国語が苦手な子「文章がミミズに見える」の超衝撃

国語が苦手な子「文章がミミズに見える」の超衝撃

  • 東洋経済オンライン
  • 更新日:2021/11/25
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国語が苦手な子に見えている文章の衝撃の姿とは?(写真:YAMATO / PIXTA)

※石田勝紀先生へのご相談はこちらから

小6の子どもがいます。うちの子は国語ができず、特に説明文の読解ができません。読めば簡単にわかりそうなものでも、理解できていないようです。読解力を高めるために、読書がいいと聞いたのですが、何か本を読ませた方がいいでしょうか。それとも何か別の方法はあるのでしょうか。

(仮名:大井さん)

読書をすることでは解決しない

読解力が重要とは言われますが、では読解力をどのようにつけていけばよいのか、その方法は意外と知られていません。

そのため、「読解力=読書」と連結させてしまい、読書を子どもに勧めてしまう人もいます。しかし、冷静に考えてみればわかることですが、読解力がないのに読書をさせることは、食べたくもない食べ物を無理やり食べさせているようなものです。

確かに、読書好きな子は国語ができる傾向にありますが、その逆は真なりではないのです。読書をきっかけに活字が好きになり、結果として読解力がついたということもあるかもしれませんが、筆者がこれまで指導してきた4000人以上の子どもたちのケースでは、読書をしなくても読解力を上げられるケースも多数ありました。

この問題は「そもそも、なぜ文章が読解できないのか?」という原因がわからない限り、解決できません。単なる表面的テクニックだけを聞いて実践しても効果は持続しませんし、大きな成果を上げることもできません。

実は、「読解力がある子」と「ない子」には決定的な違いがあります。それは、「見えている文章の“景色”が全く違う」ということです。

かく言う筆者は、20歳まで読解力がなく苦労した経験を持っています。その後、あるきっかけがあって読解力が半年間で飛躍的に上昇したのです。その後は、学習塾を立ち上げ、その方法を子どもたちに指導したところ、子どもたちの国語はぐんぐんと伸びていくという現象が起こりました。

このような経緯があることから、筆者は、読解力がある子とない子の間に見え方の違いがあることを悟りました。

読解力がない子が見ている文章の“景色”

読解力がない子の文章の見え方には大きく2つの特徴があります。

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(画像:筆者作成)

1つは、文章がただの数珠つなぎで、まるでミミズが這ったような羅列にしか見えていないということです。そのため、文章量に圧倒され、読む以前に、読む意欲が減退してしまいます。

2つ目は、文を「かたまり」で読むことができず、図の赤の線で切っているように「単語+単語+単語」のように見えている可能性が極めて高いということです。

例えば、「私が学校へいく途中に、公園のところで友達の優子さんに会った」という文章があったとします。これが、「私が」「学校へ」「行く」「途中に」「公園の」「ところで」「友達の」「優子さんに」「会った」とぶつ切りで見えているということです。これでは何を言っているかさっぱりわかりません。

これは極端な例かもしれませんが、英語が苦手な人であれば、このような状態を理解できるかもしれません。英文を読んでいて、英単語ばかりが気になり、単語の羅列にしか見えず、文全体として言いたいことに意識が向かないため、単語とつなげた表面的な訳出をしてしまいます。

以上のように、読解できない子は、文章自体の見え方が「理解できない見え方」になっているということです。音に出して読むことができても、実はわかるような形では”読めていない”ということが起こっているのです。大井さんのお子さんは、上記のように文章が見えている可能性が高いと感じます。

では、読解力がある子が見ている文章の“景色”とはどのようなものでしょうか。

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(画像:筆者作成)

わかりやすく番号と線と色を入れていますが、読解力がある子は、このような細工がない状態で、図のように見えているのです。驚かれるかもしれませんが、読解力がある子どもたちと話をすると、このような構造が無意識に見えていることがわかります。

筆者自身の体験でも、単なるミミズが這っている活字の羅列の文章が、以上のような見え方に変わったことから、読解力が飛躍的に伸びたことを思い出します。

もともと読書が好きで、子どもの頃から文章に抵抗がなかった人は、読解力がない子がどのように文章が見えているのかわかりません。読めていない経験をしていない人が指導することは容易ではありません。ですから、子どもに「そんなの、読めばわかるでしょ」という言葉を使ってしまう人もいます。読んでもわからないから子どもは困っているのです。

そこで、読解力をつけるアプローチは複数ありますが、簡単に実践できる方法を紹介します。小学生にとってシンプルでわかりやすい方法です。

3つのポイント

(1)「分解」する

文章が長いとそれだけで読む気がなくなります。そこで、段落に分けていきますが、番号を入れ、さらに線で区切り、1つの段落以外を紙で隠してしまいます。すると、大量の文章が数行の文だけに見え方が変わります。

このように物理的に見える量を減らしてしまいます。これだけで読解力が上がる子どももいます。

(2)「強弱」をつける

活字はすべて一様に並んでいるだけです。つまり、そこには色分けされることもなく、強調されることもなく、早く読む、遅く読むという表示もありません。

音楽の楽譜のように、強弱やテンポ、息継ぎの部分が表示されていれば、どのように歌えばよいかわかりますが、国語の文章にはそれがありません。

読解がもともとできる子は、表示がなくても自分でできますが、そうではない子はできません。ですから、それを教えてあげる必要があります。そのためには、大人が自分で読む時にどのように読んでいるのかを声に出して「読み聞かせ」をしてあげます。

「単語を読むのではなく、息継ぎごとに(まとめて)読む」

「早く読む部分と、ゆっくり読む部分を分けて読む」

「軽く流し読みする部分と、重要なので繰り返し読みをする部分に分けて読む」などです。

これによって、子どもは楽譜のように「読み方」を知ります。

要するに何を言いたい段落?

(3)「共通していること」は何か?

最後に、次のことを行ってみてください。1つの段落を読み終わったら、「この段落は(結局、要するに、つまり)何が言いたいのかな?」と問いかけます。

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「結局? 要するに? つまり?」は文章を理解するための魔法の言葉です。読解ができる子はこれが自問自答できますが、そうではない子はできません。ですから、問いかけてあげることで、意識を「まとめること(抽象化)」に向けてあげます。

これをきっかけに文章を読むことに抵抗がなくなっていけば、やがて読書するようになるかもしれません。ですから、読書をさせることで読解力をつけるのではなく、読解ができるようになってきたから、読書するという流れの方が自然だと思います。以上、何か一つでも参考になれば幸いです。

(石田 勝紀:教育デザインラボ代表理事、教育評論家)

石田 勝紀

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