地域の足・路線バス 利用客の減少に運転手不足で廃止路線も 専門家「黒字路線への支援必要に」

地域の足・路線バス 利用客の減少に運転手不足で廃止路線も 専門家「黒字路線への支援必要に」

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  • 更新日:2023/11/21
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福島テレビ

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新常磐交通が、福島県いわき市で運行する15の路線、距離にして49.58キロを2024年4月に廃止する計画を示した。運転手の不足に加えて、路線バスで発生する年間約2億5000万円もの赤字も重くのしかかる。他の地域の路線バスも厳しい状況が続いている。

<利用客の減少・運転手不足が背景に>

会津地方で営業する会津バスでは、55路線のうち赤字なのが4路線。中通りで287路線のバスを運行する福島交通にも、赤字路線は存在している。

今回の新常磐交通の路線バス廃止の背景には、新型コロナでのバス利用客の減少や人口減少に伴う利用者の減少。さらには、ドライバー不足などが挙げられて、これは福島交通や会津バスにも共通するという。

<いわき市は代替案を検討>

いわき市は、タクシー会社との連携や、NPO法人などと連携したボランティア輸送などの代替手段を検討しているという。

<行政も補助金で支援>

赤字路線に対する支援の一つに、行政の支援がある。2022年度、福島県は赤字のバス路線に2億5000万以上の補助金を出している。

<バス会社も努力続ける>

そしてバス会社も、新常磐交通が計画を示したような路線の廃止や減便などで赤字が拡大するのを防ごうとしている。

会津バスは、効率的にバスを運行するために「AIオンデマンドバス」という取り組みを導入している。利用希望者が、電話や専用アプリで乗車のリクエストを出すと、AIが効率のいい運行ルートやスケジュールを作るというもの。

<黒字路線にも支えが必要>

交通政策などを研究する福島大学の吉田樹准教授は、赤字路線を無くしてもすぐに経営が黒字化される訳ではないことから、黒字路線に対しても「行政の支え」が必要だと話す。

高齢化も進み、バスなどの移動手段が必要になる人が増える未来は目に見えている。一つの地域づくりとして、待ったなしの課題といえそうだ。

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