J2のブレイク候補5人。引き抜かれないかサポーターは常にヒヤヒヤ

J2のブレイク候補5人。引き抜かれないかサポーターは常にヒヤヒヤ

  • Sportiva
  • 更新日:2021/02/21

『特集:Jリーグが好きだっ! 2021』
J2を面白くする注目選手たち

2月26日に開幕するJリーグ。スポルティーバでは、今年のサッカー観戦が面白くなる、熱くなる記事を、随時配信。さまざまな視点からJリーグの魅力を猛烈アピール!

◆【写真】降格は4チーム。本命不在のJ2、仁義なき戦いを制するのはどこか?

今回は、J1より多い22チームで争う、J2の注目選手をピックアップ。クラブやサポーターから大きな期待をかけられ、今季ブレイクを果たしそうな5人を紹介する。

No image

新監督を迎えた大宮の、キーマンになりそうな大山啓補

大山啓輔(大宮アルディージャ/MF)

「啓輔、(前を)向けるぞ!」

沖縄キャンプの名古屋グランパスとのトレーニングマッチで、今季から指揮を執る岩瀬健監督から指示の声が飛んだ。昨季J1で3位の名古屋の強烈なハイプレスを相手にしても、できる限りボールを受けたら前を向いていこうというのが、今季の大宮アルディージャのサッカーだ。

岩瀬監督は、就任してからここまで「相手の嫌がるサッカーをする」と何度も口にしている。その一つとして、相手のプレスに対してはこちらが前を向いたほうが、相手は嫌がるという考えがある。

そんな岩瀬監督のサッカーのキーマンになりそうなのが、ボランチの大山啓輔である。小学生の時から大宮アルディージャでプレーする生え抜きの大山は、アンドレア・ピルロ(イタリア/現ユベントス監督)のような正確な長短のパスを使い分ける。ボールタッチはエレガントそのものだ。昨年は65メートルの超ロングシュートを決めて、月間ベストゴールにも選ばれた。

大山には「相手の嫌がるサッカー」を実行する頭脳と技術が備わっている。ピッチの中央でタクトを振るいチームを進むべき方向へ導くのが大山の役割となりそうだ。また、常に世界中の最先端のサッカーを学び、吸収しつづける岩瀬監督のサッカーにおいて、選手もまた最先端の戦術に適応することが求められる。

そうなると、岩瀬サッカーのなかで大山も、より広範囲に動いて攻守にわたって活躍するプレーヤーになっていくはず。ピルロからケビン・デ・ブライネ(マンチェスター・シティ)のように進化していく姿が見られるかもしれない。

昨季はケガもあり18試合の出場に留まったバンディエラ(旗頭/チームの象徴)だが、今季はピッチ上でも、ピッチの外でもクラブを引っ張っていく存在になってくれることが、大宮アルディージャ全サポーターの願いである。(池田タツ●文)

No image

レノファから大きな期待を受ける橋本健人。22年シーズンからの正式加入が決まっている

橋本健人(レノファ山口/DF、MF)

橋本健人、21歳。慶応義塾大学に在籍中。昨季最下位に沈んだレノファ山口の、今季の命運を左右する選手である。J2残留を大学生に託すなんて、という話ではあるが、レノファが頼りないというわけではなく、この男の能力が高すぎるのだ。

Jリーグファンにはまだあまり馴染みのない名前だろうが、逆に大学サッカーファンでその名を知らぬものはいないのではいか。昨季の関東大学リーグでは20試合に出場して7ゴール7アシスト。攻撃の要として、1部昇格したばかりのチームを見事残留に導いた。

左サイドを主戦場としながら、内へ外へと柔軟なポジショニングで攻撃を組み立て、左足の多彩なキックでチャンスメイクからフィニッシュまでこなす。フリーキックという飛び道具もある。大学3年次の昨季も特別指定選手として、すでにJ2リーグ10試合に出場し、場違いな存在感を発揮していた。能力的にはすでにJ1級と言っても過言ではない。

今季も早々に特別指定選手として登録され、というか申請の時点でクラブがリリースを出しているわけで、そのことからも期待値の高さがわかっていただけるだろう。文武両道を地で行く性格から、Jリーグ・大学リーグ・学業の三足の草鞋を今年も継続していくことになる。

大学リーグと掛け持ちのため、昨季のJ2出場はほとんどがミッドウィーク開催に限られた。焦点はもはや活躍するかどうかではなく、どれだけレノファに帯同させられるかだ。(沖永雄一郎●文)

No image

「相模原のビースト」ユーリのプレーが爆発寸前だ

ユーリ・マムチ(SC相模原/FW)

この男がピッチに立っているのを見ると、競技を間違えたんじゃないかと思ってしまう。

ユーリ・マムチ。その見た目はラグビー選手、いや、ヘビー級の格闘家のようですらある。177cm、86kgという数字だけだといまいち伝わらないが、とにかくゴツい。上半身も下半身もムチムチでユニフォームがはち切れそうだ(太モモ周りは70cmあるらしい)。

ユーリが日本のファンの前でベールを脱いだのは、2020 シーズン開幕前に行なわれた大宮アルディージャとの練習試合だった。当時はJ3だった相模原が大宮に4-1で勝った試合で、ユーリは先制点を決めた。その体格からは想像もつかないスピードに加え、股抜きやシザーズなどを見せるように、意外と技巧派でもある。試合後、大宮サポーターによるツイッター投稿が衝撃の大きさを物語っていた。

「ボブ・サップみたいなヤツにやられた......」

期待値は特大級だったが、1年目は22試合5得点と大ブレイクとはいかなかった。同じく新加入だったブラジル人FWのホムロがチーム最多の13得点を決めた一方で、ユーリは前線からの守備など日本のサッカーへの順応に苦しみ、出場時間も限定的だった。だが、2年目のユーリはひと味違うらしい。

「モチベーションも高いし、コンディションも上がっている。かなりやるんじゃないかな」(三浦文丈監督)。

もうすぐJ2に"相模原のビースト"が上陸する――。(北健一郎●文)

◆降格は4チーム。本命不在のJ2、仁義なき戦いを制するのはどこか?>>

No image

J2屈指のファンタジスタ、本間至恩に注目だ photo by Albirex NIIGATA

本間至恩(アルビレックス新潟/MF)

5年ぶりのJ1復帰を期待するアルビレックス新潟のファン・サポーターにとって、今オフは気が気でなかったに違いない。1月上旬、こんなニュースが駆け巡ったからだ。

本間至恩、J1・徳島ヴォルティスへ移籍か――!?

実際、1月21日の新体制発表会の段階で2021年シーズンのスカッドのなかに、「新潟の至宝」の名前がなかったから大騒ぎに。4日後、クラブから契約の更新がようやく発表された。その際、身長164cmの小柄なテクニシャンは「悩んだ」ことを告白している。

新潟のアカデミー出身で、プロ2年目の昨季、10番を託された。変幻自在のドリブルとアイデア溢れるパスで観客を魅了するJ2屈指のファンタジスタだけに、自身の力がJ1でどれだけ通用するか試したいと思うのも当然だろう。

本間が並み居る小柄なテクニシャンと異なるのは、柔剛併せ持つ点だ。相手の守備陣をあざ笑うかのように繊細なループパスを繰り出したかと思えば、どこにそんなパワーを秘めているのか疑問に思うほど、強烈なロングシュートを叩き込む。

愛する地元クラブをJ1復帰に導いて、海を渡るのが青写真だろうか。いずれにしても近い将来、欧州へ羽ばたく逸材だ。今のうちにそのプレーをたくさん見ておくことをお勧めしたい。(飯尾篤史●文)

No image

昨季出場機会を得て、ついに才能が開花したジュビロ磐田の伊藤洋輝

伊藤洋輝(ジュビロ磐田/DF)

ジュビロ磐田の眠れる獅子・伊藤洋輝は、大きな成長を感じさせた昨季から、さらにもう一段上のステージへ踏み出そうとしている。

その左足から繰り出される精密誘導弾はピッチを斜めに切り裂き、相手の急所を"爆撃"する。188cmの大きな体は強さとしなやかさが増し、相手の快足FWにスペースへの"よーいドン"を仕掛けられても、戦えるだけのスピードもある。かつては「武器にできていないので、武器にしないといけない」と言っていたヘディングの技術も確実に向上し、空中戦でも頼れる選手に仕上がってきた。

21歳の若武者ではあるが、高校生の内にプロとしてのキャリアをスタートさせて早くも5年目のシーズン。ただ、レギュラーとしてほぼフル稼働したのは昨季が初めてのこと。最初の3シーズンは、リーグ戦出場わずか3試合と実戦機会に恵まれず、ブレイクスルーを果たせずにいた。

森保一監督が就任して最初の国際大会だった2018年のAFCU-23選手権にも下の世代から唯一招集され、オランダの有力クラブが獲得に動いたこともあるなど、各方面からその資質は評価されていた。元より190cm近い長身でスキルもあって、走れて、さらに左足で"蹴れる"選手はそういないのだから当然だが、磐田の歴代監督の構想においてどうにも"ハマる"場所がなかった。

それが昨季、ビルドアップを重視するフェルナンド・フベロ監督の指揮下、左のセンターバック(CB)として"ハマる"ポジションを見出し、ついに花開いた。もちろん未熟な部分も残しているが、そこは伸びしろと捉えたい。今季もCBとしての起用が有力だが、東京五輪に滑り込むことを考えるならむしろ好都合でもある。ようやく手にした実戦機会を重ねながら、もう一段のスケールアップを見せられるか。(川端暁彦●文)

この記事をお届けした
グノシーの最新ニュース情報を、

でも最新ニュース情報をお届けしています。

外部リンク

  • このエントリーをはてなブックマークに追加