国内大型グロース株のパフォーマンスは米国株式に匹敵、2020年のパフォーマンスに見る有望投資先

国内大型グロース株のパフォーマンスは米国株式に匹敵、2020年のパフォーマンスに見る有望投資先

  • モーニングスター
  • 更新日:2021/01/13
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2020年を振り返ると、米NASDAQ総合指数の大幅上昇に象徴される米国テクノロジー株式の株価上昇に圧倒された1年だったが、改めて1年間のトータルリターンをみると、国内株式のパフォーマンスも優れたものであることが分かる。MSCIオール・カントリー・ワールド・インデックス(ACWI)など代表的な指数について、配当込み、かつ、円ベースで過去1年間と過去5年間(年率)のトータルリターンを比較すると、「日経平均トータルリターン」は、米国を代表する「S&P500」よりも高いリターンをあげている。米国の株価については「史上最高値更新」という派手な見出しで株価推移がニュースになるため、「株式投資をするなら米国株式で」というイメージを強く持っている人も少なくないと思うが、実はしっかりと高いパフォーマンスを残している日本株式も投資対象として検討したい。

2020年12月末基準で、主要指数の過去1年間のトータルリターンが高かったのは「NASDAQ総合指数(円ベース)」の34.78%で頭抜けて高かった。これに次ぐ水準だったのが「日経平均トータルリターン・インデックス」で18.26%。米国の代表的な株価指数である「S&P500(配当込、円ベース)」の10.67%、「ダウ・ジョーンズ工業株価平均(NYダウ)(配当込、円ベース)」の2.35%よりも、国内株式のパフォーマンスの方が良かった。また、近年は資産を守るための分散投資先として注目が高まっている「金(NY金先物・中心限月、円ベース)」が17.17%と目立って良い結果だった。

国内株式については、グロース株(成長株)のインデックスである「RUSSELL/NOMURA Total Market Growthインデックス(配当込)」が21.70%と「日経平均トータルリターン・インデックス」を上回った。バリュー株(割安株)の指標である「RUSSELL/NOMURA Total Market Valueインデックス(配当込)」はマイナス5.47%、また、小型株指数である「RUSSELL/NOMURA Small CAPインデックス(配当込)」はマイナス0.62%という結果だったため、国内株式の中でも「大型グロース株」が活躍した1年だったということができる。

モーニングスターカテゴリーで「国内大型グロース」に分類されるファンド(20年12月末現在で5つ星★★★★★)には、「スパークス・新・国際優良日本株ファンド『愛称:厳選投資』」(1年間のトータルリターンは21.44%)、「GS 日本フォーカス・グロース年2回」(同26.91%)、「情報エレクトロニクスファンド」(同37.39%)などがある。いずれもパフォーマンスは優れているが、純資産残高はスパークスの「厳選投資」こそ約1038億円と1000億円を超えているが、「GS 日本フォーカス・グロース年2回」は約97億円、「情報エレクトロニクスファンド」は約141億円と規模は小さなファンドだ。米国のテクノロジー株式に投資するファンドが、数千億円の残高に成長していることと比較すると、せっかくのパフォーマンスをしっかり評価されていないように感じられる。

国内株式については、過去1年だけではなく、過去5年という中期で見てもパフォーマンスが優れている。「日経平均トータルリターン・インデックス」の5年(年率)リターンは9.73%だ。「ナスダック総合指数(円ベース)は16.64%と非常に高い成績になっているが、「S&P500(配当込、円ベース)」は11.20%、「ダウ・ジョーンズ工業株価平均(NYダウ)(配当込、円ベース)」は10.63%であり、国内株式は米国株式に匹敵する運用成績だった。

また、中期的なリターンでは、先ほどの「グロース株指数」は9.49%、「バリュー株指数」は1.86%、「小型株指数」は4.94%という数値になる。グロース株の優位性は動かないが、バリュー株や小型株も5年でみるとプラスの運用成績になっていることは、国内株式に投資する安心材料となるだろう。

一方、パフォーマンスが悪かったのは、「WTI原油先物(中心限月、円ベース)」のマイナス26.53%と、1年間でマイナス18.3%台だった国内外のREIT(不動産投資信託)だ。原油については、世界的に「脱炭素」に向かったエネルギー革命が進行しており、今後の需要減退が避けられないという見通しが強まっているのだろう。これに比べると、国内外のREITは、2020年こそマイナスリターンだったが、過去5年(年率)では、国内の「東証REIT指数(配当込)」が4.35%、「S&PグローバルREIT(配当込、円ベース)」は1.22%になっている。こちらでも国内REITのパフォーマンスが優位だ。短期では価格がブレるものの、中長期的には内外の債券を上回るトータルリターンを残していることには留意したい。(図版は、資産別パフォーマンス比較・2020年12月末)

徳永 浩

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