馬が想像以上に賢いことが「ミラーテスト」から明らかに

馬が想像以上に賢いことが「ミラーテスト」から明らかに

  • GIGAZINE
  • 更新日:2021/04/08
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動物の「鏡に映った像を自分自身と認識する能力」の有無を調べる「ミラーテスト」はさまざまな動物に対して行われており、魚が鏡で自分を認識することや、イルカが人間の赤ちゃんよりも早い段階でミラーテストに合格することが明らかになっています。ピサ大学の研究チームはミラーテストを馬に対して行い、新たに馬に自己認識能力があることを明らかにしました。

If horses had toes: demonstrating mirror self recognition at group level in Equus caballus | SpringerLink

https://link.springer.com/article/10.1007/s10071-021-01502-7

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Horses can recognise themselves in a mirror -- new study

https://theconversation.com/horses-can-recognise-themselves-in-a-mirror-new-study-158447

ミラーテストは動物の体のうち、額や耳などの「自分では見えない部分」にマークを付けて、鏡に映るマークに注意を払うかどうかを観察することで、動物の「鏡に映った像を自分自身と認識する能力」を調べるテストです。このテストは動物の知能の高さを測る1つの尺度として用いられており、大型の霊長類やイルカ、魚といった動物がミラーテストをパスすることが知られています。

動物が「鏡の中の自分」を認識するかどうかを調べる「ミラーテスト」の心理学的な重要性とは? - GIGAZINE

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今回新たに行われた研究では、馬がミラーテストに合格するか調査するために、直径20mの円形の囲いに1日30分ずつ4日間にわたって馬を入れ、横幅1.8mの鏡に対する馬の反応が観察されました。研究チームは、実験1日目は鏡の反射面を円形の囲いの外側に向けて、馬を円形の囲いに慣れさせました。

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実験2日目は、鏡を円形の囲いの内側に向けて、鏡にカバーを掛けた場合(CM)とカバーを外した場合(OM)の「馬が鏡に注意を向ける時間(Slective attention)」と「馬が鏡をじっくり観察する時間(Exploration)」を計測しました。その結果、鏡のカバーを外した場合の方が、馬が鏡に注意を向ける時間や観察する時間が長くなることが明らかになりました。

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実験3日目には、馬が自分で見ることができない頬に無色透明のジェルで十字のマークを付けて、馬が鏡の前で「顔を引っかく時間」と「体を引っかく時間」を計測。さらに、実験4日目には、馬にとって目立つ色である黄色と青に着色したゲルで頬に十字マークを付け、同様に鏡の前で「顔を引っかく時間」と「体を引っかく時間」を計測しました。

計測結果はこんな感じ。顔を引っかく時間(Face-SCR)は無色透明のマークを付けた場合(Sham)では平均1.29秒であったのに対して、色の付いたマークを付けた場合(Mark)は6.21秒と、有意に長い時間観察されました。また、体を引っかく時間(Body-SCR)は、ShamとMark有意な差は観察されませんでした。このことから、馬が「鏡に映る像が自分自身であることを認識し、目に見える異物を引っかいた」と研究チームは推測し、「馬には自己認識能力がある」と結論付けています。

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一方で、ミラーテストが視覚に依存したテストであることや、「自己認識能力」という言葉の意味が曖昧であることから、ミラーテストを自己認識能力の有無を測る基準に用いることに疑問を唱える研究者も存在しています。

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ケンブリッジ大学で哲学を研究するアリ・ボイル氏は、「今回発表された研究は、馬が『自分の心を認識する』という意味での自己認識能力を持っていることは示していません。しかし、『自分の体を客観的に認識する』という意味での自己認識能力があることは示されました。馬は私たちが考えているよりも賢いかもしれません」と、今回の研究の意義を解説しています。

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