ハイボールだけじゃもったいない!? ウイスキーの世界に足を踏み入れるコツ

ハイボールだけじゃもったいない!? ウイスキーの世界に足を踏み入れるコツ

  • マイナビニュース
  • 更新日:2020/10/17
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年齢性別問わず人気のハイボールですが、"ハイボール=ウイスキーのソーダ割り"であることをきちんと理解して飲んでいますか? "ハイボールというお酒"だと思っていませんか。

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ウイスキーの知識は、世界のビジネスパーソンの間では教養であり常識。しかし、日本のビジネスパーソンの間には、そうした感覚は未だ浸透していないようです。そこで、ウイスキー評論家の土屋守さんに、ハイボールからウイスキーの世界に足を踏み入れるコツについて教えていただきました。

○ウイスキーは世界のビジネスパーソンの常識

「ハイボールは糖質が少なく太りにくい」。そんな理由から、最近は「とりあえずハイボール!」という人も少なくないようですが、せっかく飲むなら、その先に広がる世界観にも興味を持ってほしいと土屋さんは言います。

「ウイスキーには、カロリーが低いとか、プリン体が少ないという側面もありますが、それ以外にも、奥深い魅力が多分にあります。僕がウイスキーを仕事にして、32年間一貫してやり続けてきた理由も、『面白いから』の一言。ハイボールをきっかけに、ウイスキーの奥深さにもぜひ目を向けてほしいですね」。

さらにもう一つ、今こそビジネスパーソンに、ウイスキーに注目してもらいたい理由があると土屋さん。

「グローバルの第一線で活躍しているビジネスパーソンの教養としてウイスキーは重視されています。国際的なビジネスシーンでは、会食でウイスキーが供されることがままあり、知識がある人は、それがどういうウイスキーで、いくらくらいで、それを日常的に飲んでいることにどういう意味があるのか、みたいなところが理解できます。海外の映画やドラマでウイスキーが象徴としてよく使われるのは、セリフ以上に伝わるものがあるからです。

そして、今、世界中から最も注目を集めているのがジャパニーズウイスキーです。今年の1~7月の日本の酒類の輸出量は、ジャパニーズウイスキーが清酒を抜いて1位に。世界中の酒類コンペでも最高賞を受賞しており、オークションでも高額落札品の常連。もはやジャパニーズウイスキーは、日本でも非常に手に入れにくい代物になっています。そうした実状を、どれだけの人が知っているでしょうか。

ウイスキーに限らず、日本人は自分の国のお酒のことをあまりよく知らない。教養としてのお酒や食の知識が浅く、世界の常識が日本では常識になっていない気がします。ウイスキーを知ることは、いろんな意味で、国際社会を生き抜くビジネスパーソンにとっての武器になる。今こそ、学び始めるいいタイミングと思うのです」。
○ハイボールブームの背景とは

では、ハイボールからどのようにしてウイスキーの世界を広げていくか。まずは現在のハイボールブームの背景を知るところからスタートすると入りやすいかもしれません。

「ハイボールが日本で最初に飲まれたのは戦後のことです。当時は、価格の安い『ウイスキーもどき』の商品が出回っており、それが一般的なサラリーマンたちの晩酌の飲み物だったわけですが、おそらく、単体では飲めたものではなく、ソーダで割って飲むしかなかったんですね。それが最初の流行でした。

その後、市場に出回るウイスキーの質が上がり、水道水の質も良くなり、冷蔵庫の普及により家で氷が作れるようになると、流行はソーダ割りから水割りに。そうしてハイボールは廃れていったんです。

日本のウイスキー消費量のピークは1983年。その後、約25年間は右肩下がりの一途で、2008年にはピーク時の1/5にまで落ち込みました。そこで、ターニングポイントを作ったのがハイボール。火付け役はメーカーのCMでした。若い人々の目には新鮮にうつり、中年から上の人たちにはノスタルジーを感じる飲み物として広がったのです」。

さらに土屋さんは、日本中にハイボール文化を押し広げたもう一つの理由に、バーテンダーの存在があると話します。

「ウイスキーとソーダのみで作るハイボールという飲み物は、ある意味、バーテンダーとしての腕を見せつけられる究極のカクテル。ウイスキーの銘柄によって最適な作り方は微妙に違って、バーテンダーたちがそれを日々研究したんですね。

ハイボールが広く日本に広まり、定着し、缶でも気軽に飲めるようになったのには、こうした背景があるのです」。

○ウイスキーの世界を広げる飲み方のコツ

ウイスキーを知るのに、知識以上に大事なのは、やはり飲むこと。地道にコツコツ経験を重ねることが重要です。そのコツは、バーを利用することだと土屋さんは言います。

「ウイスキーはワインと違って、一度開栓しても1年や2年は保存できるのですが、初心者は、闇雲にボトルを1本買って飲むよりも、バーに通って、バーテンダーに色々教えてもらいながら、数種類ずつ違う銘柄のものを飲み比べる経験を積み重ねるといいと思います。5年くらい経てば、なんとなく好みのものが分かってくると思いますよ」。

また、ウイスキーをおいしく飲むには、シチュエーションや種類によって、きちんと飲み分けることも大事だと土屋さん。

「通常、ハイボールで飲まれているウイスキーは、ブレンデッドという種類のもの。これは、ブレンダーと呼ばれる職人が、複数の蒸留所で作られた原酒を数種類から数十種類混ぜ合わせて作っています。ブレンデッドを飲むなら、例えば、街の居酒屋ならハイボール、ホテルのバーで飲むならロックでといった具合に、シチュエーションで飲み分けるといいですね。

一方、シングルモルトと呼ばれる種類のものは、個性を味わう楽しみ方が必要です。ロックやソーダ割りにすると冷えすぎて香りが立たなくなってしまい、良さがわからなくなってしまうので、常温で、少量を味わうのが基本ですね」。

そして、さらにもう一歩ウイスキーの世界に足を踏み入れるなら、小規模蒸留所が作るクラフトウイスキーに注目してみるといいそう。

「シングルモルトに興味を持って飲み始めると、今、世界中で流行している、クラフトウイスキーにも行きつくかもしれません。日本にも30近くの蒸留所ができていますので、いち早くお気に入りを見つけて、注目していくのもいいと思います」。

ウイスキーは、一度ハマると一生抜け出せない。それほど面白い世界だと、熱く語る土屋さん。グローバルな世の中で一歩先行くビジネスパーソンになるためにも、今こそ、その扉を開いてみては?

○取材協力:土屋守(つちや・まもる)

ウイスキー文化研究所代表。1954年新潟県生まれ。新潮社編集部などを経て、1987年に渡英、取材をきっかけにスコッチにのめりこむ。1998年にハイランド・ディスティラーズ社選出の「世界のウイスキーライター5人」の一人に。NHK連続テレビ小説『マッサン』のウイスキー考証者としても知られる。数々のウイスキー専門誌の編集長を務めるほか、『ビジネスに効く教養としてのジャパニーズウイスキー』(祥伝社)など著書も多数。

鈴木友紀

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