薬剤師がつくるチョコレートって?東日本大震災の復興支援から生まれたカフェ【ママジャーナリスト竹田有里のゆるSDGs vol.24】

薬剤師がつくるチョコレートって?東日本大震災の復興支援から生まれたカフェ【ママジャーナリスト竹田有里のゆるSDGs vol.24】

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  • 更新日:2023/03/23

こんにちは、ジャーナリストの竹田有里です。新年度になり、周りは保育園に入園にしたり、幼稚園お受験が本格化してきたりと生活が激変する家庭も多くなってきました。さて、私はというと、東京をベースにしているものの、夫の仕事の関係で国内外を行き来した生活を送っています…よく周りから聞かれるのが「子どもとは、どこでどんな風に遊んだり過ごしたりしているの?」「教育は東京と比較して地方はどう?海外はどう?」という遊び場や子育てについて!この場をお借りして、過去行ってみて、コンセプトや教育、親子満足度が高かった遊び場をご紹介します!

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白金台にオープンしたCACAO broma。ついつい通り過ぎてしまいそうなこじんまりとした店構え。

讃岐おもちゃ美術館

2011年3月11日巨大地震が東北を中心に襲った、日本人の誰もが忘れられない東日本大震災。「CACAO broma」で働く傍ら、薬剤師としても活躍する名古屋茜さん。震災直後から東京と被災地を何度も往復し、物資提供などのボランティア活動を続けてきました。被災地との関係性が生まれると、陸前高田市から「薬局をつくって欲しい」と依頼があったことを皮切りに、介護事業、デイサービス事業なども並行して立ち上げることになりました。そんな地元の方々と関わるなかで、「体の中からみなさんを健康にしたい! 身体が喜ぶチョコレートをつくりたい!」と思ったことが、カフェをオープンするきっかけとなったそうです。陸前高田市で200年以上、醤油や味噌などを製造する老舗の八木澤商店が、復興支援の一環で、地元で活躍する人たちを集めた「醸し(かもし)」をテーマにした商業施設「陸前高田 発酵パーク CAMOCY(カモシー)」をオープン。CACAO bromaもCAMOCYに店舗を構えました。

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陸前高田発のCACAO broma

地域の障がいのある方々の就労支援にも貢献

CACAO bromaでは、チョコレートの製造工程の細かい作業や時間を要するものなどを地元の障がいのある方々にも手伝っていただいているとのことです。私も木のストロー製作を通して、ハンディキャップのある方たちの就労先がなかなかなかったり、仕事はあっても賃金が上がらなかったりなど、さまざまな問題に直面していることを目の当たりにしています。チョコレートを通して、障がいに関係なく、地域の人たちの経済的な自立が実現できるよう、垣根のない社会を実現していることに感銘を受けました。

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カカオ豆のフェアトレードや障害者の方々への雇用創出等を推進

チョコレートに原料となるカカオ豆は、南インドから仕入れた「フェアトレード」の豆を使用しています。フェアトレードとは、途上国で作られた作物や加工された製品を適正価格で取り引きすることにより、児童労働から子どもたちを守り、生産者の生活向上に貢献することを目指す仕組みのことです。

親子でチョコレート作り体験を通してSDGsを学ぶ

CACAO bromaでは昨秋よりチョコレート作り体験会を開催しました。フェアトレードの仕組みや障がい者雇用などについて学びながら、カカオ豆の選別やカカオニブのチェックをしたり、カカオパルプのジュースを試飲してみたり、型に流し込んでオリジナルのチョコレートを作ったりと、実際に目で見て、体験しながら、楽しく学ぶことができるワークショップです。地域社会や環境を守りながら、持続可能な世界の実現を目指す取組みであるフェアトレードなど、SDGsな要素が盛りだくさんのワークショップ! 親子で楽しめそうですね。

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チョコレート作り体験会

世界初の薬剤師がつくるチョコレート

冒頭でもお伝えしたように、お話を伺った名古屋さんは、現役の薬剤師さん。現代の“おいしい”を考え、これからの“健康”とは何かを追求したチョコレートだそうです。チョコレートはなぜ身体にいいと言われるのでしょうか?CACAO bromaのチョコレートには、カカオ豆と黒糖のみ使用しているそうです。このカカオ豆に含まれるカカオポリフェノールには、悪玉コレステロールの酸化を防ぐ抗酸化作用があるため、動脈硬化の予防が期待されています。また、認知症予防や肥満予防、便通にもいいのだそうです!「トランス脂肪酸が含まれる植物油脂も一切使用しておらず、小さなお子さんも安心してお召し上がりいただけます!」と名古屋さん。息子も市販のチョコレートをよく食べるので、こちらのチョコレートに変えようかしら……。

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カカオポリフェノール、テオブロミン、鉄分、マグネシウムなど、カカオが持っている自然由来の栄養成分にとことんこだわっている。

陸前高田の老舗醸造所の味噌や白だしなども販売

白金台のこちらのお店では、陸前高田市の気仙味噌、お醤油、柚子ポン酢、ドレッシング、白だしなども販売しています。調味料は使われておらず、天然由来のもので製造されているのだそう!

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江戸時代から9代続く味噌・醤油蔵〈八木澤商店〉の味噌や白だしなども販売。

東北で作られた商品を買うことで復興支援したい

名古屋さんは、チョコレートを通じて消費者、地域の生産者、そしてカカオ豆生産者がつながり、みんなが「健康で笑顔になってほしい」と話します。名古屋さん「陸前高田をはじめ、被災地のことや、障がいのある方も携わってくれていることを知ってもらうきっかけになれば嬉しいです。一過性ではなく、チョコレートづくりを継続することが、持続可能な社会の構築、SDGsにもつながっていきます。これからも被災地全体で、地域の方と一緒に盛り上げていきたいです!」東日本大震災から12年。インフラの整備などハード面では復興はほぼ完了したと言われていますが、ソフト面ではまだまだ道半ばと言われています。震災の記憶を風化させないために、遠くからではありますが、東北の商品を買うことで、復興の支援になればと思っています。

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筆者のお気に入り「カカオバナナスムージー」

その他の記事はこちら『ママジャーナリスト竹田有里のゆるSDGs』

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