(練習試合、楽天3-6日本ハム、20日、沖縄・金武)日本ハム・中田翔内野手(31)が、楽天・田中将から11年ぶりの本塁打を放った=写真。
「しっかり(バットの)芯に乗ったので、飛んでくれると思った。(直球待ちで)完全にタイミングは外されたけど、運が良かった」
一回1死一、二塁。甘く入ったスライダーを左翼席に運んだ。2人の公式戦初対戦は2010年8月8日(札幌ドーム)。その第3打席で本塁打を放った中田が、田中将の復帰戦でまたもアーチを見舞った。
一方で「(マウンドとの)距離がすごく近く感じて、オーラというか圧迫感を感じた。そういう投手は今の球界ではいないですね」と感嘆した。対田中将は通算54打数10安打、1本塁打、15三振。「完璧にやられているイメージしかないので、朝起きて、ここに来るまで『嫌だなあ』と思っていた」と笑いながらも、最後には「いくら嫌でも戦わなければならないのが僕たちの仕事」と言い切った。“マー君vs翔”が「令和の名勝負」としてプロ野球ファンを楽しませる。(東山貴実)
★主な田中将大VS中田翔
▼夏の甲子園(2005年8月19日=準決勝) 駒大苫小牧高2年の田中は先発し、「5番・一塁」で出場した大阪桐蔭高1年の中田に3打数1安打。三ゴロ、空振り三振と封じたが第3打席で中前打を許した。試合は駒大苫小牧高が延長十回、6-5で勝利。
▼練習試合(08年2月24日、名護) 前年新人王に輝いた楽天・田中が先発し「6番・一塁」で出場した日本ハムの新人・中田に1打数無安打。空振り三振、四球だった。試合は7-6で楽天が逆転勝利。
▼公式戦(10年8月8日、札幌ドーム) 田中は完投勝利を収めたが「7番・一塁」で出場した中田と公式戦で初対戦し3打数1安打。空振り三振、一飛で迎えた第3打席に左翼席へのソロを被弾した。試合は7-1で楽天が大勝。

2010年8月8日、8回 楽天・田中将大(左)から本塁打を放った日本ハム・中田翔