カンニング竹山の仕事論、“やる気スイッチ”クソ喰らえ「オンオフは決めなくていい」

カンニング竹山の仕事論、“やる気スイッチ”クソ喰らえ「オンオフは決めなくていい」

  • bizSPA!フレッシュ
  • 更新日:2021/10/14

カンニング竹山さん(50)はもともと漫才師。相方の中島忠幸さんは、急性リンパ性白血病により35歳の若さで亡くなりました。中島さんは竹山さんと同じ小学校の同級生で、コンビでは竹山さんがキレ、中島さんがまあまあとなだめる役割でした。

No image

カンニング竹山さん

それから15年。最近は「怒る大人がいなくなった」とも言われるなか、竹山さんはキレ続けます。コメンテーターとしても活躍中ですが、意見を言うことに怖さはないのでしょうか。

前後編の2回にわたるインタビュー。前編では、10月13日に開催されたばかりの単独ライブ『放送禁止』や葛藤のなかで竹山さんが出会い、見つけたものについてお話を聞きました。後編では、仕事に対する竹山さんの信条に迫りました。

ワイドショーでは自分の「正解」を大事に

――今年4月にリリースした竹山さんとCalmeraによるユニット“タケヤマカルメラ”の『ヘイ・ユウ・ブルース ~許せ、友よ~』、魂の叫びが反響を呼びました。竹山さんの生き様、そのままな気がします。

カンニング竹山(以下、竹山):ほんとにそうなんです。

――歌詞にはコメンテーターとしての自分に苦悩する部分がありますが、ワイドショーで意見を言うことに怖さはありませんか。

竹山:怖いところもあります。でも、結局は己がいちばん何をしたいかで、僕はそのワイドショーが面白くなればいいだけなんです。それはダメだっていう意見もあるでしょうけど……。もちろん無責任な発言はできないので、下調べや勉強はします。でも、ワイドショーは報道番組ではなく情報番組。そして僕は情報番組とは報道半分、バラエティ半分だと思ってるから、この番組面白いよねって言われることが、僕のなかの「正解」なんです。

ただやっぱり、いろんな人がいるし、さまざまな考えがあるから、番組を面白くしたいっていうのと、“ほんとのこと”のバランスは難しいですね。

格好つけない、勘違いしない

No image

――歌詞には「ルール」に疑問を呈する箇所も。竹山さんの「ルール」は?

竹山:格好つけない、勘違いしない。背伸びしないというか、自分の等身大でいようというのはありますね。

――歌では“本音”と“世間”の間で生きる葛藤をシャウトしていますが、竹山さんといえば「キレ芸」。芸といえど、本気でキレる、ムキになる。年齢を重ねると諦めたり達観したりしそうなのに。

竹山:そういう生き方をしてるんでしょうねえ。言い換えるとわがまま、大人げないということだと思います(笑)。素直ともいえるけど、嘘がつけない…。偶然ですけど、子供がいなかったっていうのもあるのかもしれない。といって、わざわざ丸くなろうともガミガミ言おうとも意識しているわけではないですけど。

「キレ芸」今は望まれないことも

No image

――「キレ芸」と言われることに対しては、どう思っているのでしょう。

竹山:それは自分の武器なので、ありがたいです。今は望まれないこともありますけど(笑)。でも、自分の理想には近づいていると最近思うんです。芸人としての理想には全然近づいてないんだけど、人間的な理想でいうと、年取ってギャーギャー怒ってるヤツってみっともなくて面白かったんですよね、昔から。

酒飲んだ帰りに電車の中ですげえブチ切れてるヤツとか、バカじぇねえのこのおじさんって思いながら、ゾクゾクしてすぐ見に行って、「どうしたんすか?」なんて聞いちゃう(笑)。

――芸人としての理想像は。

竹山:いつまでもイジられるオヤジでいたい。いいなあと思うのは、笑福亭鶴瓶師匠です。鶴瓶師匠って、僕らのちょっとしたいたずらに門を広げてくれる。僕は同世代にザキヤマ(アンタッチャブル山崎弘也)やら有吉(弘行)やら、天才たちがいっぱいいて、そのてっぺんを取るというよりは、鶴瓶師匠のような、独自の立ち位置がある芸人ではいたいですね。

必死にやるから結果が出る

No image

――2014年の『エンタの神様 大爆笑の最強ネタ大大連発SP』(日本テレビ系)で、竹山さんはパンツ一枚になって、「必死にやりなさい、一生懸命やりなさい」と熱く呼びかけました。これは2004年、同番組に中島さんと初出演した時のエピソードを踏まえてのもの。当時、なんとか存在の証を残そうとするあまり、ウ○コをしようとした竹山さんに中島さんがキレるというレアな姿が流れたうえ、強制退場させられたという事件があり、そのうえでのネタでした。

竹山:特番のたびに、総合演出の五味(一男)さんが毎回声をかけてくれてて、ずっと断っていたんですけど、“おじさんがパンイチで説教する”というアイデアが出た時に、それだったらやろうと。おじさんが必死でやってるっていうね。

――今一度、若者へメッセージを伝えるとしたら?

竹山:熱さとか必死さって、避けがちかもしれないけど、大事なことは今も昔も変わらない。結局必死でやったり熱くなったりすると、ある程度結果が出てくるんです。そうすると、ちょっと楽しいぜっていうことでしょうね。ちょっと頑張ってやってみると、結果が出るからおもしろい。

あと、昔僕も言われたことで、実証でそうだなと思うのは、頭で考えてわかっていたつもりのことでも、実際動いてみると結果が違う場合があるということ。例えば、仕事行きたくないな、飲み会行きたくないなって思った時、行かないという選択肢もいいんですよ。行かないほうが自分の時間は作れるからね。

でも、行ってみたら、想定外の事件が起きたりする。あの人意外と優しかったとか、行った居酒屋のメニューがめちゃくちゃ美味しかったとか。行くまではイヤだけど、行ってみたら楽しんじゃったとか、あるあるでしょ? 迷うなら、動いちゃったほうがいい。もちろんハズレはあるんだけど、意外と当たりもある。そこで知り合った人と、意外なところでまた繋がっていくかもしれないしね。

出会いたかったら、外に出ろ

No image

LIVE放送禁止2021in中野サンプラザ

――2008年から続く『放送禁止』が生まれたのも、放送作家の鈴木おさむさんと出会っていたからですね。出会いのコツはあるのでしょうか。

竹山:やっぱり、自分が外に出て、いろんな人と触れ合わないと、どんな出会いも起きない。恋愛でも仕事仲間でもです。寺山修司さんの「書を捨てよ町へ出よう」とか、ラテン語のことわざにある「見る前に飛べ」とか、昔の人も、だいたい同じこと考えてるんですよ。

俺も若い時は「おじさんうるさい!」って思ってたけど、太古の昔から、多分同じことの繰り返し(笑)。なんだかんだ、人生長く生きてるやつの言うことは聞いておいたほうが楽だぜっていうのは、ありますよね。

ただ、だからって若者が遠慮する必要はないと思います。やりたいと思ったことはやったほうがいい。失敗も痛手もあるんだけど、時が経ってくれば、凹んだことが“美味しく”なってくるんですよ、不思議と。経験を積むってプラスしかないから、いろんなことをやっておくといいんじゃないかな。

「オンオフ」を決めなくていい理由

No image

竹山:僕は、オンオフを決めるなとよく言うんです。なんか、“やる気スイッチ”的なこととか、オンはこうでオフはこうでって分けるのが大事とか、世の中は意識させたがるでしょ。でも僕に言わせれば、オンもオフもいらないの。うまく調節できたら、全部「オフ」。仕事も遊びも、全部「遊び」。難しいけど、なるべくそうなるように心を楽にするのよ。

「ああ、仕事やりたくねーなー」と言ってても、みんなしたくねぇんだよと。嫌々やるよりも、やってみたら面白い発見があるかもしれないと思ってやったほうが、人生は楽しいと思います。いかに、全部を「遊び」にできるかですよね。

「遊び」っていうと怠けるとか、サボる、手を抜くっていうイメージがあるかもしれないけど、ここで言いたいのはそういうことじゃなくて、楽に楽しくやればいいんじゃない?っていうこと。遊びを仕事に変えればいいわけだし。仕事を「遊び」に変えていけばいいんだよっていう感じです。でも、一生懸命やらないと結果は出ないので、「遊び」もすべて本気でやるということですね。

あと、自分で自分を縛っている固定概念のようなものをぶち破ったほうが、人生は面白くなる。こうしなくちゃいけない、って決めつけなくていい。それ、1回やめてみ? やめちゃいけないって誰も言ってねえじゃん、みたいな。

例えば、会社やめるもやめないもお前が決めていいんだぞっていうこと。就職でもよく行きたい会社がないとかいうけど、世の中、会社だけじゃないぜ。もちろん、そんな自由な生き方ができればいいけど、なかなかはできないですよね。ただ、悩んだり迷ったりした時に、肩の力を抜いてそういう考え方もあることを思い出すと、楽にはなるかなと思います。

50歳、「悩みはそんなにすべてが解決しない」

No image

――そんな竹山さんは、今、悩みってありますか。

竹山:うーん……仕事のことは悩みますよ。このまま俺、どうなっていくんだろうなあとか。世代交代的なのもあるし、時代も変わって、メディアもいろんなものが出来すぎちゃって。周りはもう働かなくていいんじゃないって言うけど、いやいや働かないとお金入らないし、生活まわらないっていうのはあるから。

でもね、一方でこうも考えるんです。50歳で、どうなっちゃうんだろうって考えるってことは、俺、若いなって。だってうちのおやじは52歳で亡くなってるんです。そうでなくてもあと20年後には自分がこの世にいなくなってる可能性はあるんですよ。逆に20年前は俺30歳で、俺にとって30歳って“ついこの間”なんです。

中島と漫才やって、「これ売れるかもしれないよ、なかやん」なんて言ってて……。その中島は35歳で亡くなった。自分だって何年後かに生きてないかもしれないんだと考えると、悩んでてもしょうがない、いかに楽しく過ごすか考えようって。

50歳までいろいろ悩みながら生きてきたけど、そんなにすべてが解決しない。悩んでるうちは、若いんですよね。だって悩めるのは、「未来がある」ということを疑っていないから。俺も死ぬんだぞっていうことを意識すると、悩んでる暇なんてない。やりたいことやらないと、時間がなくなってきちゃうっていうのは思ったりしますよね。

細かい悩みはありますよ。部屋のインテリアどうしようとか(笑)。でも、大きな悩みはわかんない、というのが答えなのかな。

――歌では、最後に天国の「お前」はどう思うか、問いかけます。中島さんが今の竹山さんを見たら、どう思うでしょうか。

竹山:「アホやなあ」って笑ってると思いますね。今1人でライブやってるのも、内容も、「アホやなあ」って笑ってると思います。昔からめちゃくちゃ言われてて、そこは変わっていないでしょうね。

<取材・文/吉河未布 撮影/尾藤能暢>

【カンニング竹山】
1971年、福岡県生まれ。1992年にお笑いコンビ「カンニング」を結成。『めちゃ2イケてるッ!』『エンタの神様』など全国放送のお笑い番組に出演し、「キレ芸」でブレイク。2006年、相方の中島忠幸さん死去によりコンビ解散。現在はワイドショーやバラエティ番組ほか、幅広く活躍中
Twitter:@takeyama0330

【吉河未布】

編集者・ライター。ネットの海の端っこに生きています。気になったものは根掘り葉掘り

bizSPA!フレッシュ

この記事をお届けした
グノシーの最新ニュース情報を、

でも最新ニュース情報をお届けしています。

外部リンク

  • このエントリーをはてなブックマークに追加