憧れの薪ストーブ導入!薪ストーブの選び方から煙突工事、設置まで

憧れの薪ストーブ導入!薪ストーブの選び方から煙突工事、設置まで

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  • 更新日:2021/11/25
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連載・暮らしを考える旅 わが家の移住について

自分たちの暮らしを自分たちで丁寧につくりたい。そんな思いから移住を決意した一家。移住先を探す旅、そしてその暮らしを、夫婦で交互に綴っていきます。

憧れの薪ストーブに点火できるまで

伊豆下田に移住する以前から、津留崎さんがいつかは取り入れたいと思っていた「薪ストーブ」。古民家の購入とリノベーションを機に、ついに導入を決めましたが薪ストーブってどうやって選んだらいい?2次燃焼って? 煙突はどうする? などなどその点火までの過程をご紹介します。

新米をいただく日々、始まる。天日干しのお味のほどは……?

この連載でも何度かお伝えしているとおり、この秋は普段の仕事や生活に加えて、自宅のリノベーションと米づくりの収穫時期が重なり、かなり忙しくしていました。

米づくりは10月半ばに稲刈り、2週間ほど天日干し。その後、脱穀・精米してめでたく「お米」となりました。11月からは新米をいただく日々が始まっています。

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4年目の米づくり、最後まで天日干しをすることができたからか、事情により天日干しができなかった昨年、一昨年より明らかに旨みが多い。天日の威力をあらためて感じております。

そして、いまお借りしている賃貸の家から12月上旬に撤退する事情もあり、自宅古民家リノベーション工事が佳境を迎えています。フローリングが張り終わり、キッチンも設置、タイルを貼ったり、家具をつくったり。この秋、休みの日には家族総出で工事をしています。

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キッチンをどうするか? 悩みに悩みました。デザインが自由な「造作キッチン」か、使い勝手やメンテナンス性にすぐれる「システムキッチン」か? 結果、システムキッチンにしたのですが、予算オーバーのため、キッチンの組み立て・設置は自分で行いました。なんでもやればできるもんです。

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この日はみんなでタイル貼り。こうして見ると目地の幅がバラバラ……。まあ、手づくりの味ってコトで!

古民家リノベーションでどうしても取り入れたかったのは?

そんなリノベーション工事で、どうしても取り入れたくて導入を決めたのが、薪ストーブです。工事も大詰めとなった先日、薪ストーブの煙突工事をして設置。さっそくその日の夕方、初めての点火をしました。

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ゆらゆらと炎が立ち上がり始める。念願の薪ストーブ暮らしの始まりです!

移住前から、薪ストーブに憧れていました。移住を考えるキッカケとなる刺激をくれた地方に暮らす知人たちの家には、必ずといっていいほど薪ストーブが鎮座。

その体の芯から感じる暖かさや、家の周りの山々で燃料を調達するという「エネルギーの地産地消」ともいえる本来あるべき姿に魅力を感じていたものの、都内の住宅地では薪ストーブを設置することは現実的ではないですし、そもそも薪を手に入れる術もありませんでした。

そんな薪ストーブへの憧れを抱きつつ、下田に移住。でも、住んでいた家は賃貸ですし、また、地方とはいえ住宅地といえるような立地。移住しても、相変わらず「いつかは憧れの薪ストーブ」状態だったのです。

移住した下田では、養蜂場と工務店の仕事をメインでするようになりました。養蜂場がある山には、薪になりそうな木がゴロゴロしています。また、工務店の仕事では、解体した廃材や、使った材木の端材が大量に出ます。そんなふうに、薪が無理なく調達できる環境が整ってきました。

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山の中、養蜂場への道。台風のあとには倒木が道を塞ぐこともあります。わざわざ木を伐り倒さなくても、こうした倒木だけでもかなりの量。倒木を使えば道の整備にもなるので一石二鳥です。

こんなに燃料に囲まれているのに、家の暖房は灯油ストーブ。不自然だし、灯油代も高いし……。なんともモッタイナイと感じていました。

そんな状況で、いまリノベーションに取り組んでいる古民家を購入することが決まったのです。立地的にも周辺の民家も少なくて距離もある。念願の薪ストーブ導入いけそうだ! と、本格的に検討し始めました。

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古民家と薪ストーブ。長い間憧れていた暮らしが現実に近づいてきました。イメージして行動し続けることの大切さを痛感しています。

古民家購入を検討し始めたのがちょうど1年前。1年間、いろいろと調べて検討を重ね、今回の「点火」に至ったのです。

薪ストーブ、どう選べばいい?

ここで、話を薪ストーブ検討段階まで戻します。薪ストーブ本体はかなり種類があり、金額的にもピンからキリまで、ホームセンターで売られている1万円しないモノから輸入品の100万円以上までと幅があります。

当初、種類がありすぎて違いがよくわからず、金額、デザインや暖房能力の数値で選べばよいのか? と思っていました。

でも導入にあたり調べていくと、薪ストーブによって「耐久性」「使用できる薪の種類」「燃焼の方法」に大きな違いがあることがわかってきたのです。

まず「耐久性」について。ホームセンターで売られている1万円しないような薄い鉄板製の薪ストーブは、使い方にもよりますが、2、3年で穴が開くのはあたり前、使い方によってはそこまでもたないこともあるとわかってきました。

初めてだし、かなり予算がないので、それでもいいのか? とも思ったのですが、壊れて設置し直すのも手間です。国産メーカーだと5万円くらいからは少ししっかりとした鋳物製や厚みのある鋼板製がラインナップされています。

「安物買いの銭失い」にならないためにはそれくらいの予算のイメージは持っておいたほうがよさそうです。

そして、「使用できる薪の種類」について。先ほど書いた通り、建築の仕事で出る廃材や端材も燃料として使いたいと考えていました。建築の仕事で使う木材は、ほとんどがスギやマツなどの「針葉樹」です。

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今回のリノベーションでも一部分の壁や床を解体した「針葉樹」の廃材が多く出ました。捨てれば費用がかかりますが、薪ストーブの燃料にすればエネルギーとなる。

一般的に薪ストーブ用とされる薪は、ブナやクヌギ、ナラ、サクラなどの「広葉樹」。針葉樹は、油分が多く含まれていて燃焼温度が高くなることから、薪ストーブで多用することはよくない、と聞いたことがありました。

でも、針葉樹の廃材を使えれば、薪の調達にかかる手間は随分と違いそうです。しかも、生木から薪にするためにしっかり乾燥させるには、薪割りしてから2年ほど置くのが理想ともいう。対して廃材はしっかり乾燥しています。

針葉樹、本当に燃やせないのか? 調べてみました。

比較的よく見る「鋳物」の薪ストーブは温度の変化に弱く、燃焼温度が高くなる針葉樹は燃やさないほうがいい。

対して、針葉樹を燃やすのに比較的適しているのは、温度変化に強い「鋼板」でつくられた薪ストーブ。ちなみに鋳物の薪ストーブも、焚きつけの際には燃えやすい針葉樹を使います。でも、あくまで焚きつけ用。針葉樹ばかりを燃やしていると温度が上がりすぎてしまい、炉が割れることもあるそうなのです。

ということで、針葉樹も燃やしたいということから鋼板の薪ストーブを検討することに。デザインの点からも、曲線を多用する鋳物の薪ストーブと比較して直線的な鋼板製は自分の好みにも合致していました。

次は、「燃焼方法」の違いについて。燃焼方法の違い、というのは「2次燃焼」するかしないか? ということが大きな違いだそうです。

2次燃焼? という方のためにざっくり説明します。ただ薪を燃やすだけ(1次燃焼)だと、その煙にはススが多く含まれている。煙をさらに燃やすことで煙がきれいになって排出されるそうなのです。

ざっくりすぎて「???」が消えないかもしれませんが、とにかく、薪ストーブの構造によって2次燃焼が行われるかどうかが変わるとのこと。

1次燃焼の薪ストーブだと煙にススが多く含まれるため、煙突にススがたまりやすいそうで、そうなると煙突のメンテナンスが大変で、怠れば最悪、火災のリスクもある。また、2次燃焼の方が2度燃やすということもあり、熱効率が高く、薪の消費を抑えることができるという特徴もあるようです。

これだけ書くと、もちろん2次燃焼がいいよね……となりますが、しっかり上昇気流が起きるように煙突を組まなければそのメリットを生かせないともありました。そして、構造が複雑になる分、お値段がお高い……という側面があります。

薪ストーブは決まったけど、煙突が……!?

ということで、耐久性と薪の種類、燃焼方法の違いから、「鋼板」で「2次燃焼」する薪ストーブを探しました。

なかなかにお高いものばかりがヒット。これは困った……どこかで妥協しなければかと、PCとにらめっこしていると、予算のイメージ内に収まる製品を発見、決定しました。

次はどこにどんな向きで設置し、煙突をどう配管するか? を決めていきます。

検討し始めてまず驚いたことがあります。それは、煙突部材の価格の高さです。煙突に関しては、ちゃんと燃焼効率を高めるような部材を使うと必然的に高くなるということがわかりました。さらには、わが家の場合、屋根が瓦屋根。瓦屋根に煙突を貫通させる部材がまた高いのです。

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こちらが実際に使った瓦屋根に煙突を貫通させる部材。かなりニッチな商品なので選択の余地もなく……なんと10万円以上もしました。これだけで薪ストーブより高いという不思議なことに。自分でほかの部材を組み合わせてつくれないのだろうか? とも考えたのですが、ここでケチって雨漏りして家を傷めてしまっては本末転倒です。

では、煙突を、屋根を抜かずに壁を抜いて立ち上げれば、そんな高額な部材を使う必要はないのではないか? とも考えたのですが、家の中で薪ストーブを置くのに適している場所が、どうしても壁から離れていて壁抜き配管ができない状況でした。

さらには、壁を抜いて壁沿いを屋根よりも高く立ち上げるという配管だと、屋根を貫通させて煙突をまっすぐに立ち上げる配管に比べて、燃焼効率が悪くなったり、ススが溜まりやすくなるとの情報もありました。

ススが溜まるとメンテに手間がかかり、また、そのまま使い続けると火災のリスクもあります。この古民家……一度火がついたらよく燃えそうです……。憧れの薪ストーブどころの話ではなくなってしまいます。

ここは妥協してはいけない。薪ストーブについて調べれば調べるほど煙突の大切さがわかってきました。

でも、薪ストーブと煙突部材を合わせた費用としては当初の想定を大きくオーバーしています。最後の最後まで、薪ストーブは本当に必要なのか? ここまでの費用をかける意味があるのか?

随分、妻とも話しました。でもやっぱり憧れの薪ストーブ、譲れない! 清水の舞台から飛び降りるくらいの気持ちで薪ストーブと配管部材一式をポチッとしたのでした。

いざ配管・設置、そして点火!!!

ポチっとしてしまえば、あとは前へ進むのみ。煙突工事、設置の段取りをします。

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なんと重量が100キロもあり、搬入もひと苦労。設置箇所は床下地の補強もしました。重いということはその分、蓄熱するということ。本格的に使い始めるのが楽しみです。

今回のリノベーションでは水道、電気、ガス工事については専門業者にお願いしましたが、それ以外の解体、大工、塗装、タイル工事などは自分たちで行いました。

でも、この煙突工事は、天井に穴を開けて、煙突を通して、瓦屋根を貫通させるという、かなり難易度高めの工事になりそうです。おまけに工程的に余裕がまったくないこともあって、知人の大工さんに煙突工事をお願いしました。

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大工さんが天井を加工している間、自分は屋根の瓦を外します。

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天井の穴に組んだ煙突を通し、瓦貫通部材を被せました。

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雨が漏らないように祈りつつコーキング。建築の仕事を長くやってたので、雨漏りには随分と泣かされてきました。その立場からすると、瓦屋根に煙突をあとから施工すること自体、かなりリスクがあります。どうか漏りませんように……。

そして、ここまでできたらあとは薪ストーブの設置です。まずは、炉台をつくります。

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薪ストーブはフローリングに直接ではなく、燃えにくい材料でつくった炉台に置きます。この炉台は下田の古いまち並みで印象的な「なまこ壁」に使われる平瓦で仕上げました。せっかくなら下田らしい材料で、と探していたら友人に譲ってもらってしまった。

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いざ設置! 100キロの重さに平瓦が割れてしまうのでは? と不安でしたが大丈夫でした! いやしかし、重かった。

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炉台に平瓦、いい感じです! 皆さまに助けられてようやくここまで。感謝してもしきれません。

これから後ろに見える壁と薪ストーブの間に「遮熱壁」をつくるのですが、とりあえずの設置は完了です。新品の薪ストーブは塗料を定着させるために「慣らし運転」が必要とのこと。設置が完了した日の夕方、さっそく、慣らし運転の点火をしました。

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ついたついた!! 苦労が報われる瞬間です。煙突をまっすぐ上に持っていったのがよかったのか、しっかり上昇気流が起きていて、よく燃えてくれます。

慣らし運転は、あまり熱くしすぎてはいけないということで、少なめの薪だったのですが、充分に暖かく、そして、ゆらゆら炎を眺めているだけで幸せな気分になります。

何度かの慣らし運転を終えて、遮熱壁をつくったら本格的な「薪ストーブ暮らし」の始まりです。しばらくは、このリノベーションで出た廃材や端材を片づけながら燃やして部屋を暖めていこうと思います。

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さあ、いよいよ工事も大詰めです。これから寒さも本格的になります。薪ストーブで暖まりながら、あとひと息、頑張ろう~。

文 津留崎鎮生

text & photograph

Shizuo Tsurusaki

津留崎鎮生

つるさき・しずお●1974年東京生まれ東京育ち。大学で建築を学ぶ。その後、建築家の弟子、自営業でのカフェバー経営、リノベーション業界で数社と職を転々としながらも、地方に住む人々の暮らしに触れるにつれ「移住しなければ!」と思うように。移住先探しの旅を経て2017年4月に伊豆下田に移住。この地で見つけたいくつかの仕事をしつつ、家や庭をいじりながら暮らしてます。Facebook Instagram

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