マンチェスター・シティはPSGになぜ逆転勝利できたのか? メッシら強力FW陣を封じていたのは...【欧州CL分析コラム】

マンチェスター・シティはPSGになぜ逆転勝利できたのか? メッシら強力FW陣を封じていたのは...【欧州CL分析コラム】

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  • 更新日:2021/11/25
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【写真:Getty Images】

前回対戦同様にシティのボールを支配される展開に

UEFAチャンピオンズリーグ(CL)グループステージ第5節、マンチェスター・シティ対パリ・サンジェルマン(PSG)が現地時間24日に行われ、2-1でマンチェスター・シティが勝利した。9月に行われた前回対戦では2-0の勝利を飾ったPSGだが、今節はアウェイの地で敗戦。勝利したシティは首位でのグループステージ突破を決め、敗れたPSGも他会場の結果により2位での突破を決めた。(文:安洋一郎)

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9月に行われた前回対戦では、シティに攻め込まれるも無失点に抑え、少ないチャンスから2ゴールを奪ったPSG。今節も同様に基本的にはシティがボールを支配し、PSGが押し込まれる展開が続いた。

その中でPSGのマウリシオ・ポチェッティーノ監督は、守備に明確な指示を与えて試合に臨んだ。リオネル・メッシ、ネイマール、キリアン・ムバッペの3トップに対して、最終ラインからコンパクトな陣形を保つために、普段よりは低い位置でシティのパスコースを消すように彼らの配置を工夫した。

シティのFW陣とは異なり、ハイプレスを仕掛けることがないPSGの強力3トップだが、最低限の守備のタスクを与えることでこれが機能し、何度かシティの横パスが引っ掛かり、少ないタッチ数でフィニッシュまで持ち込む展開を作ることができていた。

だが、前半の中盤以降になるとシティのハイプレスがハマり始め、PSGは最終ラインからボールを繋ぐことができず、自陣で防戦一方の展開となる。ロドリとリヤド・マフレズには決定的な枠内シュートを打たれるが、プレスネル・キンペンベとアシュラフ・ハキミがそれぞれライン上でクリア。土壇場で体を張って、PSGは何とかスコアレスで前半を折り返すことに成功した。

少ないチャンスをものにしたが…</h2> 前半はいつシティが先制してもおかしくない展開だったが50分、PSGの強力3トップがそのクオリティを見せつけた。

ネイマール、メッシ、アンデル・エレーラの細かい連係で左サイドからチャンスを作り、ハーフスペースに侵入したメッシが中央に折り返すと、ボールは相手DFに当たり逆サイドにいるフリーのムバッペの下へ。これを冷静に流し込みPSGが先制に成功した。

試合を支配しながらも、PSGの前線の圧倒的なクオリティを前に先制点を許したシティ。この試合ではベルナルド・シウバの0トップのシステムを採用していたが、ジョゼップ・グアルディオラ監督は54分にガブリエウ・ジェズス投入を決断する。

この采配が功を奏して63分、76分と2ゴールにジェズスが絡み、シティが逆転に成功する。いずれのゴールも背後に抜け出した選手へ素晴らしいボールが渡り、それを中央にダイレクトで折り返して、後はフリーの選手が押し込むだけというシティらしい「完璧に崩した」ゴールだった。

PSGにとって痛恨だったのが、前半からハードワークを続けていたアンデル・エレーラとイドリッサ・ゲイェの両インサイドハーフの後半途中の交代だ。エレーラは1失点目を喫する直前の61分に負傷により交代、ゲイェは足が攣り67分に交代している。

本来、このポジションにはマルコ・ヴェラッティやジョルジニオ・ワイナルドゥムといった彼ら同様に中盤でハードワークができる選手が揃っているのだが、今節は不運にも2選手とも負傷によりベンチ外に。

代わりに投入されたのが運動量の多くないダニーロ・ペレイラと、守備をするキャラクターではないアンヘル・ディ・マリアの2選手だった。PSGの強力3トップがハイプレスを行わない代わりに、PSGでは中盤のハードワークが必須なのだが、途中投入された2選手はシティのパス回しに対して厳しいチェックを行うことができず、立て続けに2失点を喫してしまった。

対するシティは精度の高いハイプレスを維持するためにガブリエウ・ジェズス以外の交代を行わなかった。逆にPSGは代わりとなる選手がいないにも関わらず、交代を余儀なくされてしまったことが試合の命運を分けたと言っても良いだろう。

試合はこのまま終了し、ホームのマンチェスター・シティが2-1で勝利。グループステージ首位通過を決めた。敗れたPSGも同時キックオフだったクラブ・ブルージュが敗戦したため、グループ2位での決勝トーナメント進出を決めている。

PSGのポチェッティーノ監督は、試合に敗戦したこと自体に対しては落胆のコメントを残したが、「最も大事なことはグループリーグを突破することだ」と、グループステージ全体での結果には満足していた。

PSGのカウンターを止めたのは…</h2> 後半途中に中盤での運動量が落ちてしまったとはいえ、PSGにも勝機があった。試合の流れ関係なしに個人のクオリティで局面を打開できる選手が前線に揃っているからだ。

実際、ショートカウンターから何度かシティゴールに迫る展開があった。だが、その前にシティの右SBカイル・ウォーカーが立ちはだかった。

抜群のスピードとフィジカルの持ち主であるウォーカーは、フルスプリントで帰陣し、相手チームのチャンスを個人の能力で止めることができる選手だ。彼のようなプレースタイルの選手がいることで、シティは安心してハイラインに設定することができる。

グアルディオラ監督はPSGのようなカウンターが脅威のチーム相手だと、ウォーカーに対しては攻撃的なタスクをほとんど与えず、CBと同じラインを保ってカバーリングに対する強い意識を持たせている。

この試合でもウォーカーはその与えられたタスクを敢行。前半にジョン・ストーンズがボールを奪われてショートカウンターを食らった際には、シュートモーションに入ったムバッペに対して素早い寄せを行ったことでシュートは枠を大きく外れた。また、ムバッペとは左サイドで対峙することが多かったが、カウンターやドリブルを試みた場面で突破をさせなかった。

PSGが試合を通じてわずか7本のシュート、2本の枠内シュートに終わったのはウォーカーのカバーリング意識の高さも少なからず影響していた。

共にクラブ史上初のCL優勝を目指す両チーム。グループステージでの直接対決の結果は、熱戦の末に1勝1敗のタイに終わった。お互い決勝に進出する力を持っており、今季中に再び相まみえることはあるのだろうか。

(文:安洋一郎)

【了】

安洋一郎

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