プロボクシング元世界王者・久保が引退へ「心と体つくれなくなった」日本人選手に初黒星で決意

プロボクシング元世界王者・久保が引退へ「心と体つくれなくなった」日本人選手に初黒星で決意

  • 神戸新聞NEXT
  • 更新日:2022/06/23

元世界ボクシング協会(WBA)スーパーバンタム級王者の久保隼(32)=真正=が、グローブをつるす決意を固めた。今春のノンタイトル戦で、プロ人生で初めて日本人選手に屈して決断。22日、神戸市内でインタビューに応じ「心と体をつくれなくなった。未練は全くない」と心境を語った。

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競技を終える意向を明かし「未練は全くない」と語る元世界王者の久保隼=神戸市内(撮影・中西大二)

今年4月のフェザー級8回戦では、元同級日本王者の佐川遼(三迫)と対戦。「体が動かない。打っても、相手が倒れないのが分かった」という。3回、右ストレートでKO負けを喫し「めっちゃ効いた」と率直に認めた。

京都市出身の久保は中学で競技を始め、東洋大を経て2013年にプロ転向。長いリーチを生かしたアウトボクシングで東洋太平洋スーパーバンタム級王座を獲得、2度防衛した。17年、WBA同級タイトル戦でネオマール・セルメニョ(ベネズエラ)に11回TKO勝ち。世界王者となった。

ジムの先輩で同じサウスポーの世界3階級王者、長谷川穂積氏の「後継者」と呼ばれたが、以後は苦難が続いた。世界王座の初防衛に失敗。練習で目を痛め、手術した。フェザー級に転じ、19年には中国で世界戦に挑むも敵地の王者に敗れた。

この頃から体調を崩すこともあり、近年は「歩くのですら体が重かった」と話す。それでも「手を抜かない」という哲学を貫いた。「オーバーワークだとしても、後悔のないようにしたかった」

思い出深いのは18年、元東洋太平洋王者・大沢宏晋とのフェザー級10回戦という。中盤、同門で当時世界王者の山中竜也の声援が聞こえた。世界王座から陥落し、心が揺れていた久保だったが「絶対ここで終わったらあかん」と判定で制した。

今春のプロ18戦目を終え「このまま続けても、応援してくれる人に結果で恩返しできない」と悟った。通算成績15勝(10KO)3敗。「ボクシングという教材からすべてを学んだ」。現役引退後の身の振り方はゆっくり考えるという。(藤村有希子)

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