こんにちは、恋愛コラムニスト・恋愛カウンセラーの堺屋大地です。
筆者はLINE公式サービスにて、年間約1000件のペースでチャット恋愛相談を受けています。また知人経由で対面の相談を受けることも多く、性別・年齢問わずさまざまな方の恋のお悩みをうかがってきました。

※写真はイメージです。以下同
さて、長年連れ添っている夫婦でも、秘密の一つや二つあるのは当たり前。裏で多額の借金をしてしまっているとか、何人もの相手と不倫しているとか、現在進行形の秘密は看過できないでしょうが、“過去の秘密”だとしたらどうでしょうか。
今回のご相談者である吉崎武彦さん(仮名・44歳)は4歳年下の妻・佑香さん(仮名・40歳)と結婚して15年。一人息子を授かり夫婦円満だったそうですが……。
※この記事は本人の許可を得て掲載しています。ただし、プライバシー保護のため実際のエピソードから一部変更しています。
◆会社の先輩・後輩で社内恋愛の末に結婚
スポーツ用品メーカーの先輩・後輩として出会った武彦さんと佑香さん。二人は今でも同じ会社に勤めており、佑香さんも営業職でバリバリにフルタイムで働いてくれているため、世帯年収は1500万円程度と経済的にも恵まれた幸せ家族だったそうです。
「妻は今も昔もいつも笑顔でコミュ力が高い女性です。交際を申し込んだりプロポーズしたりしたのは僕のほうからでしたが、僕は陰キャで口数も少ないほうなので、最初は彼女から積極的にアプローチしてきてくれて、初デートに誘ってくれたのも向こうからでした。交際1年で結婚して、息子も今は中学生になって、家庭の悩みは一切なかったんです」
◆捨てメアドから届いた不穏な画像
しかしある日、武彦さんのメールに1通の無言メッセージが届いてからというもの、不安で心が搔き乱される日々を送っているといいます。
「いかにも捨てメアドっぽいGmailから届いたそのメールには、文章は書かれておらず、1枚のスクショ画像が添付されていたんです。それは20年近く前の古い週刊誌の記事を撮ったもので、目元をモザイクで隠した女性のインタビューでした。西川口(埼玉県)の風俗店に勤める嬢で、お店を通した店公認のインタビューではない裏モノ企画のような感じでして、いわゆる『NK流』の事情を洗いざらい語っていましたね」
◆インタビュー記事の女性は昔の妻だった

怪しいメアドから送られてきた不穏な画像。武彦さんはその古い週刊誌記事を読みながら、背中に嫌な汗が流れ落ちていくのを感じたんだとか。
「結論を言うと、その女性は、ほぼ確定で妻です。その子は理系の大学に通いながら店に勤めていると語っているのですが、そういったプロフィールやプライベートの話が妻と合致していましたし、男性の身体で好きなパーツとか好きなプレイとかもドンピシャ。決定的だったのは口元のホクロ。僕と出会ったときにはもう除去していたようですが、以前向こうのご両親が口の近くにホクロがあったと言っていたし、実際に昔のアルバムに写る彼女の口元にはホクロがあったんです。そのアルバムの10代の頃の彼女とインタビューを受ける嬢のホクロの位置が一致していて、顔の輪郭も同じでした」
◆経験人数は2000人!?
二人が出会ったときには引退していたのでしょうが、武彦さんのショックの大きさは計り知れません。
「妻の両親はお堅い人たちで大事に育てられていたようなので、まさか大学時代に家族に言えないようなバイトをしていたとは……。ちなみに、明るくて人懐っこいタイプなので恋愛経験は多いだろうなと思ってはいましたが、そのインタビューでは初体験が小6で、プライベートの経験人数が300人超と語っていて。さらに仕事も含めると2000人超と書かれていて、目の前が真っ白になりましたね。僕の歴代彼女は妻を入れて2人だけなので、僕の1000倍の経験をしていることになります(苦笑)」
◆妻には伝えず墓場まで持っていく覚悟でいる

武彦さんは過去の秘密を知ってしまったことは佑香さんには伝えず、墓場まで持っていく覚悟で自分の胸の内にしまっているそうです。
「かなりの衝撃でしたが、大学卒業までには足を洗っていたでしょうし、僕と出会ってからは他の男と不貞行為なんてしていないと信じているので、妻にわざわざ伝える必要はない。もちろん離婚なんて1ミリも考えていません。
ただ問題は、その記事を誰がなんの目的で僕に送りつけてきたのかということ。その謎の人物は、妻がインタビューに出ていた女性だと知っているからこそ、夫である僕に送りつけてきたわけですよね。考えられるのは、社内か取引先の人間が妻の女子大生時代の常連客(太客)だったという可能性ですが、金銭の要求をされているわけでもないので本当に目的がわからなくて……」
◆相手の目的がわからない恐怖
武彦さんは佑香さんに対して、怒ったり悲しんだり呆れ果てたりといったネガティブな感情はまったくなく、「僕が妻の秘密を守らなくてはいけない」と感じているとのこと。ただ、謎の捨てメアドの人物からは、無言の画像メール以降は何も連絡がないことから、心配や不安を通り越して恐怖心が芽生えてきているそうです。武彦さんが早く平穏な日々を取り戻せるよう祈るばかりです。
<文/堺屋大地>
【堺屋大地】
恋愛をロジカルに分析する恋愛コラムニスト・恋愛カウンセラー。現在は『現代ビジネス』、『文春オンライン』、『smartFLASH』などにコラムを寄稿。LINE公式サービス『トークCARE』では、カウンセラーとして年間で約1500件の相談を受けている。X(旧Twitter):@SakaiyaDaichi