「車検制度」は必要?海外では「義務付けられていない」国が多い理由に納得

「車検制度」は必要?海外では「義務付けられていない」国が多い理由に納得

  • MOBY
  • 更新日:2022/09/23

車を長く使っていると車検の出費で泣き目を見ている人も多いのではないでしょうか。

海外では車検を義務付けていない国もある中で、早い段階から確固たる制度を設けてきた日本の車検。日本と海外、車検の習慣・制度はどう異なっているのでしょうか?

戦後すぐに車検制度を設けた日本

日本は、第二次世界大戦が終戦を迎えた直後から「車検制度」を設けています。

1951年に当時の運輸省(現・国土交通省)は「道路運輸車両法」を公布・施行しています。車両の登録から保安・検査、整備のルールを管理する考えで制定されました。

当時はモータリゼーションが普及し始める前で、自動車ファンなら誰もが知る「トヨペット クラウン(現トヨタ クラウン)」や「スバル360」などの国民向け乗用車は存在しませんでした。

ですから、車検の有効期限は乗用車・商用車問わず統一して1年間であったり、軽自動車は車検の対象ではなかったりと、現在と比較して簡素なものとなっていました。

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その後、何十回もの改正が行われて、現在は普通乗用車が新車登録から初回まで3年・2回目以降は2年ずつの更新と、車検制度が変化。

日本車の耐久性が高まったと同時に車検項目の見直しが行われ、日本の車社会の”安全性”が構築されていったのです。

車検制度の存在により、一部の所有者からは「部品交換などを積極的に勧められて、過剰だ」という声もありますが、車を安全に使うには欠かせない要素となっています。

海外では”義務付けられていない”国が大半

海外諸国でも、日本と同じく車両を点検する習慣が構築されていますが、車検制度については”義務付けられていない”ケースが大半のようです。

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速度無制限の高速道路「アウトバーン」で有名なドイツ、スーパーカー生産の有名なメーカーが揃うイタリアなど、欧州の”自動車先進国”では車検制度が存在しません。いずれも、車を所有するドライバーが自発的に車の整備を行い、車の状態を保つ習慣が存在していることが理由に挙げられます。

ただしイギリスでは、車検制度の義務が表向き存在していない反面、「車は常に走行可能な状態とする」と運転免許で定められています。事実上の車検義務があるため、車を所有したら必ず検査をクリアしなければならない仕組みとなっています。

ドイツやイタリア、イギリスでは制度を作らなくても、自発的に車をメンテナンスする習慣が身についているというのは、日本とは大きく異なるかもしれませんね。

一方で、自動車先進国で車検制度を設けているのはアメリカです。ニューヨーク州やカリフォルニア州では義務とされています。アメリカは国土が広く、州ごとに車検制度の有無が異なります。

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海外でも車検の税金・手数料はかかるの?

海外でも日本と同様、車検を受けると税金・手数料がかかる仕組みを取り入れている国がほとんどのようです。

例えば、乗用車の「検査手数料」はドイツは約11,000円、イギリスでは約10,000円。国別全体の相場では、1,000円から10,000円程度差があります。

日本の車検を見てみると、「検査手数料」は新規や継続などのタイミングや車両の大きさで異なりますが、1,100円から2,100円程度。海外と比較して安く抑えられているといえます。

その他、「自動車重量税」と「自賠責保険料」の支払いもありますが、検査手数料だけ見れば他国と比較して負担が少ないと考えられるでしょう。

日本で車検制度を廃止するのは現実的でない

車検制度を義務付けて、車社会の安全性を高めてきた日本。税金や手数料に加えて、劣化したパーツの交換がかさめば高額な費用とはなるものの、車そのものの安全性・耐久性向上と同時に車検制度の存在が交通事故の減少に繋がっています。

ある大手メーカー系列のディーラーの整備士を務める知人は、次の見解を筆者に話してくれました。

「車検の有効期限を設けることで、車の不具合を見抜き、お客様が事故に遭う可能性を少しでも抑えるのに役立てていると自信を持っています。

車検制度が整っていない海外の国々もある中で、日本の事故件数が年々減っているのは車両の耐久性や安全性能を高めたり、道路の整備を進めたりしただけでなく、車の整備をしっかり行うことを欠かしていないからではないでしょうか。」

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近年の日本では、少しでも車検費用を抑えたり短時間化させたりするユーザーやサービスも多くなっています。

ディーラーや民間の整備工場でトレンドとなっている「スピード車検」は最たる例でしょう。

”最短60分!”などと掲げて、ちょっとした待ち時間で車検を完了できるのが特徴で、国から指定工場の認可を受けているため最寄りの陸運支局に車を持ち込まなくて済むのも、手っ取り早く車検が終わるポイントとなっています。

しかし、昨今ではニュースでも取り上げたように、大手メーカーの系列ディーラーで「不正車検」が行われていたこともわかりました。

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不正車検では、作業の「回転率」を上げて客単価を少しでも高めようと、本来は重要な作業を省略するなど、正しい方法で検査が行われていませんでした。

2021年には愛知県内のトヨタ系列ディーラー店舗、2022年には東京都内のホンダ系列ディーラーの店舗が国から「指定自動車整備事業」の認定を取り消されたことが記憶に新しいでしょう。

このような不正が発覚する現代で、仮に車検制度の肝となる”義務”や”期限”が廃止されたら、日本各地でいつ事故を起こしてもおかしくない状態の車が走り回る可能性があります。

ディーラー・整備工場側は人員不足など理由があると思いますが、一つひとつの作業を正確に取り組まなければなりませんし、車の所有者は車検の義務・期限を守って、適宜不具合がないかどうかチェックをするべきです。

不正車検を防ぐことに繋げて、整備者側・所有者側それぞれが、「win-win」となる車社会を目指したいものです。

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長谷川 優人

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