ガソリン価格が20年でなぜ5倍も高騰!? 「昔は水より安かった」 日米で異なるガソリン事情とは

ガソリン価格が20年でなぜ5倍も高騰!? 「昔は水より安かった」 日米で異なるガソリン事情とは

  • くるまのニュース
  • 更新日:2021/11/25

なぜアメリカでは、約20年でガソリン価格が5倍!?

世界的な原油高が続いており、日本のガソリン価格も7年ぶりの高値水準が続いています。

そうしたなかで、アメリカは戦略石油備蓄の放出を発表したことにより、日本政府も史上初となる国家備蓄の放出を発表しました。

ガソリン価格によるさまざまな影響が出ているなかで、日本とアメリカのガソリン価格は過去20年でどのように変化してきたのでしょうか。

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世界中で高騰するガソリン価格、日本でも高水準が続く。(写真は2021年10月末の都内のガソリンスタンド)

資源エネルギー庁が発表した2021年11月15日時点でのガソリン価格(レギュラーガソリン1リットルの全国平均小売り価格11月17日発表)は168円9銭です。ちなみに、同庁の資料によると2000年以降でもっとも安かったのは2002年2月の98円となり、1990年代後半は実売価格が80円台のガソリンスタンドも首都圏で存在していました。

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つまり、現在のガソリン価格は1990年代後半の2倍以上という計算になります。

しかし、そのガソリン価格が日本よりもはるかに高値で推移している場所があります。

それはアメリカです。筆者(加藤久美子)は、2021年10月末からSEMAショーやロサンゼルスオートショーの取材でアメリカ西海岸に滞在していますが、2年ぶりのアメリカで驚いたのは何といってもガソリン価格でした。

ロサンゼルス周辺の高いところでは、1ガロン(3.7リッター)あたり、レギュラーで5ドル超、プレミアムでは5ドル後半という高値です。

これは1ドル114円計算で日本円にするとリッターあたり165円前後となり、日本とほとんど変わりません。

初めてSEMAショーの取材でアメリカ本土を訪れた1990年代や2000年代初頭、ガソリン1ガロン当たりの最低価格は95セント-99セントなど1ドル以下でした。

1ガロンのミネラルウォーターが1ドル程度でしたから、当時ガソリンは水より安かったのです。

日本も当時はリッターあたり100円前後でしたが、それでも1リットル25円-30円というアメリカのガソリン価格はとてもうらやましく感じました。

それが2021年の現在。アメリカのガソリン価格は高いところでは20数年前の5倍以上に高騰しているのです。

仮に日本でガソリン価格が5倍だったらどうでしょうか。

1990年代後半のもっとも安い80円前後の5倍になったらリッターあたり400円です。

ここまでくればさすがにガソリン車を手放し、電動車へ買い替える人が続出しそうです。

カリフォルニア州のガソリン価格がとくに高額な理由は

「GasBuddy」というガソリン価格の情報サイトでは、アメリカのガソリン価格を州ごと、地域ごとに知ることができます。

これによると、1ガロンあたりの平均価格が4.22ドルを超えているのはカリフォルニア州だけです。

そのなかでもサンフランシスコやロサンゼルスの一部地区で5ドル超となっています。

カリフォルニア州は全米で人口がトップであることからも自動車登録台数、運転免許証保有者数ともに1位です。

登録台数は全体の12.5%、免許保有者は11.1%という非常に大きなシェアとなっています。

カリフォルニアのガソリン価格が高いのは原油価格そのものが高騰しているという基本的な原因もありますが、そこには独自のガソリン税も深く関与しています。

アメリカ石油協会が発表したデータによると2021年7月現在の各州ガソリン税(1ガロン当たりの税額)は次のようになっています。

1位:カリフォルニア州 66.98セント
2位:イリノイ州 59.56セント
3位:ペンシルベニア州 58.70セント

このように、カリフォルニア州がダントツ1位となり、安いほうはアラスカ州(14.98セント)、ミズーリ州(17.42セント)とミシシッピ州(18.79セント)が続きます。

ここまでの値上がりに対してカリフォルニアの自動車オーナーはどのように感じているのでしょうか。

「ガソリンが高くなるのは好ましくないね。

カリフォルニアはガソリンに掛かる税金が他の州よりも多くて、しかも税金は二重にも三重にも掛けられているんだよ。

これは本当に腹立たしいね。でもだからといってEVに乗り換えようなんてことはあまり思わないかな」(Uberタクシードライバー)

「1ガロンが5ドル超えているところもありますが、少し離れてカリフォルニアの田舎の方に行くと、3ドル台のところも出てきます。

場所によってかなり違いますね。高いエリアに住んでいる人は、安い地域にいって満タンにして移動しているようですよ」(ガーデナ地区のホテル経営者)

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カルフォルニア州にあるガソリンスタンドの1週間の価格差(上が前・下が後)(撮影:加藤博人)

日本とほぼ変わらないガソリン価格になったカリフォルニアですが、1990年代の5倍という価格高騰に対してもそれほどひっ迫した様子は見受けられません。

クルマ通勤者向けに会社からガソリン代補助などがあるのでしょうか。

JCCS日本旧車集会を主催するカリフォルニア在住のテリー山口さんは以下のように分析します。

「もちろんガソリンのことは気になりますよ。

クルマ通勤をしている人に対する会社からの補助もほとんどないと思います。

ですが現在は、まだ通勤自体が控えられておりリモートワークをする人が多い状況なので以前よりも価格高騰に対するダメージは少ないと感じます。

また、最低賃金も上がっていますし、何しろ人手不足なのですよ。政府が失業保険を出しすぎて皆なまけています」

※ ※ ※

なお、カリフォルニア州は全米でもっとも早い1990年からLEV(低排ガス車)やZEV(無排ガス車)に関する規制を導入しており、現在に至るまで全米で特別に厳しい排ガス基準を採用しています。

そして、同州にはテスラを筆頭に多くのEVメーカーが集結しておりEV企業へのサポートが手厚いことでも知られています。

先日閉幕した「COP26」におけるゼロエミッション車に関する宣言でも、アメリカ政府としては署名がありませんでしたが、カリフォルニア州、ロサンゼルス市、サンフランシスコ市として署名をおこないました。

一説にカルフォルニア州は、ガソリン代を高くしてEVへの乗り換えを促進する狙いもあるのではないかといわれています。

加藤久美子

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