税金控除、手続き、特例制度...今さら聞けない「ふるさと納税」のこと

税金控除、手続き、特例制度...今さら聞けない「ふるさと納税」のこと

  • 現代ビジネス
  • 更新日:2021/01/14
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ふるさと納税とは、生まれた故郷や応援したい自治体に寄付ができる制度のこと。すでに利用したことのある方もいらっしゃると思いますが、お礼品などのリターンがあってお得というものの、具体的な仕組みを知らない人も多いのでは? 実はとっても簡単に地域貢献ができてしまうんです。ふるさと納税サイト〈さとふる〉の広報担当に話を伺いました。

●教えてくれたのは……
谷口明香さん
たにぐち・あすか/ふるさと納税サイト〈さとふる〉広報。2015年に入社。営業を経験したのち現職に。17年から故郷の石川県で勤務。サイトでは全国のお礼品16万点以上を紹介、ふるさと納税を通じた地域活性化を推進。www.satofull.jp

ふるさと納税とはつまり、 こういうことです

Q1.ふるさと納税ってなに?

A.応援したい地域に納税できる制度です。

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簡単に言えば、応援したい自治体への寄付のこと。寄付した額により税金の控除を受けられるのが特徴です。一般的には、お礼としての特産品などで知られていますが、「ふるさと」へ貢献するための制度なので、お礼品を用意していない自治体もあります。

もともとは、就職や進学で地元を離れて都会に出た人が、ふるさとに納税できる仕組みとして、2008年に菅・現総理大臣の発案でスタートしました。これにより地方に税金の行き渡らない状況が改善され、地方出身者は地元に恩返しができます。この寄付制度は、東日本大震災の際の支援に活用されたことで、広く浸透したといわれています。寄付先は自分の生まれ故郷に限らず選ぶことが可能です。また、税金の控除額には上限(Q4)がありますが、複数の自治体に寄付することもできます。

Q2.どんな種類がある?

A.肉や海鮮がもらえる返礼型、体験型など様々です。

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純粋なノーリターンでの寄付のほか、寄付するとお礼品がもらえるものや、クラウドファンディング型のふるさと納税も。お礼も、地域ならではの食品や工芸品、アクティビティまでバラエティ豊か。なかには、町長と一緒にボルダリングなんていうユニークなものも! 寄付金額は3000円位から10万円位までが多く、数百万円と高額のものまであります。また、クラウドファンディング型の場合は、お礼品より応援したい内容が強いきっかけに。目的と達成金額、期日が明確に表示されることで、気持ちも高まります。

寄付先は各自治体を窓口に探すこともできますが、それらを一同にしたふるさと納税サイトを利用するのも便利です。例えば〈さとふる〉だと、地域やお礼品のジャンル、ランキング、レビューなどからも寄付先を検索できます。寄付後にはお礼品の発送状況のステイタスもわかり、流れもスムーズ。自分にあった窓口を探してみましょう。

Q3.寄付者と自治体、双方のメリットは?

A.地域と直接つながり、発展を支える関係に。

寄付者にとっては、地域を知り、応援できることが最大のメリット。また、申し込みの際に寄付金を何に使うかを選べ、税金の使い道を自分で選択することができます。それに加え、お礼品がもらえる自治体への寄付はお得感がありますね。身近で日常的には買えないような品が選べるのも利点でしょう。ただし、お礼は寄付額の3割までと決められており、自治体がお得さを競うものではありません。

控除に関しても、税金がお得になるのではなく、本来納める税金を寄付というかたちで先に納めることで、後で払わなくて済む仕組みなので、節税の効果はありません。しかし、自治体にとっては、地域が潤うだけでなく、お礼品などで地域をPRすることもできます。全国に商品を届けることで、通年で事業者の生産・出荷が安定するというメリットもあり、事業拡大のきっかけ、永続的な地域の発展にもつながります。

Q4.控除上限額って?

A.税金の控除額には上限があります。

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ふるさと納税では、寄付金額の2000円を超える分が、所得税と住民税から控除されますが、それには上限(控除上限額)があります。逆に言えば、控除上限額の範囲内なら、自己負担2000円のみで寄付ができるということ。ただし、上限額を超えた分は純粋な寄付となるだけなので、上限を超えてはいけないという意味ではありません。

上限額は人それぞれで、「寄付をする年の所得(年収)」と「家族構成」などによって決まります。例えば、年収300万円で独身の場合は2万7000円ほどが目安。金額はふるさと納税サイトのシミュレーションなどで簡単に計算できます。基本、前年の年収を目安に計算しますが、実際はその年の所得で決まるので、年ごとに収入に大きく変動がある場合は要注意です。ただ、より正確な所得がわかる年末ギリギリまで粘っていると、狙っていたお礼品がなくなってしまう場合もあるので、読み誤らないように。

Q5.ふるさと納税の流れは?

A.寄付した後で、控除手続きをすればOK。

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最初に「自治体を選んで寄付(Q2)」してから「控除の手続き」をするだけ。ただし、自己負担を2000円に収めたい場合には、その前に控除上限額(Q4)を調べて、上限額までの寄付先を探すこと。控除手続きには「確定申告」と「ワンストップ特例制度(Q6)」の2つの方法があります。

個人事業主や自営業者、フリーランスなど、通常、確定申告が必要な人は前者で。自治体から送られてくる寄付金の寄付受領証明書をとっておいて、申告の際に税務署に提出します。今年の寄付分の証明書を、翌年2~3月に申告すると、4~5月に所得税が還付、6月から1年、毎月の住民税が控除されます。後者の対象者は、より簡単に控除手続きをすることができます。申請により寄付の翌年の6月から1年、毎月の住民税が控除されます。2つの方法による金額の差はありません。

Q6.ワンストップ特例制度って?

A.給与所得者の場合、手続きが簡単になります。

確定申告をする必要のない会社員などの給与所得者で、年間の寄付先が5自治体以内の方が対象の制度です(確定申告をする必要のある個人事業主や、年間で6自治体以上に寄付をした人は対象外となります。Q5を参照)。

対象者は「ワンストップ特例申請書」に必要事項を記入、「本人確認書類(マイナンバーカードの写しなど)」を同封し、寄付した自治体に郵送します。書類は、寄付した年の翌年の1月10日まで(必着)に送ること。申請書はインターネットでダウンロードできるほか、自治体が寄付受領証明書と一緒に送付してくれる場合もあります。なお、同じ自治体に複数の寄付をした場合、申し込み件数分の書類が必要です。

Q7.今後、どんなことが期待される?

A.多くの人が参加すれば、いろんな地域が盛り上がる!

ふるさと納税というと豪華なお礼品が取り上げられがちですが、この地域にこのように良くなって欲しいという思いのある自治体に自分のお金を使う人が増えるといいですね。SDGsの取り組みに力を入れる自治体や事業者の商品を選ぶのもいいと思います。日本には寄付文化が根づいていないところがありますが、ふるさと納税は控除が受けられるので、少ない負担で地域に貢献できます。

この制度によって、知らなかった地域に目を向ける人が増え、そこへ足を運んだり、移住者が出てきたりすると、地域もさらに豊かになります。ふるさと納税を広める企業も、サイト作りを始め、自治体や事業者がやるべき作業をサポートし、地域の人が生産に注力できる環境を整えています。多くの人の参加によって、都市部以外の地域経済もますます活性化することが期待されます。

●情報は、FRaU SDGs MOOK Money発売時点のものです。
Illustration:Tomoko Fujii Text & Edit:Asuka Ochi

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