[ロンドン 20日 ロイター] - 欧州中央銀行(ECB)理事会メンバーのビルロワドガロー・フランス中央銀行総裁は20日、ECBの政策金利は向こう数四半期にわたって「高止まり」が続く公算が大きいとの見方を示し、利下げの話題は時期尚早だと一蹴した。
ECBは10月の理事会で、それまで10会合連続で実施してきた利上げを休止し、政策金利を据え置いたため、市場では利下げ時期に注目が移っている。
ただビルロワドガロー氏は「(政策金利サイクルには)ピークやボトムだけなく、プラトー(高水準での安定)という局面がある。それこそ恐らくわれわれが少なくとも次の数回の理事会と数四半期で実行しようとしていることだ」と語った。
パレスチナ自治区ガザにおけるイスラエルとイスラム組織ハマスの戦闘や、原油価格の変動は、ユーロ圏の物価上昇鈍化の流れを損なうことはないだろうとも予想した。
一方でユーロ圏の景気後退は回避可能で、「ソフトランディング」に落ち着く確率の方が大きいと見込んだ。
パンデミック緊急購入プログラム(PEPP)の下での保有国債償還金の再投資については、予定の2024年末よりも前に打ち切る必要があるかもしれないと述べた。
またECBは今後、政策金利を動かせる余地が限定されないように、フォワードガイダンスの修正も不可欠になるのではないかと付け加えた。