をつなげたのである。

だから、戦後の新憲法の下で、私たちは男女同権、男女平等でなければならないと教えられ、そうあらねば、と思ってはいるのだが、どうも自然体では男女平等にはなりきれてはいない。

それに、私たちが大学を卒業して就職をしたころには、男女雇用機会均等法などはなく、ほとんどの女性は正規の就職はできなかった。女性は一時的には職に就いても、結婚し、出産することが大目的だとされていたのである。

そうした背景もあり、私と同世代の森喜朗氏は、あのような失言をしてしまうのであろう。

日本の男女平等を進めるためにはどうすればよいのか。

政治の分野ではフランスがやったように、クオータ制を早く導入して、少なくとも女性の国会議員を3分の1以上にするとか、あるいは、新規候補者を男女同数にするなどと定めるべきである。

そして、経済分野での最大の問題は子育てである。欧州の先進国や米国などでは、子育ては女性と男性が同程度やる、ということになっているが、日本では現在でも、子育てはほぼ女性、母親が担っているというのが実態ではないか。これでは女性が経済分野で存分の活躍ができるはずがない。

これは、日本人として世界の人々に対して恥ずかしいかぎりである。何としても、早く女性が存分の活躍ができる状況にしなくてはなるまい。

田原総一朗(たはら・そういちろう)/1934年生まれ。ジャーナリスト。東京12チャンネルを経て77年にフリーに。司会を務める「朝まで生テレビ!」は放送30年を超えた。『トランプ大統領で「戦後」は終わる』(角川新書)など著書多数

※週刊朝日  2021年4月16日号

田原総一朗

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