映画『ルーム』世界は、ひらかれていく

映画『ルーム』世界は、ひらかれていく

  • めるも
  • 更新日:2022/05/14
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こんなにも、途中で観るのを止めたくなる映画はないかもしれません。
露悪的な表現があるわけでもないのに、目をつむりたくなる。
何度も観ていて展開がわかっているせいか、はじまってすぐに心がえぐられていく。観るのを止めればいい話なんですが、なぜか観てしまうんですよね。
そんな映画ってありませんか。

ジェイコブ・トレンブレイくんの抱きしめたくなるような声からはじまる、映画『ルーム』のご紹介です。

この“部屋”がすべてだった

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「おはよう植木」「おはようじゅうたん」と次々に声をかけていくジャック。
隣には大好きなママがいます。
ジャックがいるその部屋には、窓がなく小さな天窓が一つあるだけ。

時々夜中になると、オールド・ニックと呼ぶ男が部屋を訪ねてきて、食料などを置いていきます。

ママの名前はジョイ。この部屋に閉じ込められて7年の月日が経ち、ジョイはすべてを賭けた脱出を決意します。この部屋が全世界だと信じている息子に、本当の世界を見せるため――。

本作は、「フリッツル事件」を基に書かれた、エマ・ドナヒューのベストセラー小説『部屋』を原作とした作品なんですが、このフリッツル事件っていうのが、驚愕の事件でして。かなりエグイです。
現実は、もっと目も当てられないくらいの状況だったのかもしれません。

心が一つじゃ受け止めきれない

この映画の秀逸なところは、主演ふたりの神がかった演技もさることながら、“部屋”を出た後に待ち受けているジャックとジョイの現実の描き方にあると思います。

暴力的に閉じ込められた小さな部屋を脱出すれば、すべて解決するほど現実は甘くなくて。閉じ込められる前と同じ生活に戻れるわけではないことを、容赦なく突きつけられていくんです。失った月日は戻ってこないし、世界は刻々と変わっていく。
そう、変わっていくんですよね。変わることは決して悪いことばかりではなくて。その先には新しい世界が待っていて、どんな人生をも抱きしめてくれるような作品でした。

【公開】 2016年(日本)

【キャスト・スタッフ】
監督:レニー・アブラハムソン
原作・脚本:エマ・ドナヒュー
出演:ブリー・ラーソン
ジェイコブ・トレンブレイ 他

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