「喪失感もあった」勤続10年目の退職で「ロールモデルはいない」と知った2児の母

「喪失感もあった」勤続10年目の退職で「ロールモデルはいない」と知った2児の母

  • CHANTO WEB
  • 更新日:2022/06/23

自他共に認める仕事人間だったサル山ハハヲさん。彼女がインスタグラムに投稿した漫画『社畜フルタイムワーママが会社を退職した話』に、多くの働く女性が共感しています。

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今回は、退職後の環境や気持ちの変化、会社を辞めたことで見えてきた理想と現実について伺います。

解放感のあとにやってきた喪失感

── 新卒で採用された会社で10年間クリエイター職として働き、現在はフリーランスとしてデジタルコンテンツやイラスト制作をしているサル山さん。退職されたときの率直な気持ちを教えてください。

サル山さん:

辞めた直後は、何といっても解放感!!これでもう、満員電車に詰め込まれて出社する必要もないし、幼稚園のお迎えが遅くなって息子を悲しませることもないんだ!と思うと、すがすがしい気持ちでいっぱいでした。

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でも、それから少しすると、これまで経験したことのない喪失感に陥ってしまったんです。決して辞めたことを後悔しているわけではないのに、仕事や同僚のことがやたらと気になったり、バリバリ働いている同僚に対してうらやましいと感じる自分がいることに気づきました。

「どこにも所属していない自分は、一体何者なんだろう…?」そんな気持ちがこみ上げて来て、自分がすごくちっぽけな存在になったような気がしてしまったんです。

ただ、そうした気持ちは、慌ただしい毎日の中で自然と落ち着いていきました。

退職の決断を支えてくれた夫の存在

── 退職後同僚をうらやましく感じたという話が出ましたが、夫に対して「なぜ夫ではなく私がキャリアチェンジをしなくてはいけないのか」といった葛藤はありませんでしたか?

サル山さん:

ありませんでした。

実は夫も元社畜。今でこそ残業がほぼない仕事をしていますが、元々はこちら側の人間なので、私の立場もよく理解してくれていてありがたかったです。

それに、家事育児も本当に自然にやってくれる人なので、私が退職したからといって特に何かが変わるといった感じはなかったですね。

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── 素敵なパートナーシップですね!

サル山さん:

家事育児の分担で特にもめたこともありません。結婚前はまったく家事をしない人だったそうで、義母も驚いているくらいです。

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会社員時代かなわなかった時間を取り戻したい

── 息子さんたちの反応はどうでしたか?

サル山さん:

想像と違ってショックだったのは、長男の反応ですね。フルタイムで働いていた頃はお迎えの時間が遅かったので、長男はよく「カッカ早く迎えにきてよ」と悲しそうにしていたんです。だから早く迎えに行ったら当然喜んでもらえるとばかり思っていました。

しかし、いざ早く迎えに行くと、「まだおうちに帰りたくない…。カッカなんかキライ!!」と言われてしまったんです。

帰り道、まだ友だちと遊びたくて泣いている息子の隣で、私も一緒に泣きながら帰ったのは今でも忘れられない思い出です。

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── 知らない間に幼稚園が大好きになっていたんですね。

サル山さん:

子どもの順応性はすごいですよね。会社を辞めたのは子どものためではなく自分のためだと思っていましたが、こうしてショックを受けるということは、心のどこかで子どものために会社を辞めるんだという逃げ道を作っていたんだろうなと思います。

── それでも早い時間のお迎えは続けているんですよね。

サル山さん:

会社員時代、お迎えは18時半だったのですが、今は16時には終えるようにしています。子どもたちと一緒にいられる時間が、単純に毎日2時間30分増えました。

以前なら幼稚園から家まで車で急いで帰っていたのが、今はのんびり一緒に歩いて帰ることができる。くだらない話をしながら一緒にごはんを食べたり、ゲームをしたりする時間が持てるようになりました。

一見、生産性がないようですが、そんな何気ない時間を子どもたちと一緒に過ごせるようになったこと自体が、今はとても幸せです。会社員時代一緒にいられなかった時間を取り戻すくらい、今はくだらない時間を子どもたちと過ごしたいと思っています。

私の人生に他人の正解はあてはまらない

── フリーランスの仕事はいかがですか。

サル山さん:

子どもとの時間がとれるようになった一方で、仕事は、収入や忙しさに波があるので、もう少し安定させられたらと思っています。仕事が忙しくなるとつい根を詰めて働いてしまいがちなので、うまくバランスをとるのが今後の課題ですね。

── 仕事と家庭両方とも手に入れられたように見えます。

サル山さん:

そういうと聞こえはいいのですが、仕事と子育ての両立はまだまだ模索中なので、せっかくこうして取材をしていただいていますが、もしかしたら会社員に戻っている未来もあるかもしれません。

── 今後どういったキャリアプランを描かれていますか。

サル山さん:

今は計画的に進むというより、目の前に来た球をとにかく打ち返すといった感じです。自分が大切と感じるものを守りながら、目の前の興味があることに突き進んでいきたいなと思っています。

以前は、身近に同じ職種のロールモデルがいたらいいのにと思ったこともありましたが、それぞれの家庭によって、家族構成も子どもの性格も、置かれている状況も何もかもが違うので、ベストなロールモデルというのは存在しないんだろうと思うようになりました。

── 確かに。

サル山さん:

正解はないし、他人の正解にとらわれる必要もないと思います。

数ある選択肢の中から、自分が今いちばん幸せに感じる選択をすることでしか、納得のいく人生を送ることはできないのだと思います。

女性はライフステージによって人生の分岐点に立つことが多く大変ですが、無理はせず、そのときの自分の気持ちに正直に、楽しく生きていけたらいいなと思います。

PROFILE サル山ハハヲさん

5歳の長男と3歳の次男を育てながら働くワーママ。デジタルコンテンツ制作の会社でクリエイター職として働き、10年間の社畜生活を送った後、フリーランスとして独立。クリエイター職を続けながら、イラストや漫画の仕事をはじめるなど、新しい働き方を模索している。

取材・文/上野真依 画像提供/サル山ハハヲ

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