イオンの「ブラックフライデーセール」、コロナ禍でも過去最長10日間も開催されるワケ

イオンの「ブラックフライデーセール」、コロナ禍でも過去最長10日間も開催されるワケ

  • MONEY PLUS | くらしの経済メディア
  • 更新日:2020/11/20

本場・アメリカのブラックフライデーにならって2016年から参戦しているイオンの「ブラックフライデーセール」。過去4回の開催では、セール期間中の売上が年々増加の推移を辿っています。

今年はあらゆる業界が消費落ち込みに苦しんでいるコロナ禍中での開催です。苦戦が予想されますが、イオン側は昨年度以上の売上を目論んでいるのだとか。一体なぜなのでしょうか。

今年のブラックフライデーセールにおけるイオンの戦略を探ります。

スーツ全品半額は2日間

本州と四国の「イオン」、「イオンスタイル」約400店舗で11月20日から行われるイオンのブラックフライデーセール。今年は感染症対策のため店舗での密を避けるために、開催を10日間に伸ばしました。2018年は3日間、2019年は5日間だったので、大幅な延長です。

さまざまな目玉企画がある中で、「やはり意識したのはコロナ禍における生活様式の変化です」と営業企画本部長の戸部勝義さん。自転車通勤に最適なストレッチ性の高いスーツなどを含むビジネススーツ全品半額やライトダウン3000円均一など、需要に影響のあった冬物衣料をお買い得価格で取り揃えました。

ビジネススーツ全品半額は例年も行ってきた目玉企画ですが、これまでは半日限定の開催でした。多くのビジネスマンが4着、5着のスーツを抱えてレジに並ぶ姿が賑わいを見せていましたが、今年は密を避けるために11月21、22日の2日間の開催に。

各店舗における混雑緩和対策も万全で、たとえばイオンスタイル品川シーサイドではお客さん同士が交差しないよう一方通行に制限します。試着室やレジに並ぶ際にもパーテーションで区切られ、20組を超えた際には整理券を配布するといった対策を行います。

生産者応援、おうちで旅気分などの企画も

食品分野においては、ブラックフライデーセールより前からイオンが取り組んできた生産者応援企画にも注目です。鮮魚コーナーでは大きくスペースを取り、「ぶりvs真鯛」を展開。また、「ブラックフライデー」になぞらえて、黒毛和牛や黒豚なども提供しています。

おうちで旅気分を楽しめるお買い物として、全国各地の酒蔵から厳選した日本酒や各地の名産菓子もラインナップ。外出や外食の自粛で需要の低下した産地の商品を応援しつつ、おうちがレストランに思えたり国内旅行をしているような気分になったりする質の高い商品がお値打ち価格で購入できます。

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そのほか、「96円、960円、9,600円企画」や「黒家電、黒キッチン用品企画」などブラックフライデーの“黒(クロ)”にちなんだ企画も。

たとえば、象印のホットプレートやオーブントースターが9,600円(税抜)、ティファールのレモネードフライパン(27cm)が960円(税抜)で販売されます。

予約販売会ではすでに前年度比300%越え

戸部さんは「今回のブラックフライデーでは前年度比105%増の売り上げ目標を目論んでいます」と意気込みます。その理由は、予約販売会の好調ぶりです。

今年は、店頭での密を避けるために、ブラックフライデー本セールを前にした取り組みにも力を入れてきました。昨年よりも多い約100品目を揃えた「ご予約販売会」や今年初の取組みであるプレセール「ECセール」を、それぞれ11月6~14日に行いました。

ご予約販売会はテレワーク快適5点・3点セットや、おうち時間を快適にする調理家電など、需要に寄り添うラインナップを展開。前年度比200%の目標を大きく超え、300%以上という売上を達成しました。

戸部さんは「例年のようにある一定の期間に集中してお越し頂いてお買い物をするよりも、長い日程の中で混雑を避け、ゆったりと買い物をするほうがお客様にとっても我々にとってもいい傾向なのだと思います」と語りました。

12月のホリデーシーズン商戦はどうなる?

例年であればブラックフライデー以降も、クリスマスや年末にかけたホリデーシーズン商戦に向けて大幅な売上が期待できますが、消費落ち込みが激しい今年は事情が異なります。ブラックフライデーで売上増となると、その反動でホリデーシーズンには消費者の財布の紐がきつくなり、売上に影響を及ぼす可能性もゼロではないでしょう。

この点について戸部さんに伺うと、「我々は1年間を52週に分けて商品や企画を考えています。販売商品が入れ替わる12月に入ってもブラックフライデーセールを契機に盛り上がった消費傾向は続くと予想しています」と自信を見せていました。

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イオンではレジでの混雑解消のため、2019年からレジに並ぶことなく貸し出し用のスマホで商品のバーコードをスキャンして専用レジで会計する「レジゴー」の実験をスタート。コロナの影響もあり、今年から導入店舗を拡大し、今では全国約20店舗で採用されています。

コロナ禍以前から取り組んできたこととは言え、これもまた戸部さんの語る売上増につながる「ゆったりと買い物を楽しむ」ためのイオンの戦略の一つでしょう。

5年目を迎え、認知度とともに売上も年々アップしているイオンのブラックフライデーセール。今年も例年のように着実に売上を伸ばすことができるのでしょうか。流通大手のイオンがコロナ禍を逆風ではなく追い風とすることが、これからの日本国内の消費の盛り上がりに大きく影響を及ぼしそうです。

(秋山悠紀)

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