
今宮(奥)の打撃フォームなどをチェックする「ドライブライン・ベースボール」
◆記者コラム・タカ番24時
選手たちが1枚の紙に興味津々。そんな姿が今回のソフトバンク秋季キャンプではよく見られた。球場の通路に掲示されたのは、各選手の打球速度の最速や平均、打球の角度、スイング速度などの計測結果だ。初めて見るであろう自分や他の選手の数値。結果が出た選手が増えるたびに、選手もわれわれ報道陣も確認しては、さまざまな反応を見せていた。
このキャンプでは、データやテクノロジーが積極活用された。衛星利用測位システム(GPS)が付いたベストや自由自在に投球を再現できるピッチングマシン。キャンプ後半には米国のトレーニング施設「ドライブライン・ベースボール」のスタッフが動作解析や練習ドリルを紹介するなど、これまでとは大きく異なる練習風景が広がった。
以前の秋季キャンプといえば、多少のけがもいとわず体力強化に努めるイメージがあった。ただ、今回は室内での練習も多く、昼過ぎにメイン球場の整備が始まった時も。最初は慣れない流れへの戸惑いも聞かれた。見ている方にも多少不安がよぎったほどだ。
光景が一変した秋季キャンプ。それでも城島健司球団会長付特別アドバイザーは言い切る。「チャレンジして駄目だったら変えればいい。われわれは失敗を恐れていたら何も変わらない」。ホークスが強くなっていく過程を経験してきただけに、城島アドバイザーの言葉には説得力がある。変革はさらに加速するはず。その先に何があるか、しっかり見届けなければ、と感じた。(鬼塚淳乃介)
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