ドイツ撃破「権田」「三苫」「板倉」「田中碧」は同じ“街クラブ”出身 「恩師」が語る“活躍は必然”の無双エピソード

ドイツ撃破「権田」「三苫」「板倉」「田中碧」は同じ“街クラブ”出身 「恩師」が語る“活躍は必然”の無双エピソード

  • デイリー新潮
  • 更新日:2022/11/25

11月23日に行われたFIFAワールドカップ(W杯)カタール大会初戦で、過去4度の優勝を誇る強豪ドイツ代表を2-1でくだしたサッカー日本代表。世界を驚かせた「世紀の大金星」をひときわ感慨深く観戦した人物がいる。ドイツ戦のピッチに立った“サムライブルー”のうち、実に4人が巣立った「さぎぬまサッカークラブ(SC)」の澤田秀治代表(64)だ。

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「ドーハの歓喜」は快進撃の狼煙か

【写真】街クラブから世界に巣立った4人のドイツ戦“激闘ショット”

澤田氏が歓喜の余韻も冷めぬ様子でこう話す。

「街クラブから代表がひとり選ばれるだけでも凄いことなのに、今回は4人も選出された。さらにドイツ戦ではその4人が同じピッチに立ったのですから、夢のような光景を目の当たりにして“感無量”の言葉しかありません」

1979年設立のさぎぬまSCは神奈川県川崎市宮前区にある小学生を対象とした“街のサッカークラブ”だ。同クラブに所属していたのがGK権田修一(33)、DF板倉滉(25)、MF三苫薫(25)、MF田中碧(24)の4選手。

なかでもスーパーセーブを連発してドイツ代表の猛攻を凌いだ権田は唯一「6年間在籍」した17期生に当たる。

「小学生時代からチームメイトがミスしても“ドンマイ、元気出していこう!”と率先して声を出し、常に周囲を励まして勇気づけていた。ドイツ戦でPKを与えて失点に繋がった場面について、誰も権田選手のファウルと思っていないでしょうが、責任感の強い彼が何も思わなかったわけはない。その後に圧巻のセーブを見せ、みずからの行動で周囲を鼓舞した姿は当時と重なるものがありました」(澤田氏)

小学生時代と“根っこ”の本質部分は変わらないと映るのは、他の3人も同じという。

「もっと点を取りたい!」

権田以外の3選手は小学2年生までの在籍だったが、それでも皆、強く記憶に残っているという。

「25期生の板倉選手は、当時は前へガンガンと行くタイプでした。2年生の夏合宿で上級生に混じって自分で2得点を決め、試合後に6年生から“お前、スゲエな”と褒められたことがあった。それが嬉しくて励みになったようで、その年の文集に“もっと練習していっぱい点が取りたい”と綴るほど、レベルアップを目指す向上心は旺盛でした」(澤田氏)

三苫(26期生)の場合、当時からドリブルや柔らかなボールタッチには目を見張るものがあったという。

「スピードに乗ったドリブルで得点を量産していましたが、私が驚いたのは足元の細かな技術よりも、試合を冷静に俯瞰していたクレバーさです。自分より他の味方選手のほうが点を取る確率が高いと判断すると、その味方選手の3~5メートル後方の位置に下がり、セカンドチャンスを窺うようなポジショニングを取っていた。また相手が攻めに入ろうとする時にはすぐに守備に回るなど、攻守の切り替えも早かった」(澤田氏)

「簡単な練習」に失望して号泣

もっとも印象深いのは27期生の田中碧だという。

「小学校に入学前の体験練習で初めてクラブに来た時のことですが、練習が始まってしばらく経つと、校庭の隅で田中選手が泣いているのに気づいた。私が“どうしたの?”と声を掛けると“こんなカンタンな練習いやだ。もっとムズカシイ練習やりたい”と訴えたので一瞬、言葉に詰まった。田中選手は幼稚園からサッカースクールに通っていたそうですが、練習が“簡単すぎるから”との理由で泣いたのは、後にも先にも彼だけです」(澤田氏)

実際、田中は年齢からは考えられない技術をすでに身につけていたといい、入団後のミニゲームでは早速、ひとりでドリブルして相手を抜き去りシュートまで決めたことも。また2年生の時の試合ではこんなこともあったという。

「開始の笛が鳴って1分もしないうちに、田中選手は当時の監督のもとに駆け寄って“こいつら巧い!”と伝えてきた。そんな短時間で相手の技量を見抜いただけでなく、その後、自分でゴールを決め1点をもぎ取ると“この1点を守り抜くぞ”とチームメイトに声掛けして士気を高めていました。試合後、監督が“俺が言う前にアイツ(田中)が言っちゃうんだよな”とボヤいていたのを覚えています(笑)」(澤田氏)

情熱や才能だけでなく、たゆまぬ努力と研鑽を積み重ね、いま「夢の舞台」で躍動する4人。その背中を、地元を超えて、全国のサッカーキッズが追いかけ始めている。

デイリー新潮編集部

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