GM、新SUV型ハマー発表。最新EV電池「Ultium」搭載

GM、新SUV型ハマー発表。最新EV電池「Ultium」搭載

  • Engadget
  • 更新日:2021/04/09
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GMC

GMCがピックアップトラック化したEVハマーを発表したのは2020年10月のことでした。そしてそれに遅れること半年、ファンから見れば本来の姿とも言える電気SUVタイプのハマーがようやく発表されました。

GMCがオール・エレクトリック・スーパートラックと呼ぶのを体現するが如く、紹介動画では嵐をの前のような曇天から”スーパーヒーローランディング”で登場したEVハマー。そして「移民の歌」(Super Sonic Templeのバージョン?)をバックに疾走する姿。それはわれわれが知っているハマーのEV版として納得のいく外観であり、ヒーローの帰還による安心感も与えてくれるものになっています。

もちろん、ただEVとして復活しただけでなく、9月にチラ見せされていたCrabwalkことカニ走りモードも搭載。狭い路地で、おそらく普通に通るほうがやり過ごしやすそうな狭いスペースを独特のAWS機構でズミミとすり抜けて見せます。

この5人乗りHummer SUVはピックアップトラック型に比べると引き締まったイメージで、荷台を荷室にしたぶんの重量増はあるものの830 HP(約840PS)のパワーを活かして0-60mph加速を約3.5秒で駆け抜けます。これはピックアップトラック型のわずかコンマ5秒落ちのタイム。

SUV型ベースモデルはピックアップトラック型より23cmほど短いホイールベースを持っており、最小回転半径はフォードのMustang Mach-Eよりも0.5mほど小さくなっています。

心臓部にはトリプルモーターを搭載しており、エネルギーを供給するバッテリーは800V、300kW出力の充電器に対応します。価格は10万5595ドル(約1160万円)。また、オプションのExtreme Off-Roadパッケージを追加したEdition 1バージョンは価格が11万595ドル(約1213万円)です。もしEdition 1が欲しいけど価格が…という場合は、2023年春まで待てば、Edition 1と同等の仕様で価格を下げたEV3Xバージョンが発売される予定。購入可能な国にお住まいならそれを待つも良し。ちなみにEdition 1はすでに予約分は完売となりました。

またEV2Xと称する2モーター版も登場予定で、こちらは8万9995ドル(約987万円)とされます。さらにもう1年待って2024年にはバッテリー容量を減らしたEV2が投入されます。このあたりはテスラなどがよくやる、まず上位を発売して利益を確保しつつ、徐々に廉価モデルへと販売価格帯を下げていく手法と言えるでしょう。

さて、今回の新型ハマーは、もうもうと排気ガスをして走るかつてのハマーではなく、最先端のEVテクノロジーを搭載したマシンと化しています。なかでもバッテリーには、MITのスピンオフ企業Solid Energy SystemsとGMが共同で設立したベンチャー企業で開発したUltiumシステムを初めて搭載します。

Ultiumバッテリーは円筒形ではなく角形の内部セルを採用。バッテリーパック内に隙間無くセルを積み重ねられるため、小さなスペースにより多くのエネルギーを詰め込むことが可能。これにより、GMは50kWhから始まり、最大容量でテスラを凌ぐ200kWhのバッテリーをEVに搭載できるとしています。

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GM

GMのセル技術部門のリーダーであるTim Grewe氏はこのバッテリー技術によって「将来的に航続距離500〜600マイルの車両が簡単に実現できるようになる」と述べており、電力消費を気にせず充電なしで長距離走が可能なEVを作ることは、もうすぐ絵空事ではなくなるかもしれません。

Grewe氏は「われわれは長い間、複雑な最適化作業を行ってきました」と述べ、任意のサイズに最大限のバッテリーセルを詰め込むには最も効率の良い配置を考える必要があり、これを実現するためにGMのワイヤレスバッテリー管理システム(WBMS)が活躍しているとのこと。WBMSはRF通信の採用により配線が90%少なく、バッテリーパックの容積を15%削減すると同時に、「バッテリーの寿命全体にわたって範囲と精度を損なうことなく、設計の柔軟性と製造可能性を向上させる」と説明されています。

WBMSにはパック内の各セルの科学的な特性に関するデータがプログラムされ、モジュールの経年変化に応じて個々のセル間の負荷をより適切に分散、劣化を把握し、将来的により洗練された材料を使ったバッテリーが利用可能になったときにも、モジュールを交換することで対応が可能。これによりすでに販売されたEVのために古い技術のバッテリーを修理用在庫として抱える必要がなくなります。

GMとWBMSを共同開発したAnalog Devicesのパトリック・モーガン自動車担当VPは、「バッテリーパックの無線接続化によって、自動車メーカーは複数の車両モデルに柔軟に電気自動車プラットフォームを拡張でき、増大する消費者の需要を満たすことが可能になる」とその利点を説明しました。

GMはさらに、LG化学との共同開発でバッテリーの化学的性質からコバルトを大きく削減しています。また将来的にはコバルトとニッケルを完全に排除することを目指しており、さらにシリコンベースのハイブリッド電解質リチウム金属アノードの採用に向けた研究を重ねています。

なお、このバッテリーは自動車用としての寿命に達しても、WBMSシステムがモジュール間の出力のバランスを取るため家庭用の補助電源などとして安定して使うことが可能です。

GMのマーク・ロイス社長は、2025年までに年間100万台のEVを販売し2035年までに販売する新車をすべて電動化するオール電化戦略を実現すべく「数千もの研究者、技儒者、デザイナーが会社の歴史的な再発明の実行に取り組んでいる」と述べています。

Source:GMC,GM

Munenori Taniguchi

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