
リチャードは期待されながら一軍に定着できない日々が続いている(C)CoCoKARAnext
ソフトバンクは9月18日の日本ハム戦(エスコン)に3-1と勝利。連敗は3で止めたものの、オリックスが楽天に勝利したため、今シーズンのV逸が決定した。
試合は3回に柳田悠岐の適時打で先制。1―1の8回に柳町達が決勝の中越え適時三塁打を放ち、再び貯金1としたが、首位・オリックスも勝利したことで今季残り14試合を全勝しても、オリックスの勝率を上回ることができないことで3年連続となるV逸が決まった。
【動画】柳田が3回に先制の適時打を放ったシーン
今オフは大型補強を敢行。FAでは日本ハムの近藤健介を始め、DeNAの嶺井博希、投手陣もメジャーから日本球界に復帰した有原航平、元阪神のジョー・ガンケル、元ロッテのロベルト・オスナなど他球団垂涎のラインアップを整えた。
しかし、現在は3位。首位のオリックスに14・5ゲーム差と大きく離され、2位のロッテを2ゲーム差で追う立場。4位の楽天にも2・5ゲーム差で迫られるなど、V逸どころかAクラス入りも危うい状況に陥っている。
オフに異例の大型補強を行ったチームの「誤算」はどこにあったのか。球界内からも様々な考察の声が上がっている。
ヤクルトOBで2000本安打も達成した宮本慎也氏は野球系YouTubeチャンネル「野球いっかん」に出演。18日に更新された動画内で苦戦するソフトバンクの現状について語っている。
宮本氏はソフトバンクの先発投手陣に関して「いいときより顔ぶれはちょっと落ちてきているよね」とコメント。長年チームを支えた絶対エースの千賀滉大が抜けた中、チーム勝ち頭で8勝をマークした有原なども健闘したものの、厳しい戦いを強いられたとした。
さらに野手に関しては「昔を知るだけに、スケール感は段々小さくなっている」「いい選手はいるんだけど、20発、30発打つバッターは少なくなってきている」と中軸を打つバッターが少ないことを指摘。
栗原陵矢、今宮健太、三森大貴、牧原大成などチームを支える選手はいながらも「3番、4番、5番打つバッターじゃない」として、チームが浮上するためには大砲候補の選手の本格覚醒が必要という見解を示した。
具体的にはプロ6年目の砂川リチャード、プロ3年目の井上朋也の名前を挙げつつ、首脳陣も期待をかけながら、なかなか結果を示せないリチャードの課題に関しても指摘。
今季も映像を確認する場面があったとしながら「毎回似たような感じ」といつも同じような形で打ち取られているとした。プロの世界で活躍するためにはさらなる対応力をつける必要があると見る。
さらに同氏は近年のチームのドラフト戦略についても言及。
ここ5年のドラフト1位選手(2017吉住晴斗 18甲斐野央 19佐藤直樹 20井上朋也 21風間球打 22イヒネ・イツア)を振り返りながら、「野手にスケール感大きい選手が減っている」と低迷の一因にあげる場面もあった。
ソフトバンクは今季から4軍制も導入。豊富な資金力をバックに、これまでも育成と補強の両輪で常勝軍団を形成してきた。しかし優勝は工藤公康政権下の2020年を最後に果たせず、近年はオリックスに独走を許している。
リーグ優勝は逃したが、ポストシーズンを勝ち抜き日本一への道は残されているだけに、まずはナインの奮起にも期待したいところだ。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]
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