5億売り上げた歌舞伎町No.1ホストが語る「人に嫌われない」技術

5億売り上げた歌舞伎町No.1ホストが語る「人に嫌われない」技術

  • 日刊SPA!
  • 更新日:2023/01/25

新宿・歌舞伎町で“神”と呼ばれる男がいる。’21年に、それまでのホスト史上最高の年間売り上げを2億以上も上回り、5億2000万を成し遂げた冬月グループに所属するホストの降矢まさきだ。そんな彼の通り名は“日本一嫌われない男”。昨年の12月には、デビュー作『日本一「嫌われない男」の億を売る仕事術』を上梓。ブックファースト新宿店のビジネス書部門で1位を獲得するなど、その超合理的な「自分を売る」技術は、多くのサラリーマンから注目を集めている。降矢まさきはなぜ、“ホストの神”に成りえたのか。その秘密を探るべく、彼が待つホストクラブを訪れた。

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新宿・歌舞伎町で“ホストの神”と呼ばれる男・降矢まさき

◆5億は運が8割だったけど運を摑む準備はしていた

──お店に来る途中、いろいろなホストクラブの前で動画が流れていました。1000万OVERのホストが多い印象です。

降矢:ITやSNSの出現によってお金の稼ぎ方が自由化した結果、女子大学生やインフルエンサーなどさまざまな職種のお客様がホストクラブに足を運ぶようになっています。「推し」に課金するのと一緒の感覚で、新宿・歌舞伎町で働くホストにとって、1000万プレイヤーはもはや見慣れた光景です。僕が5億を売り上げたときは“億人”と呼ばれる年間1億以上を稼ぐホストはまだ珍しかったですが、最近はその“億人”も増えてきています。

──億人が増えているなかでも、5億は大記録です。どのように成し遂げたのですか?

降矢:もともと僕は、「億」超えを何度も達成していましたが、’21年の5億は「運が8割だった」と今振り返れば思います。でも、その運を摑むにも努力や技術は必要です。僕の場合は、信頼関係を築くためにお客様一人当たりに費やす労力や時間が本当に濃密です。24時間・365日稼働する。その超濃密な付き合いのお客様で、5人の少数精鋭のチーム編成を目指しました。「お店では一緒に飲まない。店以外の時間をとにかく濃密に」ぐらいのスタンス。睡眠時間は1~2時間とかザラでした。

──その5人は、どのように決めていたのですか?

降矢:「定期的に来店してくれて、かつ客単価が高い」が一つの基準。そして、接客を通して5人の入れ替えを戦略的かつ合理的に切っては組み込んでの繰り返しです。月間売り上げNo.1、年間売り上げNo.1など、ホスト・降矢まさきのブランド価値が少しずつ高まっていき、それに呼応するように客単価も上がっていきました。でも、途中で限界に達してしまったんです。

◆億を稼ぐ美学を捨て太客を迷わず手放す

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──その限界とは?

降矢:お客様は、僕の期待に応えようと全力で働き続けてくれるので、ストレスは相当に溜まり、心身も蝕まれていきます。僕も僕で、そんな疲弊を伴うチームで売り上げを伸ばしていくことに限界を感じていました。このままでは共倒れになってしまう……。今振り返ると、太客たちに去られて売り上げがゼロになるのが怖かったのかもしれません。それで心境を話して納得してもらいチームを解体。そこから美学を少数精鋭ではなく、「お店で一緒にお酒を楽しく飲もう!」にシフトチェンジ。今は、お客様を管理する感覚はないし、以前のようにお客様を選別することもありません。

──お店で一緒にお酒を楽しく飲む。接客業としては基本の「キ」のような気も……。

降矢:原点に立ち戻ったんです。ホストは今日の売り上げがゼロでも、翌日にはたった数時間で「億」を超えることもある。ホストの世界は今、そういう時代に突入しています。結局、間口を広げるのが一番です。ただ、そうしたお客様の心を掴むには、ホスト・降矢まさきにカリスマ性が備わってなくてはいけません。つまり、客単価を高めるブランド醸成期間と、億を超える顧客管理術の習得を経たからこそ僕は、ほかの億人とは違う、“神”という孤高の存在へと突き抜けることができました。だから、1本1000万する“クリスタルボトル”と呼ばれる高級ボトルを平気で下ろしてくれるお客様が、美学を捨ててから一気に増えました。クリスタルを重ねた結果が、5億です。

◆嫌われないを支える洞察力と合理的思考

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──億を稼ぐホストになるには、どのような資質やスキルが必要なのでしょうか。

降矢:ホストは接客業である以上、お客様のニーズを見抜く鋭い洞察力は欠かせません。僕がこの力を鍛えることができたのには「人に嫌われたくない」という性格が大きく関わっています。

──と、言いますと。

降矢:母親は、父親の僕へのDVを理由に離婚。僕が小学3年生まではシングルマザーとして育ててくれました。保育園のあとの僕の遊び場は、母親が働くお店の待機部屋です。嫌われたら生きていけないから「どうしたらお菓子を買ってもらえるか」と、常に大人の顔色を窺う日々でした。あとは、薬漬けのボスから学んだ「超合理的な思考」は絶対に外せないですね。

──そのボスは、薬のやりすぎで超覚醒していたんですか?

降矢:かもしれません(笑)。中学卒業後、建設会社を転々とし、最後に面倒を見てもらった会社の社長が、ボスその人です。日常的に覚せい剤のやりすぎでぶっ飛んでいたのですが、現場仕事に関しては、一切の無駄を嫌う超合理主義者。少しでも無駄があると、ナットやボルトが飛んでくる。ずいぶんしごかれたけど、最短でタスクを達成する合理的思考が染みついたのは、薬漬けのボスのおかげですね。

◆誰もいない深夜に出勤して、すべて一人でお店の掃除をしていた

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──降矢さんは26歳でホストになっています。ホストとして高齢の部類だと思いますが、先輩や年下上司から目をかけてもらうために何をされましたか?

降矢:売り上げのない下っ端ホストの仕事に、シャンパンコールや雑務全般があります。僕は何種類もあったコールは1週間ですべて覚えたし、特に徹底したのがお店の掃除です。当時、日の出から正午までの朝営業の出勤(二部)だった僕は、誰もいない深夜に出勤し、ほかのスタッフがお店に来るまでに、すべて一人で終わらせていました。

──接客において、嫌われない極意はありますでしょうか?

降矢:先ほど洞察力が重要と言いましたが、相手が“何を求めているか”をとにかく察する。顔、表情、しぐさ、とにかく見る。お客様がしきりと脚を組み替えていたら、座り心地が悪い証し。例えばそこで「席替える?」と提案したっていい。あとは、こちらが嘘をつかず“本音”を話す。当たり前に信頼できる人間でなければ、お客様は大金を支払わない。こちらからどんどん情報開示していく。そのときに、「お客様だけに言いますが……」「誰にも話したことないんですが……」と特別感を出す。まぁ、これ以上の億を売る技術は書籍を読んでください(笑)。

──〝嫌われない〟を積み重ねた結果、’21年に5億でしたが、記録を打ち立てて迎えた降矢さんの’22年はどうでしたか?

降矢:一時期、接客のサポート役である“ヘルプ”に入ろうとすると、「後輩に頼んでいるので大丈夫です」と後輩は萎縮するし、彼らから声をかけられる機会も激減。以前は確かにあった親近感や家族的な感じが、遠のいていく感覚に襲われました。新規のお客様に関しても、「えっ……。私、そんな大金持っていない」と身構えられて、会話さえままならなくなるときもありましたね。「トップ」と「孤独」は背中合わせ。厳しい現実を突きつけられた一年でしたね(笑)。

◆嫌われないを積み重ねた結果、僕は“神”になれました

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──そして週刊SPA!の連載を経て、昨年12月に本を出版しました。

降矢:ホスト史上最高額を達成したときに取材は来るとは思っていましたが、まさかの出版。今回は500冊のブックタワーも制作しましたが……しつこいくらい“降矢まさきの名が並んでいる(笑)。自分の本が世に出たんだと実感が湧きますね。

──’23年はどのような一年に。

降矢:任されている3店舗の運営は当たり前の仕事としてこなし、もう一度、自分の記録を抜きたい気持ちもあります。次は6億、いや10億。誰も見たことのないステージに挑みたいです。

【Masaki Furuya】

1989年、東京都生まれ。2021年にホスト史上最高の年間売り上げ5 億2000万を達成。現在、冬月グループで3店舗のプロデューサー。YouTube「まーくんTV」で語られる超合理的な「自分を売る」技術は多くの経営者を魅了。Twitter(@masaking927

取材・文/キンゾー 撮影/武田敏将 tsubasa_works12 協力/冬月ホールディングス

―[インタビュー連載『エッジな人々』]―

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