体罰を連想させる韓国ナイキのCMが話題。韓国スポーツ界に波及も

体罰を連想させる韓国ナイキのCMが話題。韓国スポーツ界に波及も

  • 日刊SPA!
  • 更新日:2021/06/10

韓国のNike KoreaがYouTubeに公開したCMが韓国国内で大きな話題になっている。

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韓国NIKEのスポーツ虐待をテーマにしたCMが物議を醸している

NIKEのCMと言えば、昨年末NIKE JAPANが同じくYouTubeに公開したCMが物議を醸したのは記憶に新しいところであるが、今回公開されたCMは韓国国内でそれ以上の話題となっている。

◆怒号が響く韓国の体育授業シーン

CMは、言葉が通じなくても十分に伝わる動画だ。

体育時間と思しき学校(スポーツ訓練の合宿所か?)の工程で、体操着の女子生徒たちが体幹訓練をやらされており、指導者はその学生らに向けて怒声を張り上げている。そこにアップになった女子学生の言葉-「私たちはいつまでこうしなければならないの?」

その後、丸刈りを強いられる球児。潜水訓練を強制されているかのような水泳選手。

立ち位置を厳しく支持される幼いテコンドー選手等、指導者の怒声や強制に晒される子どもたちが次々と映される。子どもたちの表情は暗く、そして痛々しい。

しかし、「もしすべてが変わるのなら?」というナレーションをきっかけに、生き生きとスポーツや練習を楽しむ子どもたちがカットインしてくる。

◆同じ「Play new」のテーマで日本は女子サッカー選手のドキュメンタリーを制作

「私たちの心のままに、私たちのやり方で、私たちが変えたなら?」。

そしてCMは冒頭の学校のシーンに戻り、アップになった女子学生がおもむろに立ち上がり、指導者の指摘を聞き流し、仲間たちと叫び走り出す。

「正直、ちょっと楽しんだとしても大事(おおごと)になることはないでしょ?」と。

今回のCMのキャッチフレーズは「Play new」。

同じキャッチフレーズでNIKE JAPANもCMを公開しているが、こちらは韓国のCMとは全く違うテイストで、渡米した女子サッカー選手のドキュメンタリー風のCMとなっている。

◆暴力が蔓延する韓国スポーツ界の告発も相次ぐ

近年、韓国スポーツ界におけるパワハラやセクハラ事件は枚挙に暇がない。

日本でもニュースとして扱われたのは、平昌冬季五輪開催直前に、女子ショートトラックのエース・沈錫希(シム・ソッキ)選手が、幼い頃から指導を受けてきたチョ・ジェボム元コーチから常習的に性的暴行を受けてきた事を暴露したことや、トライアスロン元韓国代表の女子選手が、監督らによる暴力を苦にして自殺した事件などが有名だが、監督・コーチらによる暴力・暴言のみならず、選手間でのイジメや嫌がらせなども多く告発されている。

その背景には、韓国社会に深く根差した男性優位・年長者優位の儒教的倫理観や、多くの男性が徴兵制により軍生活を経験しており、そこでの上意下達の軍隊的思考が拭えない問題があると言われている。

今回のNike koreaのCMはそのような風潮が蔓延している韓国スポーツ界を痛烈に批判したものとなっている。このCMが公開されて1週間、その視聴回数は550万回に達しており、コメント欄には様々な経験や境遇を背負った人たちからのコメントで溢れている。

「学校で先生に殴られたら『お前のためだ』と言われ、その事を親に話せば『お前のためだ』と言われ、私たちの世代は無残に踏みにじられてきた。次の世代がそうでない事を願いたい」

「韓国スポーツ界を赤裸々に批判した印象深いこのCMに拍手と賛辞を送りたい」

「有望な選手たちがそれぞれの分野で一番になるために耐えなくてはいけなかったスポーツ界の暴力や暴言たち。それを耐えられなければ一番になれないと信じていた思考。幼い選手たちにはこのような事が無いことを願ってやまない」

「これはNIKE社のCMのレジエンドでは無い。韓国CMのレジエンドだ」

◆ナイキコリアはあえて沈選手をシンボルキャラクターに起用

Nike koreaは、今回の「Play new」キャンペーンのシンボルとして、前述の沈選手を登用した。

沈選手はインタビューで「新しく生まれ変わるためには、それ以前の世界を壊さなくてはいけない。過去から脱却し、新しい道を進む過程は過酷かも知れないけど、誰かが声を上げなくては、過去のグレーは繰り返されるしかない」と語っている。

スポーツ指導、特に青少年たちへの指導において、監督や指導者のスパルタ式指導や度が過ぎたパワハラが、日本でも度々ニュースとなり批判に晒される。

世界的なトップアスリートになるには、想像を絶する苦しみや辛さも伴うであろうことは想像に難くない。

しかしその選手を導く監督や指導者は、その苦しみや辛さを与える張本人ではなく、選手とともにそれを乗り越える同伴者であるべきではないのか。

昨今の日本人アスリートの世界的な活躍を目にするたび、筆者が経験した、ただただつらかった学生時代の部活を苦く思い出さずにはいられない。

<文・吉田サラバ>

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