
お笑いコンビ「FUJIWARA」の藤本敏史
1989年にお笑いコンビ「FUJIWARA」を結成し、すでに芸歴34年という大ベテランの藤本敏史(52)。今でもバラエティー番組の平場で「ガヤ芸人」として躍動し続け、“フジモン”の愛称もお茶の間に浸透した。「水曜日のダウンタウン」(TBS系)などでは、若手芸人に交じって体を張った長時間ロケでも抜群の存在感をみせる。一部のお笑いファンの間では「バラエティーになくてはならない存在」とまで言われるが、なぜ今、フジモンにオファーが殺到しているのだろうか。
【写真】おだかやかになった?元妻・木下優樹菜さんの最新ショットはこちら多くのお笑い番組を担当する放送作家はこう言う。
「芸歴34年の大ベテランとあって、安定感が違います。特に『アメトーーク!』や『ロンドンハーツ』ではロンブーの淳さん、有吉さん、ザキヤマさんとウマがあうのか、いつも笑いの化学反応が生まれています。MCが悪ノリモードに入った場合、若手はボロボロにされて終わることが多いのですが、MC陣の先輩にあたるフジモンさんは、しっかりイジられつつもちゃんと笑いにして返すところが本当にすごい。また、最近は『水曜日のダウンタウン』でも長時間ロケなどでしっかり結果を出し、中年芸人ならではの笑いと悲哀を生み出すことに成功しています」
さらに大御所にも容赦ないガヤを入れられることも制作サイドにとってはありがたいとか。
「堺正章さんに『テーブルクロス引き!』、ダウンタウン浜田さんに『出前館!』など、大御所にもガヤをかぶせることができるフジモンさんがいると、番組は確実に盛り上がります。相方の原西孝幸さんは『1兆個のギャグを持つギャガー』として有名ですが、フジモンさんのガヤのバリエーションも決して負けてはいないですし、大所帯の番組では笑いのフックとしてガヤは非常に効果的。いま、大人数のタレントや芸人が出演するバラエティー特番の会議に出ると、ほぼ必ずと言っていいほどフジモンさんの名前がホワイトボードに書いてあります。離婚してからは、よりオファーが増えている印象です」(前出の放送作家)
2019年に元タレントの木下優樹菜さんと離婚後、バラエティー界でめきめきと評価を上げている藤本。芸人としては、離婚はマイナスにならなかったようだ。スポーツ紙の芸能担当記者も口をそろえる。
「離婚後、芸人としての味がさらに濃厚になりました。バツイチ中年芸人が若手に交じってジャージー姿で汗をかいている姿は無条件に面白い。離婚していろんなことが吹っ切れたのか、バラエティーでの所作が格段に面白くなった。今では相方の原西さんよりもはるかに笑いを取っているように感じます」
バツイチの悲哀も、うまく芸に昇華させているようだ。記者はこう続ける。
「元妻の木下優樹菜さんが最近、SNSで『週1で必ず会っている』と明かしていましたが、現在、藤本さんは木下さんと娘2人と同じマンションの別のフロアで暮らし、よく行き来しているようです。食事なども一緒にしているとか。ただ、木下さんにはJリーガーの彼氏がいるという報道もあるように、毎日は一緒にはいられないそうです。そのため、お正月は『よく行くバーの店員と仲良くなって、その人の実家に泊まりに行った』と情報番組で語っていました。また、お正月は後輩芸人たちも劇場の出番などで忙しく、『離婚すると正月にすることがなにもない』ともぼやいてましたね。まぁでも、この悲哀こそが今のフジモンさんの面白さにつながっていると思うので、芸人としては痛しかゆしというところでしょうか」
■「プレバト!!」で中高年層からの支持も
ガヤや悲哀だけではない。「フジモンさんは別の才能が開花したことで一気にメジャーとなった」と言うのは前出の放送作家だ。大人気番組「プレバト!!」(TBS系)の「俳句コーナー」で常連の俳人としてほぼレギュラー出演中。先日、番組史上5人目の「永世名人」に昇格した。
「俳句に関しては本当に頑張って勉強されているようで、この番組では意外な才能を発揮されています。ほかの出演者にはしっかりガヤを飛ばしつつ、俳句もきっちり仕上げてきますからね。何年もかけて永世名人に昇格しましたが、番組サイドとしてこんなにありがたい出演者はいない。『プレバト!!』は安定して高視聴率を獲得している大人気コンテンツ。しかも中高年層からの支持率が絶大なので、そこでひときわ輝いている藤本さんはお茶の間に深く浸透し始めています。芸歴34年で、今までほぼ冠番組を持ったことがない藤本さんですが、このまま今のブレークが続けばそれも夢ではなくなるかもしれません」
お笑い評論家のラリー遠田氏は、藤本についてこう評する。
「藤本さんのガヤのすごいところは、その精度と持続力。長時間の収録であっても、ずっと何かを叫び続けているそうです。そのほとんどが番組で使われないとわかっていても、やり切ることで、番組全体が盛り上がっている空気をつくることができます。また、その言葉の一つ一つが番組内で取り上げられるわけではないのですが、よく聞くとその番組の出演者や対象物に関連することを言っていたりもして、面白くて精度も高い。藤本さんのガヤは“芸”と呼べるレベルにあると思います。ある程度のキャリアになると仕事を選ぶのも普通ですが、藤本さんは今でも若手に交じってひな壇に座り、声を張り上げています。その真面目な仕事ぶりも評価されているのでしょう」
第一線で活躍し続けられるのは、34年でつちかった確固たる「芸」があるからなのだ。
(藤原三星)
藤原三星