スカイレンタカーで現行プリウス借りてみた...やはり使いにくいシフトレバー、でも燃費最高

スカイレンタカーで現行プリウス借りてみた...やはり使いにくいシフトレバー、でも燃費最高

  • Business Journal
  • 更新日:2020/09/17
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スカイレンタカーで、コンパクトカーのクラスであるSクラスを予約したところ、貸し出されたのはトヨタ・プリウス。えっ、プリウスってコンパクトカーなの!?(写真はすべて筆者撮影)

レンタカー会社には、新車を仕入れる一般的な会社と、中古車を仕入れる格安系のチェーンがある。不思議なことに、新車系の会社はタイムズカーレンタルなど一部を除き、車種の指定ができないことが多い。車格の似たものでクラス分けされており、具体的にどの車種が出てくるのか、当日までわからないのだ。

格安系のレンタカーチェーンがなぜ車種まで指定できるかというと、後発であることもあって、ネット予約が大前提になっているからだろう。フランチャイズ店が多く、乗り捨て利用も不可能なため、配車や回送のやりくりも存在せず、予約管理がそのまま車両管理のシステムとリンクしているからこそ、ユーザーに車種まで指定してもらって構わないわけだ。

たとえば車の購入を考えており、同じ車種で試し乗りしたいという場合、新車系レンタカー会社の、クラス分けによる予約システムは不便だ。もちろん、旅行や仕事で使うだけなら車種指定できなくても支障はない。最近では車種だけでなく、クラスもおまかせにすることで、格安な料金となるプランも設定されるようになってきた。

というわけで、今回車を借りてみたのはスカイレンタカー。関東は7店舗、関西は9店舗、東海はゼロと都市圏に少なく、地方も名前の通り、主に空港の近くに店舗を構えているため、飛行機を利用しない人には馴染みが薄い会社かもしれない。しかし実は、北海道から沖縄まで、全国的に店舗を構える準大手のレンタカー会社なのだ。

借りたのは、まだまだコロナ禍の影響が色濃く、Go Toトラベルもスタートしていなかった7月上旬。ネットのレンタカー予約サイトで比較し、福岡市内の店舗で30時間予約した。「コンパクトクラス限定プラン」というプランで、価格は3800円とかなりリーズナブルだった。

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2018年にマイナーチェンジしたトヨタ・プリウス。リアのデザインも大幅に改良された。

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走行距離は3万1000km台とまずまず。ただ内外装は実にきれい。1万km程度と言われても信じるレベルだった。

出てきた車を見てびっくりした。ホンダ・フィットやマツダ・デミオ、トヨタならヴィッツあたりが出てくるのかと思っていたら、真っ白な車体の現行型トヨタ・プリウスが現れたからだ。走行距離は3万1000km台で、くたびれた印象はまったくない。

その場では「ほー」という感想しか浮かばなかったのだが、よくよく考えればこれはおかしい。予約したのは「コンパクトクラス限定プラン」だ。公式サイトを見ればわかるのだが、プリウスはコンパクトクラスより2ランク上の「ハイグレードクラス」なのだ。

もちろん料金が追加されることはないのだが、小さいサイズのクラスを選ぶ人には、それなりの理由がある場合もある。運転に不慣れだったり、細い道を行くためなるべく車幅の狭い車種が良かったり。せめて店員さんから「大きめのクラスの車になってしまいましたが、よろしいでしょうか?」と一言いただきたいものだ。

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「歌舞伎顔」と揶揄された前期型に比べれば、コンサバな印象となった現行プリウスのフロントフェイス。

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ラゲージルームはそれなりに広いのだが、開口部がやや狭く、段もあるので、使いやすいという印象はない。

2019年のマイナーチェンジ以降のデザインは、プレデターだの歌舞伎顔だのといわれ極めて不評だった前期型に比べれば、かなり落ち着いた。それでもまだ格好いいとは思わないが、乗っていて恥ずかしくはない。ずいぶんないい方かもしれないが、もともとデザインでプリウスを選ぶ人は、少数派なのではないかと思う。

具体的には涙目状のヘッドライトや、「く」の字と逆「く」の字の縦長テールランプなど、アバンギャルドなデザインが控えめになった。デザインそのものが悪いとはいい切れなかったが、プリウスという車に合っていないことは明白。特にレンタカーは、個性より普遍性のほうがはるかに重要だ。

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ハンドル回りはオーソドックスなデザイン。ただ、やはりセンターメーターは慣れないと見にくい。

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シートは大柄な印象。肉厚があり、ゆったり座れる一方で、ホールド性も高い。

乗ってみると、プリウスはやはり特殊な車だ。ハイブリッドカーが一般的になった今でも、他車とは一線を画している。もっとも特徴的なのが、ガソリン走行時と電池走行時の判別がつきにくいことだ。発電と駆動が同時にできない、マイルドハイブリッドなどのパラレル式と比べれば、フィーリングの違いは明白だ。

ハイブリッドカーの象徴であるプリウスは、初代からストロングタイプのスプリット方式を採用し続けているのはいうまでもない。それでも初代は、音や振動でエンジンが稼働している様子がかなりハッキリ感じ取れた。2代目と3代目でこれが徐々に薄まったが、4代目ではついに、筆者には察知できないようになった。

車にとって、エンジンの音と振動は最大のノイズだ。だからプリウスでの走行は、風切り音やタイヤと路面の摩擦(ロードノイズ)が感じ取りやすい。レクサス・LSやBMW・7シリーズ、メルセデス・ベンツ・Sクラスなどに乗ると、その静粛性に驚くが、プリウスはそれとはちょっと違った感覚を抱く。防音性や制震性が高いのではなく、そもそも発する音や振動が少ない印象を受けた。

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タイヤは東洋ゴムの「ナノエナジー」。だがロードノイズが聞き取りやすいのは、エコタイヤだけが原因ではない。

アクセルとハンドルのフィーリングはなんとも微妙だ。歴代プリウスのなかではもっともシャープで、楽しい車だと思う。だがあくまでも「電子制御がすごくこなれてきた」という感じだ。それでも走行性能、とりわけ旋回の感覚が楽しいのは、車高が抑えられ、重心が下がったことによるのではないかと思う。

スイッチ回りは、慣れている人には定番だが、慣れない人には謎だらけという、相変わらずのスタイル。プリウスによる重大事故が続き、議論の俎上に載ることが多いミッションレバーは、やはり慣れていないと戸惑う。「D」レンジが手前側、「R」レンジが奥側という配置は、頭では理解していても、慣れるまで時間がかかる。「P」のスイッチは今回も、最後まで慣れなかった。

レンタカーにとって、ミッション操作するレバーになかなか慣れないというのは、致命的なようにも感じる。ただAT車やCVT車において、走行中にミッションレバーを使用する機会はそれほどない。下り坂でエンジンブレーキをかけるときに「B」レンジを使うくらいだが、プリウスの「B」レンジは手前に引く、一般的な操作方法だ。

むしろ注意が必要なのは、発進時や駐車時だ。バックで駐車しようと思ったら前に出てしまった、前に発進しようと思ったら後ろをぶつけてしまったという事故が起こらないよう、くれぐれも注意したい。走行中と違い、発進時や駐車時は時間に余裕を持たせることができるため、確認をする習慣を身につけたい。この車はバックモニターがついており、後退時の判別がつきやすいのは幸いだった。

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独特のシフトレバーは、やはり「初見殺し」の印象を受ける。慣れればどうということもないのだが……。

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シックな印象のインパネ。カーナビもビルトインタイプですっきりしており、地図もそれなりに新しかった。

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充電可能なUSB端子と、オーディオを接続できるAUX入力と、スマートフォンへの対応もバッチリ。

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レンタカーでドライブレコーダーが付いているのは初めての経験だった。万が一の事故や当て逃げでも心強い。

今回は福岡県から佐賀県、長崎県を経て、再び福岡県へと戻ってくるルートを走行した。一般道のみで、アップダウンが多少あるという程度の環境だった。362kmを走って10.99L。一般道だけで32.94km/Lという燃費は、カタログ燃費の30.8km.L(WLTCモード)よりも良好だ。やはり給油量の少なさには驚かされる。

主に郊外の道を走り続けたため、車体の幅が支障となることもなく、全体的には快適なドライブを楽しむことができた。圧倒的な燃費性能をとるべきか、はたまた発進・駐車時の瞬間的な戸惑いを避けるべきか。安全性を考えれば、できれば多様な車種に乗った経験のあるドライバーにのみ選んでほしい車とはいえるだろう。

(文=渡瀬基樹)

●渡瀬基樹(わたせ・もとき)
1976年、静岡県生まれ。ゴルフ雑誌、自動車雑誌などを経て、現在はフリーの編集者・ライター。自動車、野球、マンガ評論、神社仏閣、温泉、高速道路のSA・PAなど雑多なジャンルを扱います。

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