
浦和のチーム旗
日本サッカー協会(JFA)は19日、天皇杯4回戦(2日、名古屋グランパス戦、CSアセット港サッカー場)で浦和レッズサポーターが暴力や破壊行為等に及んでいた件で、浦和の24年度第104回天皇杯参加資格剥奪と始末書の提出という処分を公表した。
規律委員会は、浦和への嫌疑として「対象者は、自チームのサポーターに対して試合後においても秩序ある適切な態度を保持するよう努める義務を怠り、2023年8月2日(水)にCSアセット港サッカー場にて行われた本大会4回戦対名古屋グランパス戦の試合(以下、「本試合」という。)において、試合終了から約20分後より、多数(合計70名以上)の対象者のサポーター(以下、「本件サポーターら」という。)が暴徒化して以下に掲げる当協会試合運営管理規定に違反する行為(以下「本件管理規定違反行為」という。)に及んだことを防止できなかったほか、本件サポーターらを即刻退去させるなど、観客や選手その他の試合に関わる人の安全を確保するために適切な措置を講じなかった」と説明した。
処分を決定する上で、浦和サポーターらによる8つの規定違反行為を列挙した。
1.フィールドへの飛び降り
2.相手チームのサポーター及び警備運営スタッフに対する暴力
3.相手チームのサポーターに対する威嚇
4.相手チームのサポーターエリアへの集団での押し寄せ
5.相手チームのサポーターの横断幕やスタジアム内の設置物の損壊
6.立ち入り禁止区域(券種外の入場可能エリア、関係者エリア、相手チームのサポーターエリア等)への不正侵入
7.スタジアム内を走り回る行為
8.掲出不可エリアへの横断幕の設置
浦和による「今回生じた当該サポーターらの行為については、従前の経過に照らして発生の蓋然性が高いとは想定しておらず、それに対する具体的な打ち合わせはできていなかった」という弁明についても「参加チームは、自チームのサポーターに対して、適切な施設の利用を含む観戦マナーを守らせる義務を負うものであり、また、本件は、対象者によるサポーターへの事前の適切な指導、周知が徹底されていれば、このような危険な行為を防止することも十分に期待することができたといわざるを得ず、対象者の義務違反の度合いを軽減する事情とはなり得ない」と退けた。
そして違反行為におけるクラブの責任として「対象者がサポーターとクラブとの間のコミュニケーションを通じて適切な管理監督と指導を行っていれば、防止することができたものであるといわざるを得なかったものであり、対象者には、自チームのサポーターに適切な観戦マナーを守らせ、施設の適切な使用等を周知し、遵守させる義務があるとした天皇杯試合運営要項第30条第1項に定める指導責任(サポーターの行為についての管理監督責任及びサポーターへの指導責任)の懈怠があったものと認められる」とまとめた。
クラブへの懲罰は「懲罰規程」に基づく規律委員会の所管。今月の規律委員会で審議決定され、この日付の発表となった。