停電予測データを受けエネファームが事前準備

停電予測データを受けエネファームが事前準備

  • JBpress
  • 更新日:2021/02/22
No image

パナソニック、東京ガス、ウェザーニューズが行ったエネファーム新製品の記者発表(パナソニック提供)

エネファーム(家庭用燃料電池)と気象データを組み合わせ、停電に備えたり、経済的な運転計画を自動立案したりできる製品が登場した。パナソニックが2021年2月17日に発表したエネファームの新製品である。

エネファームは家庭用の燃料電池である。都市ガスやLPガスから水素を取り出し、空気中の酸素と化学反応させて発電する。さらに、その際に発生した熱を給湯や暖房に有効利用する。都市ガスなどの一次エネルギーを無駄なく使う環境性能を売りに、新築や既存の戸建て住宅を中心に導入が広がっている。

エネファームの新製品は、第4世代(4G)携帯電話網を用いるLPWA「LTE-M」の通信機能を備えている。気象情報大手ウェザーニューズのAIが気象ビッグデータを解析して予測した停電リスクなどの情報をエネファームで受信するためのものだ。これにより二つの新機能を実現した。

[JBpressの今日の記事(トップページ)へ]

停電で運転停止する前に発電を開始

ひとつは、停電が発生する前に自動で発電を始める「停電そなえ発電」である。

ウェザーニューズのAIは、全国を5キロメートル四方のメッシュで区切り、停電の発生を1時間ごとに72時間先まで予測している。たとえば、台風の接近にともなう天候悪化で停電のリスクが高まったとAIが判断すると、「停電そなえ発電」を指示する信号がパナソニックのクラウドサーバーを経由して、対象地域のエネファームに対して送られる。

No image

ウェザーニューズによる停電リスク予測のイメージ(ウェザーニューズ提供)

信号を受信したエネファームは、停電に備えて自動で起動し(停止中の場合)、発電を開始する。このため停電発生時にも途切れることなく電気を利用できる。停電すると通常はエネファーム自体の運転が停止してしまう。「停電してからだと、ポータブル電源など外部電源を利用してエネファームを起動する必要がある」(パナソニック アプライアンス社スマートエネルギーシステム事業部燃料電池企画部の浦田隆行部長)ため、起動に手間がかかったり、起動できなくなってしまったりするのだ。

No image

パナソニック アプライアンス社スマートエネルギーシステム事業部燃料電池企画部の浦田隆行部長

また、「多くの場合、1週間ほどで停電が解消する」(浦田部長)ことから、「停電そなえ発電」により運転を開始したエネファームは、最長8日間連続して発電し、夜間を含めて電力を供給し続ける。

天気予報を基に日々の運転計画を自ら立案

もうひとつの新機能は、太陽光発電システムとエネファームを併設している家庭を対象にした「おてんき連動」である。天気予報に基づき、エネファームが電力消費の経済性を考慮して日々の運転計画を自動で立案する。

この機能は、全国を1キロメートル四方のメッシュに区切ったウェザーニューズの「1kmメッシュ天気予報」を用いる。前日午後6時に出された1kmメッシュ天気予報を、午前4時にエネファームで受信して当日の運転計画を立案する。

当日の天気予報が雨や曇りなど太陽光発電の出力が期待できないときは、エネファームを朝から稼働させる。反対に、太陽光発電の出力が期待できる晴天の場合、日中は稼働せず太陽光発電の電力を自家消費する。きめ細かい1kmメッシュ天気予報を活用することで、「家庭ごとに(適した計画で)エネファームを動かせるようになる」(浦田部長)。

このほか、LPWAでクラウドサーバーと接続することでメンテナンス性を高めている。稼働状況をリアルタイムで把握するので、発電時間に応じたタイミングで定期点検が行えるほか、障害時の遠隔メンテナンスもできる。

栗原 雅

この記事をお届けした
グノシーの最新ニュース情報を、

でも最新ニュース情報をお届けしています。

外部リンク

  • このエントリーをはてなブックマークに追加