
9月にはロシアを訪れプーチン大統領と、10月には北朝鮮に招いたラブロフ外相とそれぞれ会談を行った金正恩総書記。しかしその動向が、10月20日のラブロフ氏との会談以降1ヶ月以上も報じられないという事態が続いています。彼の身に一体何が起きているのでしょうか。今回のメルマガ『宮塚利雄の朝鮮半島ゼミ「中朝国境から朝鮮半島を管見する!」』では宮塚コリア研究所副代表の宮塚寿美子さんが、度々噂される体調不良の可能性を指摘。さらに北朝鮮が予告しているミサイル発射の「Xデー」を予測しています。
※本記事は有料メルマガ『宮塚利雄の朝鮮半島ゼミ「中朝国境から朝鮮半島を管見する!」』2023年11月20日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会に初月無料のお試し購読をどうぞ。
衛星を打たない?北朝鮮の金正恩総書記「体調不良」の可能性
衛星と称しミサイル発射を予告した北朝鮮の沈黙が続いている。2023年11月20日、韓国軍合同参謀本部は、北朝鮮に対し「現在準備中の軍事偵察衛星の打ち上げを即刻中止するよう厳重に警告する」と表明した。同本部のカン・ホピル作戦本部長が国防部庁舎で声明を発表した。
シン・ウォンシク国防部長官は前日の11月19日にテレビ番組で、北朝鮮が軍事偵察衛星の3回目の打ち上げを今週内または今月末までに行う可能性が高いとの見解を示した。
カン氏は、韓米と国際社会の度重なる警告にもかかわらず北朝鮮が軍事偵察衛星の打ち上げを強行する構えをみせているとし、「打ち上げは弾道ミサイル技術を利用した北のあらゆるミサイルの発射を禁じた国連安全保障理事会決議の明白な違反であり、われわれの国家安全保障を脅かす挑発行為だ」と指摘。北朝鮮が打ち上げを強行すれば「軍は国民の生命と安全を保障するために必要な措置を講じる」と警告した。
このように韓国軍がミサイル発射の事前に警告をするのは異例である。しかし、北朝鮮は11月18日の「ミサイル工業節」にも関わらず、北朝鮮のメディアは一夜明けても記念日に一切言及していない。
また、金正恩総書記の動静報道も約1カ月間も確認されていない。先月10月20日に訪朝したロシアのラブロフ外相との面会したことを最後に報道が途絶えている。この沈黙は何か意図がるのだろうか?それとも度々噂される金総書記の体調不良もあるのだろうか。
北朝鮮は、軍事偵察衛星の3回目の打ち上げを予告しているほか、前号でも述べたが、新型の中距離弾道ミサイルに使用する固体燃料式エンジンの初めての燃焼実験を行ったばかりで、関係国が動向を注視している。
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ロシアの技術協力で、発射には問題がないことが伝えられている。ここ数日天気が荒れている様子もない。先に述べたシン国防長官が言う通り、今月末までにはミサイルの打ち上げはあるかもしれない。
いずれにせよ、諸外国が期待する通りの対応はしないのが北朝鮮である。来る11月23日は日本では勤労感謝の日、米国ではサンクスギビングデーである。この祭日前後を狙うこともあるかもしれない。
(宮塚コリア研究所副代表・國學院大學栃木短期大學兼任講師 宮塚寿美子)
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