パソコンが過去最高に売れている? Windows 7特需の昨年を大きく上回る実績

パソコンが過去最高に売れている? Windows 7特需の昨年を大きく上回る実績

  • ASCII.jp
  • 更新日:2021/02/23

一般社団法人電子情報技術産業協会(JEITA)が発表した、2021年1月の国内PC出荷出荷台数は、前年同月比109.8%増の138万4000台となった。前年同月は、Windows 7のサポート終了が1月14日に迎えたことから、駆け込み需要が集中。前年同月比17.4%増の66万台と2桁成長をしたが、その実績に対して、さらに2倍となる異例の状況になった。また、1月単月では、Windows XPのサポート終了を3カ月後(2014年4月8日)に控えた2014年1月の106万1000台を上回り過去最高となった。

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2021年1月の国内PC出荷実績 JEITA調べ

Windows XP特需以来の記録を更新

大幅な伸びをみせた背景にあるのは、政府主導により、児童生徒1人1台のPC整備を進めているGIGAスクール構想の影響だ。2020年度中の整備が進められており、年度末に向けて、急ピッチで導入が促進されていることが見逃せない。

それを裏づけるように、いくつかの象徴的な動きが見られている。

ひとつはノートPCの構成比が高まっていることだ。

2021年1月のノートPCの出荷実績は、前年同月比167.8%増の127万7000台。出荷台数全体に占めるノートPCの構成比は92.3%となっている。2020年1月のノートPCの構成比が72.3%であったので、この1年で構成比が2割も上昇していることになる。

ここ数年、約7割で推移していたノートPCの構成比は、2020年4月以降、テレワーク需要の増大に伴い、約8割の構成比にまで上昇していた。さらに、GIGAスクール構想による導入が本格化しはじめた2020年9月には、初めて9割台に突入。それ以来、高い水準を維持している。1月の92.3%という構成比は、12月の92.4%に続き、2番目に高い水準だ。

GIGAスクール構想では、Windows PC、Chromebook、iPadのなかから、それぞれに定められた仕様のデバイスが、導入の対象となっており、同構想による導入が促進されれば、自然とノートPCの構成比は高まることになる。実際、2021年1月のノートPCの出荷実績は、前年同月比167.8%増となっており、2.6倍にもなっている。

また、同構想で定められたノートPCの仕様は、ディスプレーサイズが9~14型とされているほか、可能であれば11~13型が望ましいとしている。JEITAの出荷統計では、画面サイズが14型以下および重量が1.5kg以下のものは、「モバイルノート」と定義しており、このカテゴリーの集計を見ると、前年同月比740.7%増の83万9000台と、8.4倍にも増加している。ここからも、GIGAスクール構想による導入が反映されたことがわかる。なお、ノートPCの出荷台数は、2014年1月の70万4000台を大きく超え、1月としては過去最高の実績になっている。

ノートPCの構成比が増える一方で、平均単価は大幅に下落

もうひとつ、GIGAスクール構想による出荷を裏づけるのが平均単価の大幅な下落だ。

2021年1月の出荷金額は、市場全体では前年同月比20.3%増の825億円と成長したものの、過去最高となった2008年1月の926億円を、100億円ほど下回っている。また、ノートPCでは、39.6%増の706億円。台数では8.4倍という高い成長を遂げたモバイルノートでも186.5%増の331億円と、約2.9倍に留まっている。

台数成長に比べて、金額成長が低いのは、平均単価が下落しているのが理由だ。実際、2021年1月の平均単価は、市場全体で5万9610円、ノートPCで5万5286円、モバイルノートでは3万9452円となっている。

JEITAの出荷統計は、メーカーからの出荷ベースの金額であり、GIGAスクール構想では4万5000円という補助金の範囲内での調達がほとんどであることに照らし合わせても、モバイルノートの平均単価の水準は、まさにGIGAスクール構想向けと合致していることがわかる。

ちなみに、GIGAスクール構想によるPC導入がはじまっていない2020年1月の平均単価は、市場全体で10万3939円、ノートPCで10万6079円、モバイルノートは11万5000円となっていた。もともとモバイルノートの方が市場全体やノートPC全体よりも高かったが、それが逆転。そして、モバイルノートの平均単価は、わずか1年で3分の1にまで下落しているという状況だ。

ここからもGIGAスクール構想による導入が大きく影響していることがわかる。

なお、1月としては、過去最高の出荷金額を達成している2008年1月のモバイルノートの平均単価は、15万8750円。2021年1月の実績と比較すると、4分の1の平均単価にまで下がっていることになる。

国内PC市場の活況は続く見込み

では、2021年2月、3月の動きはどうなるだろうか。

引き続き、GIGAスクール構想による出荷が相次ぎ、国内PC市場は活況となるのは間違いなさそうだ。

いまは、全世界のPC市場において、モノ不足が発生しているが、日本のGIGAスクール構想は、政府主導での導入であり、予算措置という観点からも、2021年3月末の「年度末」までに導入することが前提となっている。PCメーカー各社が世界中からPCを調達しているところであり、2月、3月の出荷台数はさらに加速する可能性が高い。

前年となる2020年2月、3月は、Windows 7のサポート終了に伴う駆け込み需要のあとの反動もあり、PC市場全体では、2月が前年同月比20.4%減の50万2000台、3月は22.6%減の79万2000台と、前年割れとなっている。

つまり、比較対象となるベースが低くなっていることを考えれば、前年対比という意味では、2021年1月実績の「2倍」以上の成長が見込まれることになる。

特に、GIGAスクール構想の対象となっているモバイルノートは、2月が36.9%減の9万7000台、3月が37.4%減の17万台と大幅な落ち込みをみせていただけに、その反動の影響が極端に表れる可能性が高い。2月、3月は、国内PC市場にとって、空前ともいえるモバイルノートの成長が想定されることになる。

果たして、どんな結果が出るのか、そして、その旺盛な需要に、PC業界は、どこまで供給することができるのか。注目しておきたい。

なお、JEITAのパソコン出荷統計は、参加企業による自主統計となっており、Apple Japan、NECパーソナルコンピュータ、セイコーエプソン、Dynabook、パナソニック、富士通クライアントコンピューティング、ユニットコム、レノボ・ジャパンの8社が参加。市場全体の約7割をカバーしている。

大河原克行 編集●ASCII

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