
山陰中央テレビ
4月から5月にかけて、全国で震度3以上の地震が頻繁に発生しています。今月3日には、鳥取市などで最大震度3を観測する地震がありました。余震の可能性や今後の備えについて専門家に聞きました。
4月から5月にかけて全国で地震が頻発。震度3以上を観測した地震は26回にのぼります。5月3日には、鳥取市と三朝町の境界付近を震源とする地震が発生、マグニチュードは4.3、鳥取市、倉吉市、湯梨浜町で震度3を観測しました。県内を震源とする地震で震度3以上を観測したのは、鳥取県中部地震の翌年、2017年7月以来です。
今回の地震を受けて、鳥取県の平井知事は10日の定例記者会見で…。
「久方振りのちょっと縦揺れ入ったかなという、突き上げるような揺れがあり、早速、警戒態勢を取り、専門家のお考え、その日のうちにお問い合わせをさせていただきました。私もちょっと場所がちょっと心配でありまして」
震源が、県の東部寄りだったことを踏まえ、専門家のアドバイスをもとに今後の動向を注視する考えを示しました。
松尾 直明記者:
「今回の地震についてどのように受け止めるべきか、大学の専門家に聞きました」
向かったのは鳥取大学工学部。地震学が専門で鳥取県の防災顧問も務める香川敬生教授に今回の地震について聞きました。
鳥取大学・香川教授:
「昭和18年の鳥取地震を起こした鹿野ー吉岡断層。その延長線上で今回発生していて。余震も起こっている」
鳥取地震は戦時中の1943年9月10日に発生、マグニチュードは7.2、鳥取市で震度6を観測しました。死者1083人、家屋の全壊約7500棟など大きな被害が出ました。今回の震源は、鳥取地震を引き起こした断層の西側の延長線上にあたると分析。そのうえで、今後の動向については…。
鳥取大学・香川教授:
「鳥取地震の断層を調べたところ、4600年から9200年くらいの発生間隔。
マグニチュード7級がすぐに想定される場所ではない」
80年前の鳥取地震でエネルギーが放出され、この地域では同じような巨大地震が直ちに警戒される状況ではないとの見解を示す一方、いつ起きるかわからない地震への備えを怠らないよう注意を促します。
鳥取大学・香川教授:
「家具の固定、耐震補強すること。スマートフォンのアプリで自分の居場所でどの程度の震度が教えてくれる無料アプリもあるので、活用してほしい」
地震を過度に恐れることなく、いざという時の備えが十分かどうか、この機会に確認しておくことが災害での被害を抑える「減災」につながります。