有名中学受験:理科「食後、もっとも養分の多い血液が流れている血管の名前を答えよ」

有名中学受験:理科「食後、もっとも養分の多い血液が流れている血管の名前を答えよ」

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  • 更新日:2021/11/25
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わが子を難関私立中学に進学させたい親は、合格のためにどの程度の知識が求められるか、自身で体感してみることも有益です。ここでは科目を理科に絞り、中学受験に必要な学習内容とその難易度を、有名塾の講師が作成した参考書をもとに紹介します。今回は生物の「血液の循環」です。※本記事は、『中学受験「だから、そうなのか!」とガツンとわかる 合格する理科の授業 生物・物理編』(実務教育出版)から抜粋・再編集したものです。

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血液を全身に送り出すポンプの役割を担う「心臓」

酸素や栄養を体全体に運んでいるのは血液です。体の隅々の細胞(さいぼう)まで酸素と栄養を運ぶために、全身に血管が張りめぐらされています。

まずは、血液を全身に送り出すポンプのような役割をしている器官、心臓について話をしましょう。

みんなの心臓を前から見ると、図表1のように四つの部屋に分かれています。「右と左が変だよ?」って思った人はいますか?

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[図表1]

でも、自分の心臓を前から見ることはできませんよね?

この図は、人と向き合ってその人の心臓を前から見た状態の図です。

それぞれの部屋には血管がつながっているのがわかりますか?

今回は、その部屋と血管の名前、それぞれの血管がどこに向かっているのか、どこから帰ってきているのか…これらを即答できるようになることが最大の目標です。

ただ、いきなりこの図を覚えてはダメですよ。軽く眺めたら、まずは先を読み進めてくださいね。

「心臓から遠ざかる血液」が流れているのが「動脈」

最初に覚えたいのは、血管の名前です。血管の名前のつけ方にはルールがあるので、まずはそのルールを覚えてしまいましょう。ルールは簡単です。

心臓から遠ざかっていく血液が流れているのが「動脈(どうみゃく)」。

心臓に近づいていく血液が流れているのが「静脈(じょうみゃく)」。

電車でも、東京駅から遠ざかっていくのを下り電車、東京駅に近づいていくのを上り電車と呼ぶのと同じようなルールですね。

動脈と静脈について、もう少しくわしく説明していきますよ。

動脈は、心臓から遠ざかっていく血管。つまり、心臓から送り出されたばかりの、これから全身をめぐる血液が流れている血管です。

人間の血管を全部つなげてみると、地球2周半くらいの長さになると言われています。この長い距離(きょり)をこれから旅するわけですから、当然最初の勢いはとても強いものになります。

そのため、動脈は、厚く、弾力性があるゴム管のようになっています。心臓からドクンッと血液が送り出されるたびに、伸びたり縮んだりしている、この動きが脈拍(みゃくはく)です。

みんなも、1分間あたりの脈拍数を数えたことがあると思います。そのとき、手首や首を触って脈をとったでしょう?

まだ体で使い始める前の大切な血液が流れている動脈は、ケガをしても切れないように、手首や首などの特別な場所を除いて体の内側を通っているんです。体の内側に隠しているということですね。

静脈は、心臓に近づいていく血液。言い換えれば、体の各所で使い終わった、これから心臓に戻っていく血液が流れています。

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[図表2]

もうかなりの距離(きょり)を旅していますから、ほとんど勢いはありません。ですから、動脈と比べ、薄く、弾力性がない血管です。

勢いがないので、脈拍もないですし、体の外側を流れています。

勢いがなくなりすぎて逆流しないように、静脈には図表2のような弁というつくりが備わっています。

弁は、血液の逆流を防ぐためのつくりです。

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[図表3]

この弁は、心臓にもついています。心臓は上下が交互(こうご)に伸縮します。そのときに、血液を流したい方向と逆に流れないようにしているのです。

この心房(しんぼう)と心室(しんしつ)が交互に伸び縮みすることを、拍動(はくどう)と言います。

心臓は筋肉のかたまりで、大きさはだいたいにぎりこぶしくらい。体の真ん中よりも少しだけ左側に寄っているのはみんな知っていますね。

図表3を見ると、左心室(さしんしつ)を囲む筋肉の壁(かべ)がとても厚いことがわかりますか?

左心室は、全身に血液を送り出す血管がついているところです。これから全身を旅する血液を勢いよく送り出すために、壁がとくに厚くなっているんですよ。

「血液の流れ」「血管の名前」を覚える練習をしよう!

ここからが今回で一番大切なところです。

図表4は、血液がどのように全身を流れているのかを模式的に表したもので、心臓の各部屋にはA~D、血管には①~⑨の番号がふってあります。

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[図表4]

心臓からの血液の流れをたどってみると、Cの部屋からスタートして肺を通り、Bの部屋へと戻ってくる流れと、Dの部屋からスタートして全身を通り、Aの部屋へと戻ってくる流れの二つがあることに気がつきます。前者が肺循環(はいじゅんかん)、後者が体循環(たいじゅんかん)です。

肺循環は1本道なので、心臓から離れて肺へ向かう血管①は肺動脈(はいどうみゃく)、肺から心臓へ戻ってくる血管②が肺静脈(はいじょうみゃく)です。

体の各部を通る体循環には、たくさんの道があります。

まず、心臓から離れてすぐ通る血管④が大動脈(だいどうみゃく)です。

大動脈は各部へ向かうために分岐しますが、分岐した先は名前が変わります。たとえば⑥は肝臓に向かうので肝動脈(かんどうみゃく)、⑨は腎臓(じんぞう)へ向かうので腎動脈(じんどうみゃく)です。腎臓を過ぎたあとは心臓へ戻るので⑧は腎静脈(じんじょうみゃく)、いろんな静脈が合流して、最終的に心臓へ戻っていく③は大静脈(だいじょうみゃく)です。

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血管の名前のつけ方のルールがわかっていれば、そんなに難しくはありませんね。

唯一の例外は門脈。小腸で吸収した栄養を肝臓に送る血管が門脈です。

矢印の向きにしたがいながら、「あ、いまはDだから、えーとここは左心室だな」、次は「④にきたぞ。えーと心臓から離れていっているな。ということは、ここは大動脈だ」というように確認しながら、何周も何周も全身をめぐってください。この作業を何度も行うことが、今回の学習で一番大切です。

同時に、各部を通るとき、たとえばDの部屋なら、「いまから全身をめぐるから、ここは筋肉の壁が一番厚いところだ」というように特徴(とくちょう)を意識しながらできれば完璧です!

それ以外で意識してほしいのは、下の5個です。

●もっとも酸素の多い血液が流れている血管の名前

●もっとも二酸化炭素の多い血液が流れている血管の名前

●もっとも不要物の少ない血液が流れている血管の名前

●食後、もっとも養分の多い血液が流れている血管の名前

●普段(ふだん)、もっとも養分の多い血液が流れている血管の名前

酸素と二酸化炭素は肺で交換(こうかん)されますから、酸素がもっとも多いのは、交換(こうかん)が終わったばかりの②(肺静脈)。

逆に、二酸化炭素がもっとも多いのは、肺に戻る直前です。だから①(肺動脈)になります。

もっとも不要物の少ないのは、腎臓を過ぎた⑧(腎静脈)。腎臓は、尿素(にょうそ)をこし取って尿(にょう)をつくるところです。

食後に一番養分が多いのは、⑦(門脈)。小腸(しょうちょう)で吸収した栄養は、門脈を通って肝臓に送られています。

肝臓では、送られてきた養分をグリコーゲンとして蓄えます。普段はその蓄えたものを、少しずつ血液に流しているのです。

だから、普段、もっとも養分が多いのは、⑤(肝静脈)になります。

このことを意識しながら、全身をめぐる作業を何度も繰り返してから、心臓の図が書いてあったページに戻ってみてください。

最初見たときには、「こんなの覚えられるはずがない」と思った図が、さっきより頭に入ってくるのではないかな?

心臓の図を見て、血液の流れや、各血管の名前がパッと頭に思い浮かぶようになったら、この練習は完了です。

まだいくつか話していないことがあるので、この項目は次回に続きます。

立木 秀知
中学受験専門塾ジーニアス

立木 秀知

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