ビジネスマンが知っておくべき『グルメの新常識』 第53回 「国産シードル」

ビジネスマンが知っておくべき『グルメの新常識』 第53回 「国産シードル」

  • マイナビニュース
  • 更新日:2021/01/13
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次々に新しい料理や食材などが登場するとあって、『食のトレンド』は刻一刻と移り変わっていく。しかし、クライアントや職場の同僚と「あれ食べた?」という話になることはよくある。そんなときに「……聞いたこともない」というのは、かなりマズい。この連載では、ビジネスマンが知っておけば一目おかれる『グルメの新常識』を毎回紹介していく。第53回は「国産シードル」。

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○「国産シードル」って何?

ワインはブドウを発酵させたものだが、シードルとはリンゴを発酵させた果実酒のこと。もともとはフランスやイギリスなどで伝統的に造られていた酒だ。リンゴ本来の甘みや爽やかな酸味を活かした味わいで、甘口もあれば辛口もある。日本で見かけるシードルはフルーティな甘口が多く、またほとんどが発泡性だが、無発泡タイプのシードルもある。

いま人気が高まっている国産シードルとは、日本国内で造られたシードルのことで、原料は外国産の場合もある。希少な品種のリンゴを使うなど、とくに原料や製法にこだわったものは「クラフトシードル」とも呼ばれ、雑誌『日経トレンディ』(日経BP社)が選ぶ「2021年ヒット予測ベスト30」には「国産クラフトシードル」がランクインしている。

日本でシードル人気が高まっている理由のひとつは、ワインに比べてアルコール度数が低く飲みやすいこと。一般的にワインのアルコール度数は9~15%だが、シードルは3~5%程度のものが多い。また、ワインは750mlのボトルで販売されているものが大半だが、シードルは200mlや500mlなど小サイズの商品も多く、あまりお酒に強くない人でも気軽に手に取りやすいのが魅力だ。
○「国産シードル」はどこで飲める?

シードルは、レストランやバーで飲めるのはもちろん、スーパーやコンビニでも買える。国産シードルの代表格ともいえるのが、アサヒビールの「ニッカシードル」。前身となる商品は実に1956年から販売されているという歴史の長い商品だ。現在は定番として、やさしい甘さでフルーティな「シードル・スイート」、雑味がなくスッキリした「シードル・ドライ」、華やかさとキレが持ち味の「シードル・ロゼ」の3種を展開。いずれも国産リンゴ100%のスパークリングワインで、アルコール分は3~5%と低め。糖類・香料不使用なので、リンゴのみずみずしい味わいを楽しめる。200mlの飲み切りサイズがうれしい(720mlサイズもあり)。

そんなアサヒビールでは2020年8月に真っ赤なシードル「ニッカ JAPAN CIDRE(ジャパン シードル)」(本記事冒頭写真)を発売し、大きな話題を集めた。果肉まで真っ赤なリンゴ品種「ジェネバ」を一部使用しており、パッケージ同様、中身のドリンクも赤い。華やかな色合いとオシャレなパッケージから、「プレゼントやちょっとしたパーティーへの手土産にもぴったり」という声のほか、「甘すぎず、ほどよい酸味とリンゴそのものの味がおいしい」と味わいへの評価も高い。アルコール度数は3%。商品は東北エリアの一部店舗やAmazonで販売。期間限定商品なので、なくなり次第終了だ。

「日本のシードル市場は、まだ市場規模としては小さいものの、近年は右肩上がりに成長しています。ニッカシードルの売り上げも昨年から伸びており、特にコロナ禍で伸び率が高くなりました。シードルが家飲みの需要に見事にマッチした結果と考えております」(アサヒビール 新商品開発部 水谷由布さん)

リンゴの名産地である青森県弘前市でリンゴ園を経営しているもりやま園では、2018年2月に「TEKIKAKA(テキカカ)シードル」を発売した。これまで廃棄されるのが当たり前だった未成熟の摘果リンゴ(間引きで摘まれる未成熟のりんご)を使っているのが特徴。食事に合わせやすいシードルを目指したそうで、酸が効いたドライな味わいだ。2019年8月には日本シードルマスター協会が主催する「ジャパンシードルアワード」にて国産銘柄で初となる大賞を受賞している。

2020年6月には第2弾として、「えんシードル」を発売した。こちらは「彩香(さいか)」という品種のリンゴ果汁を100%使用。彩香は豊かな甘さと深い酸味が魅力の品種ながら、形がややいびつで不揃いであることや、つる元にサビが発生しやすいといった理由から、生産者から敬遠されがちだった。もりやま園ではそんな彩香を節減対象農薬・化学肥料不使用で栽培。園地から採取した天然酵母を使って、酸化防止剤無添加、無加糖で醸造しているという。ミディアムスイートの味わいの中に酸味やほのかな渋みを兼ね備えており、レストランのシェフなどからも高評価を得ている。

「テキカカシードルとえんシードルの出来上がりのテイストはまったく異なりますが、理念は共通しており、『これまで眠ってきた有効資源を掘り起こし、新たな価値を創造する』というテーマのもとに造っています」(もりやま園 代表取締役 森山聡彦さん)

ちなみにアルコール分はいずれも5%。同社のオンラインショップのほか、県内外の小売店でも取り扱いがある。
○「国産シードル」を飲んでみた

今回はスーパーで気軽に購入できる国産シードルとして、メルシャンの「おいしい酸化防止剤無添加ワイン シードル」シリーズを飲んでみることに。同シリーズの売上は2020年1月~11月累月で前年比156%と好調だ。

同社のシードルシリーズにはリンゴを原料としたものとグレープフルーツを原料にしたものがあるが、今回は2019年3月に発売されたリンゴが原料の「シードル」と、2020年11月から期間限定で販売されているシナモンを加えた「シードルwithシナモン」を飲んでみた。

こちらの「シードル」は、濃縮リンゴ果汁(外国産)とリンゴ果汁(日本産)を使用し、酸化防止剤は無添加。スクリューキャップで開けやすい。飲んでみると、リンゴのやさしい甘さとほどよい酸味のバランスが絶妙な甘口。シュワシュワと繊細な泡が口の中を軽快に刺激する。アルコール5%と低めなので、口当たりも軽やかだ。

一方、「シードル withシナモン」(期間限定。なくなり次第終了)は、ベースは同社の「シードル」と同じだが、シナモンがふわりと香り、香りの第一印象はまるでアップルパイ。「お客様が“ほっ”と甘いものを求める冬の季節に親和性があると考え、この時期に限定品として発売しました」(メルシャン マーケティング部 大林万希子さん)。こちらもアルコール分は5%だ。

「シードル withシナモン」は“ホットシードル”として飲むのもおすすめだという。電子レンジで約1分温めてみると、甘味は強く、酸味はやさしくなり、よりふっくらやわらかな印象になった。温めた直後は泡立ちが強くなるが、すぐに落ち着き、発泡感がほのかに残る。

気軽に飲めてお洒落さもあるシードルは、日々の晩酌にも、ちょっと特別なイベント時にもいい。市場の成長も右肩上がりで、今後ますます注目度が高まっていきそうだ。ぜひ今のうちにチェックしておこう。

※価格は特記がない限り税別、編集部調べ

古滝直実

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